残業代は時給500円、帰宅は午前2時「不夜城・霞が関」で働く国家公務員の悲痛な声
ブラック企業ばかりの民間に比べて、公務員は楽だという話はよく言われます。しかし、その噂は日本の中枢・霞が関で働く国家公務員には到底当てはまらないようです。
「霞が関過労死110番」を実施します。
◆11月25日(土)13時~19時
◆TEL03-5510-2191
◆秘密厳守・相談無料・ご家族の方からの相談でも結構です
◆一人で悩まず相談ください
◆主催:日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)pic.twitter.com/sm0X3ycGnE
たまたまタイムラインで見つけたこのツイートですが、今年は5月にも同様の電話相談が行われていました。それだけ過酷な労働環境になっているのかと探ってみると・・・
国会対応などで過酷な「霞が関不夜城」、過労死の危険も…5月13日に労...
https://www.bengo4.com/c_5/c_1637/n_6076/
霞が関で働く国家公務員の長時間労働問題に対応するため、日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)などが5月13日、電話相談ダイヤル「霞が関過労死110番」を実施する。内閣総...
出典:投身自殺の画像
午前5時まで職場で働いていると、どうしてこんなに働かなくちゃいけないのか急にバカらしくなって、パッと職場の窓から飛び降りた方が楽になるんじゃないかと思うことがある
出典:国公労連さんのツイート
係長は退庁目標時間をいつも23時に設定。その23時も守れず終電に間に合う24時半頃職場を飛び出し午前9時には毎朝出勤。部署全体も同様で睡眠不足でつらい
出典:国公労連さんのツイート
外務省では、午前3時、4時まで働いてタクシー帰りは、当たり前です。それで当日の午前9時に出勤するのですから、まともな心身の状態を維持することすら困難
出典:国公労連さんのツイート
1年間のうち半分は職場に泊まり込むか朝帰り。“霞が関不夜城”とはよく言ったもので、こんなところで働いていると過労死するか家族を失うかの2つぐらいしか道がない
出典:国公労連さんのツイート
家にはただ寝に帰るだけ。真夜中に夕食を済ましたらすぐに寝て、またすぐに起きて仕事に行くという生活を送る職員が多いようです。巷のブラック企業と変わりませんね。なぜ、こんなに過酷な労働環境になっているのか?それは、
一般職の国家公務員には「残業時間の上限などを定めた労働基準法が適用されない」から。
過労死の危険ラインとされる月平均80時間以上残業した人は9%にのぼり、27.6%が過労死の危険を感じたことがあると回答
出典:国会対応などで過酷な「霞が関不夜城」、過労死の危険も…5月1...
霞が関国家公務員労働組合共闘会議(霞国公)が2015年3月、1万人にアンケートし、2208人が回答したもの(回答率 22%)
そして、このような働き方に見合った賃金は支払われていないのが現実のようです。
出典:イメージ
もらった残業代を計算すると、時給500円になって、家族からコンビニでバイトした方がいいと言われた。霞が関で働く国家公務員はブラックバイトより酷い実態
出典:国公労連さんのツイート
毎月の残業が100時間近くになるにも関わらず、実際の残業した時間の3分の1、酷い場合には4分の1程度しか残業代が出ない。
毎日夜遅くまで残業、土日出勤は当たり前なので若い人が辞めていく。結婚や子育てを考えると「もうここにはいられない」と思うのは無理もない。東京23区や市役所、自分の地元の県の県庁を受け直す人が増えている。優秀な人材が流出している
出典:国公労連さんのツイート
霞ヶ関の国家公務員というと、高級官僚がイメージされ、高いお給料ももらっているのだから仕方ないのでは、民間よりマシ、と思われてたりします。しかしそうしたいわゆるキャリア組は一部の方で、高卒で入省する三種採用や事務方の二種採用、非正規など決して高い待遇ではない方たちが大勢おられます。https://twitter.com/kokkororen/status/934284688293691393 …
木曜日の朝から土曜の朝まで48時間寝ないで仕事をしているなか、そのまま続けて勤務するように当然のように命じられた
出典:国公労連さんのツイート
とりわけ忙しくなるのは、予算対応と国会対応の期間。国会質問のための資料作成や、別の省や国会議員との調整を一晩中かけてやることもあるといいます。また、地方自治体からの要望についても、それぞれ対応が必要になります。
1年で職場泊まり込み50日、日付変わっての深夜帰宅も50日。国会対応に負われて午前2時、3時を過ぎるとタクシーで帰宅したとしても睡眠時間を確保することもできなくなってしまう
出典:国公労連さんのツイート.
