【仕事】人材を育てるために理解しておくべきこと2017-2018年
「新人がいつまでも仕事を覚えない」「新人が入社2日目から来なくなった」なんて話を近年よく耳にしますが、それは本当に当人たちだけの問題なのでしょうか?現在30歳以下の社会人は俗に言う『ゆとり教育世代』ですが、学校指導は緩和されていたものの就職難や震災などでゆとりとは程遠い職歴を歩んでいる人も少なくありません。なので一概に『ゆとり』で言動の本質を判断するのはこじつけがましいところです。
日本は少子高齢化・人口減少により働き手が今後急激に少なくなりますので、人材は貴重です。それを生かすも殺すも指導側の腕にかかっていますので、仕事を教える身として以下のことは理解しておいた方が良いのではないでしょうか。
時代とともに人や常識も変わる
よくネットニュースで「ロボットの導入により職が無くなる」というゴシップが流れているのを見ますが、あれは半分間違いです。今まで人がやっていた仕事はロボットやPCが変わりますが、管理など別の場所に人員が投入されるようになります。例として、現在はPCの操作経験やTOEICの点数が採用基準になっていたりしますよね。30~40年前とはまったく違います。
更に、日本の国民総所得は1960年代から前年対比+10%以上の伸びを続けていましたが、1979年から一桁代に落ち始め、90年代からはマイナスになる年度がたびたびあります。つまりは、真面目に仕事をやっていても昔ほど裕福な生活が望めない時代になっているのです。
上記のことから、昔と今では仕事の常識や人材の基礎がまったく違います。時代の変化に合わせて人も変化することを受け入れましょう。また、現在の世代の基礎を作った環境をもたらしたのが、今教育係となっている人たちの世代だということも理解が必要です。
彼らは『マニュアル至上主義』で育てられてきた
「詰め込み世代」も「ゆとり世代」も共通して言えるのが、日本教育の性質上、マニュアルを徹底的に守ることが評価されているため、想定外の出来事に弱くなります。そして学校教育が終わり社会に出ると、マニュアルに無いことが出来ないと成果を残せないのでスランプや不満が発生します。詰め込み世代の場合は当時OJT(現場教育)に体育会系のスパルタ気質があったため、マニュアル外のことも叱られて身体で覚えるのが正しいとされてきました。しかしそれらのOJTを通して成長した人材は『同じ手法を使えば人は育つ』と考え、部下にも体育会系の教育を施す人が多いように見えます。今やったらパワハラで訴えられかねません。
社会に出たばかりのマニュアル教育世代は、想定外のことに対する知識不足で「叱る」と「指摘する」の区別が自己判断できないので、『教えられていないのに理不尽に怒られた』という思いが発生し、早期辞職やバックレに繋がります。
10年もあれば教育の方針や人材の育成方法は大幅に変わります。また、現在は「褒めて伸ばす」方が社会人教育には有効という話もあります。つまりは、昔の教育の常識を今に持ち込まないこと・現代に合わせた教育方法を探っていくことが重要なのです。
出典:内閣府 国民経済計算
育った環境によっても『常識』が違う
個人事業やビジネスをやる人の間で『親の収入=将来の子供の収入』という言葉があります。これは、親の用意した環境によって子供の経験値や教育方針が違うために、成人した時の収入にも差が出るという意味です。日本の平均年収422万ですが労働人口の57%が年収400万以下という数字が発表されています。上司・部下の間にも同じことが言えますが、収入つまりは家庭環境によって常識も差が出てきます。たとえば、目玉焼きにつける調味料が家庭によって違うのと同じです。
なので、指導側の常識を「こんなことも知らないのか」と押し付けるのは、部下にとっては前項に書いた『マニュアル外の事例』に当たります。とはいえ、仕事である以上、教わる側に「早く仕事を覚えよう」という意欲はあるので、文字通り”一から教える””何も知らない前提”で指導する方が受け手にとっても苦痛になりにくいのです。
まとめ
おおまかに”指導側と勉強する側の意思疎通ができていない”という内容で書きましたが、中にはただただズボラなだけの人も一握りいます。上記の事例も含めて、互いに信頼や尊敬の念を気づくことができれば、仕事への意欲も育てることができるでしょう。
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