殿堂

ナメクジを見つけたら塩!
「ナメクジだ!塩、塩!」
と、這いつくばるナメクジに有無を言わさず塩攻撃しているそこのあなた。実は”なぜナメクジが塩で撃退できるのかよく分かっていない”という方も少なくないのではないでしょうか?
(ちょいグロな表現ですが)パラパラっと振りかけただけでとろーっと消えていくのってなんだか不思議ですよね。もちろん相当苦しいはずですが、なぜ塩をかけただけで消えるのでしょうか。
A.ナメクジのほとんどが水分だから
言われてみればそんな気もする…という感じですが、ナメクジを構成する約90%が水分でできています。文字通りほとんど水分なのです。これはナメクジに人間のような皮膚がないから、ということが理由としてあげられます。皮膚をもたないナメクジは極端に乾燥に弱いため、ネバネバを含んだ水分に覆ってもらうことで生きながらえているのです。
そして、塩には水分を吸収するちからがあります。日常生活の中でも、塩を長時間空気に触れさせていると塩が湿っぽくなってしまった、という経験がある方もいらっしゃるではないでしょうか。これは塩が空気中の水分を吸収してしまったからです。それぐらい強い吸収力を持つ塩がナメクジにとって恐ろしい天敵になることは想像ができますね。
ナメクジが塩で溶ける現象は、深く探れば「浸透圧」なんて言葉も出てきます。つまりナメクジの外膜を挟んだ2つの溶液が、塩をかけることによって浸透圧に差が生じて体内の水分が塩に吸い取られてしまう。
…小難しいので体の水分が塩に吸い取られるということにしておきましょう。
ということは「消えた」のではなく…
ナメクジのなかにたっぷりある水分が、吸収力の強い塩によって吸い取られてしまった。ということは、ナメクジは消えたのでも溶けたのでもなく、干からびてしまったのです。ミイラ化したという表現が1番正しいでしょうか。
カタツムリも塩で消える?
ナメクジに殻がついただけなのになぜか可愛いと人気のカタツムリさん。ナメクジが塩でミイラ化するなら、カタツムリはどうなのでしょうか。
お察しかと思いますが、残念ながら(?)カタツムリも塩でミイラ化します。カタツムリはヤドカリなんかとは違って体と殻を一体化させていますが、カタツムリに塩をかけようものなら、殻だけ残して死んでしまいます。生物学的には違う生き物でも、ナメクジとカタツムリの構造は基本的には同じです。塩で干からびるメカニズムは同じなのです。
砂糖でも干からびる
ナメクジと言えば塩!はもうほとんど条件反射に口にするくらい当たり前になっていますが、実は砂糖でもミイラ化します。浸透圧という現象を用いるので、塩や砂糖だけでなく重曹なんかをかけてもミイラ化してしまいます。
思ってるほど簡単には死なない
家庭菜園などでナメクジ被害に悩む方は、「塩撒いて消えたのにまたいっぱい…」なんてこともあるかもしれません。これ、実はナメクジがまたどこからか湧いてきたのではなく、塩で殺したはずの子たちが復活しているだけなのです。((恐怖
塩攻撃したときはあたかも消えたように見えますが、そのあともう一度水分を吸収して徐々にもとの姿に戻っていきます。生命力ってすごい。逆にいえば、塩アタックしたあとに「やっぱりかわいそう…」なんて愛情が芽生えてきたら水をたっぷりかけてやると無事復活します。
意外と強いナメクジ(カタツムリも)の生命力ですが、さすがに塩のかたまりに埋めたり振りかけ続けると絶命してしまいます。害虫なので駆除は致し方ないにしても、わざわざ苦しめて殺す必要はありません。ナメクジなりに一生懸命いのちを燃やしているので、駆除する際にはなるべく悶えることない方法で殺してあげましょう。
意外とカワイイのですが(自論)
ナメクジってのそのそしてて意外と可愛いんだけどなあ…と思いながらも、好き嫌いは否めません。
でんでんむしに比べてナメクジ嫌悪率が凄まじいようなので、比較的可愛らしい(と思ってる)カタツムリさんの写真を使ってみました。
ナメクジをはじめ、いろいろな生き物の不思議に触れていきましょう!

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