ドラマ相棒「あ〜今日ちょっと、無垢な涙流したいわぁ〜」ってトキに見ると良い話!!〜Season1からSeason5まで〜
TVAsahi系のご長寿&高視聴率ドラマ、「相棒」。天才的な頭脳を持つ窓際部署の右京さんと相棒が繰り広げる殺人事件の捜査が絶妙で、コアなファンが多いドラマの1つです。何を隠そう、筆者もその一人。こうして相棒に関する記事を書いているだけでも幸せを感じてしまう程、相棒が好きです。もちろん上には上がいるので、私などはまだまだペーペーかもしれませんが…。相棒はシリーズ毎で背景に大きなテーマは流れていますが、基本1話完結となっているので、今まで相棒を見たことがない人でも楽しめるようになっています。それぞれの回で、「国家権力が感じられる壮大な話」「社会問題を取り上げた話」「ちょっとコミカルな話」「陣川警部補編」など、カラーが違うので飽きることがありません。中でも「感動する良い話」と表現は月並みですが、登場人物の愛情や悲しみなどが感じられ、思わずじ〜ん(号泣する時も)ときてしまう話は秀逸です!そんな涙必須の話たちを、集めてみました。
Season1 第10話「最後の灯り」
出典:テレビ朝日|相棒_01
亀ちゃんが右京さんをおんぶする名シーンも!
足をケガして動けなくなった右京さんを、亀ちゃんがおんぶして歩きます。ここも名シーンですが…
相棒ファンの感想
僕はこのシーンで少し泣きそうになってしまいました。これ、右京さんが足を怪我して歩けなくなってしまうんです。場所は海岸で、右京さんと亀山くんの二人きりです。周りに人もいませんし、建物もありません。
ですので助けを呼ぶために、亀山くんが右京さんをおんぶして歩くんです。
心に残る相棒の名場面です。
筆者コメント
事の発端は、ある映画監督が死亡した事から始まります。その死に疑問を持った右京さんたちは、独自の捜査を始めるのですが…。途中犯人に襲撃され、どこかの海岸に運ばれてしまいます。その際、右京さんは足を痛めてしまい、亀ちゃんに背負われ、帰路につきます。どこかほっこりとしたシーンで、あまり感情を表に出さず、いつもひょうひょうとした右京さんもやっぱり人間なんだな〜と感じさせてくれます。もちろんここも、良いシーンなのですが…。私がオススメしたいのは、やっぱり最後、全てが明らかになるシーンです。監督が自分の事を認め、その才能を買ってくれていた事に気がつき、犯人が間違えた思い込みから監督を殺害してしまったという後悔の念にかられる場面では、思わず涙腺がゆるんでしまいます。後悔、自責の念、そして監督への想い…様々な想いが絡み合い、泣き崩れる犯人。きっとこの後犯人は、刑務所でずっと取り返しのつかない事をした自分を、責め続けるのでしょう。
この、「勘違い殺人」パターンは相棒の中に割と登場するパターンなのですが、見る人にもどかしさを感じさせると共に、悪人であるはずの犯人への同情や共感を抱くように書かれている気がします。ドラマなんですがなぜか、見ている自分も悔しさを感じてしまうんですよね。さすがは、相棒です。
Season2 第8話「命の値段」
出典:テレビ朝日|相棒_02
ロケ地が話の雰囲気とマッチし、良い感じ。
ロケ地である「人世横町」は実在した場所。現在は残念ながら解体されています。
相棒ファンの感想
死亡した人の命の値段なんて、誰が決められるのでしょう?誰にも決める権利なんてあるわけがないんですよね。なのに息子の死の値段で殺人を犯してしまったこの母親・辻真理子さんはその時、息子の母親ではなくなったんですね。逆に彼女への昔の償いのために、身代わりに自首した神田さんは、本当に彼女の息子の父親になろうとしていたんですね。自身の全てを捨ててまでして。
果たしてそんなことして死んだ二人の息子達が喜ぶだろうか?