政府閣僚や有識者、国会議員との打ち合わせが20時に始まって22時に終わることなどもあり、何が「ゆう活」なのかと思う。政府が「ゆう活」を言うなら夜遅い会議を真っ先になくすべき
出典:国公労連さんのツイート
こういった過酷な労働環境で、当然のごとくメンタルを病む人も多くなっているといいます。しかし、現場にはメンタルに不調を抱える人に対して思いやりをもって接する余裕がない。そうなると、メンタルの症状が悪化して業務に支障をきたすようになり、あふれた業務をカバーする別のメンバーまでメンタル疾患になるという悪循環が起きてしまうのです。
うつ病で休むと忙しい中で「あいつ倒れやがって」となる
上司のキャリアの中には、「クラッシャー」と呼ばれるような人もいて、部下を何人もうつ病にして病院送りにする人がいる。
出典:国公労連さんのツイート
遠方の地方自治体から来てもらって、使いつぶした挙句にメンタル疾患にして元の職場に帰すみたいなところもあるから恐ろしい
出典:バランス
政府は「ワーク・ライフ・バランスが大事」と言うが、私の部署では「365日ワークばかり」で、どこにライフがあるのかという実態。ゴールデンウィークも毎日全員が出勤
出典:国公労連さんのツイート
長時間残業に耐えうるかどうかが基本的な評価軸になっていて、家事や育児、介護など家族的責任が重くのしかかっている女性はよほど条件が恵まれている人じゃないと霞が関不夜城の住人として認められない
出典:国公労連さんのツイート
「女性が活躍できる社会」とか「女性が輝く社会」などと言って、国家公務員の管理職の女性比率を引き上げるようなことを安倍政権は考えているが、実際に霞が関の働き方を見ていると、女性はどう考えても働きづらい
出典:国公労連さんのツイート
「どこにライフがあるのか?」という重い言葉。
安倍首相の唱える「働き方改革」を率先するモデルであるべき国家公務員自身が、ブラック労働によって疲弊している。この事実は見過ごすわけにいかないものですね。なぜなら、国家の実務面を担当する官僚が長時間労働ばかりしていて「生活していない」状態だと、到底国民の目線にたった政策など提案もできないし、うまく施行できるわけなどないからです。
国家公務員の各役職段階に占める女性の割合の推移上のグラフが示すように課長レベルの管理職を務める女性の割合はわずか4%以下という非常に低い状況が続いています。
長時間労働が常態化した職場では体力的にどうしてもハンディキャップのある女性は昇進において不利。出産した後の現場復帰、子育てをこなしながら業務を続けることも女性のキャリアにとって大きな壁になっているようです。
女性が輝けば、日本はもっともっと輝ける。「輝く女性応援会議」オフィシャルブログ『SHINE! ~すべての女性が、輝く日本へ~』が本日開設されました。初回は安倍総理からのメッセージ⇒ http://twme.jp/pmo/01VA pic.twitter.com/WweKOzmQ5r
口だけでなく、女性が安心して働ける環境作りを進めようとしているのでしょうか。
バブル崩壊以降、一向に上向かくことのない日本経済。沈み続ける世界での存在感。高度成長期を引きずったまま、仕事一辺倒で生活を顧みることのなかった男社会とは異なる視点を持った女性こそが、日本を変える大きな力を持っている筈なのですが。
そのためには、女性を男性のように長時間労働の悪習に従わせるのではなく、仕事ばかりで「生活していない」男性の残業時間を規制して、人間らしい生活を取り戻す必要があるのです。
まずは政府の根本である官庁から「働き方改革」を示さないと、日本から残業も過労死もなくなりません。
【関連記事】
出典:abc.es
「Karoshi(過労死)」は世界中で通じるという不名誉すぎる事実
http://sharetube.jp/article/8238/
過労死が「Karoshi」として、世界でもっとも包括的な辞書であるオックスフォード英語辞典に登録されたのは2002年のことだそうです。 出典:karoshi