筆者コメント
ざっくりとあらすじを言うと、同じ父親から産まれた腹違いの子供が2人、事故で亡くなるのですが、地位の違いからその示談金の額が10倍違う、という理不尽な話です。その事が原因で殺人事件が起きてしまうのですが…。子供を持つ親としては、非常に考えさせられる内容でした。最後のシーンで右京さんが、真犯人をかばったその父親を諭しますが、その言葉にもまた、じ〜んとさせられます。相棒を見ていつも思うのが、右京さんはこんなにも人に対する愛情があり、人の気持ちも良く分かるのに、なんで人付き合いがうまくいかないのかなぁ〜と。分かり過ぎてしまうのが逆に良くないって事なのでしょうかね?
Season2 第16話「白い罠」
出典:テレビ朝日|相棒_02
第16話「白い罠」
第15話「雪原の殺意」の続編です。相棒初の北海道を舞台にした回です。
相棒ファンの感想
最高級ですね、参りました。まさかここまで泣かされるとは思わなかったです。
筆者コメント
前田愛さん演じる、非行に走り問題を起し続ける少女を取り巻く残酷な状況に、心がキリキリと痛み続ける回です。小野武彦さん演じる、刑務官として死刑執行をした苦しさに、更に心が痛みます。様々なサイトに書き込みされている感想でも、かなり高評価の回となっています。途中で亀ちゃんが行方不明になっちゃうし、最後にはどんでん返しもあり、ハラハラドキドキが止まりません。こんがらがった糸がほどけていくように、徐々に明らかになる謎。そして最後には、感動必須の名シーンが待っています。ここで亀ちゃん、演技じゃなくて本当に泣いているんですよ!右京さん演じる水谷さんも、思わず涙が溢れそうになった所を「右京が泣いてはドラマが成り立たない」と必死で我慢したそうです。演技と分かっていながら出演者までもが泣いてしまうという「白い罠」。是非前作の「雪原の殺意」と合わせてご覧ください。
Season3 第11話「ありふれた殺人」
時効制度があった頃のお話
遺族の苦しさ、辛さ。それが痛いほど伝わってくる、お話です。
相棒ファンの感想
相棒の中でも社会派な話であり被害者の哀しみを通して時効の是非を問う傑作
相棒全話の中でも支持の高い人気の作品です。
出典:【相棒レビュー】シーズン3・第11話「ありふれた殺人~時効成立後に真犯人が自首!? - 相棒 ふたりだけの特命係の偏愛レビュー
筆者コメント
ある女子高生が殺害された事件の時効が成立した後、その犯人が自首しました。その事が報道され、事件の遺族である女子高生のご両親が、犯人を教えて欲しいと特命係を訊ねてきます。ですが、復習を防ぐ為、教えられないのが警察です。ここで、亀ちゃんの甘さが出てしまいます。気になった亀ちゃんはその日の夜、遺族の家の前まで行ってしまうのです。遺族に目撃された亀ちゃんは、立場上まずい事に…。そんな時、時効が成立した事件の犯人が何者かに殺されてしまうのです。亀ちゃんが遺族の家まで行ったことで過去の事件の犯人を教えたのではないか、と疑われ、今度はその遺族までもが嫌疑をかけられてしまいます。もちろん、亀ちゃんが教えるはずもなく、問題となっている過去の事件の犯人を殺害した犯人は別の人物なのですが、この出来事を通し、亀ちゃんは決して犯人を遺族に教えてはいけない、という事を学びます。それは、遺族を守る為でもあるのです。ですが、娘を殺した犯人を知りたい、というのは遺族として当然の気持ちです。何度も食い下がるご両親を前に亀ちゃんは辛い気持ちを抑え、「犯人は教えられませんっ!」と言い切ります。教えて貰えない事を分かっていながら、知りたい気持ちを抑えられず、悲しみと悔しさに涙をこらえきれないご両親…。警察官としての対応を迫られる亀ちゃんの苦しさと、遺族の苦しさが相まって、見ているこちらも胸が締め付けられるようです。ま、右京さんはいつも通り、ひょうひょうとしているんですけどね(笑)。きっと右京さんは、もうそこは越えてきた人なのだと思います。今は撤廃されている時効制度があった時ならではの、苦しみと悲しみを包括した回でした。
season4 第13話「最後の着信」
出典:テレビ朝日|相棒_04
はぁ、切ない…
最後がちょっと、いや、かなり?切ない展開に。
相棒ファンの感想
これから真面目に彼女と、って時に、残念な結果になってしまって…冒頭で亀山サンと出会った時の憎めない笑顔が魅力的でした。好きな作品ですね…
筆者コメント
浦島太郎役で有名(?)な、桐谷健太さん出演回です。残念ながら桐谷さんは、殺されてしまう役で登場しますが、ヤクの売人であったので、そこから様々な人や事件が絡み出します。まぁ犯人は、意外な人物なんですが。彼女ができてヤクの売人からも足を洗おうとし、結婚を夢見ていた矢先に殺されてしまったという、「あぁ、あともう一歩で幸せになれたのに!」パターンです。浦ちゃん(違うか!)が亡くなった事を気丈に受け止める彼女の姿が、痛ましい回でした。
Season5 第3話「犯人はスズキ」
出典:テレビ朝日|相棒_05
右京さんたち、実はそういう趣味!?
大の男2人が、女の子用おもちゃに興味津々…2人になにが、あったのでしょうか?もしかして実は、そういう趣味だったとか!?
相棒ファンの感想
町内会の団結力、その裏にある悲しい事件。役者さんが皆上手な方ばかりで、すごく感情移入できるんですよね。
花の里も事件の一舞台になるし、マジカルりりいのような小道具の効果的な使い方も秀逸。
結末はつらいのですが、私もこのお話は好きです。
筆者コメント
過去殺されてしまった女の子を巡ってある町内会で繰り広げられる「犯人はスズキ」運動(?)。ひょんな事から、その女の子を殺した犯人が分かり、女の子の父親は、犯人を殺害してしまいます。その父親をかばおうと住人たちが口裏を合わせて、架空のスズキなる人物を作り上げます。捜査しても町内会の人々が全員、スズキが犯人だと言い張るため、真相が中々つかめませんが…父親に対する同情と住人の優しさが起した「犯人はスズキ」。犯人を隠そうとするのは法に触れる行為ですが、住人たちはスズキが本当にいてくれたら、とはかない願いをかけていました。右京さんも、「そうだったらどんなに良いか。」とポロッと一言、漏らします。はぁ、せつない…。詳しくは、本作品をご覧ください!!
Season5 第19話「殺人シネマ」
出典:テレビ朝日|相棒_05
殺されてしまったのは…
かつて新進気鋭と言われた映画監督の男性。(座って目を閉じてるおじさんです。)
相棒ファンの感想
今回の作品はとても切なかったです。最後のシーンで僕は思わず泣いてしまいました。事件を解決して行く展開ももちろん面白かったのですが、それ以上に切ない気持が残る回でした。
右京さんの優しさが感じられるシーンもあり、切ないだけではなく、少し心温まるような内容でもありましたね。
かと言って、いつもの如くちゃんと笑いどころも押さえていて、中身の濃い第19話でした。
満足です。
筆者コメント
これもかなりの切ない殺人です。かつて名を馳せた映画監督が殺されたとあって、利権がらみだったり、怨恨だったり、様々な憶測が生まれます。この事件を解く鍵は「監督の夢」。自分の作品を見ながら命を終わらせたいという夢が、犯人検挙の鍵となります。結局、解決してみれば、そこには利権でも怨恨でもなく、ただただ監督の事を思う、優しくて切ない気持ちが隠れていたのです。謎を解いた右京さんも、真実を知り、思わずほっと胸をなで下ろします。右京さんも殺された監督の作品を評価しており、その作品を創った監督が誰かに恨まれた末に殺された、とは思いたくなかった、との事。殺人は決してしてはいけない事ですが、もし自分がこの犯人の立場だったらひょっとしたら…と思わせる回でした。
最後に…
相棒は本当に、脚本から演出、出演者など、何から何までが魅力的です。いつも思うのが、なぜ相棒を見るとここまでの充実感を感じるのか、という事です。基本的にはテレビドラマなので、他のドラマとそこまで大きな違いはないように思いますが、キレというか何と言うか、何かが違うと感じます。この「何か」の謎は、まだ解けません。右京さんだったら冷静に分析してくれそうですが、ご本人が目の前に現れてくれるはずもないので、無い頭を絞り、自分で解決することとします。是非、相棒の完成された世界を、楽しみましょう♪