【洒落怖】バイク乗りの若者(ほんのり・中編)

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『バイク乗りの若者』

518 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :2001/07/23(月) 01:57

母の同僚のおじさんが釣りに行った時のこと。


朝早く車で出かけて行って、朝日が登るまで車の中で焼酎を飲んで暖まっていた。

いつもは待ち時間用の小屋みたいな所で過ごすんだけど、

その日はなんとなく車にいたらしい。

すると向こうからバイクがスーっとよってきて、車の脇に止まった。

そのバイクに乗っていた20代くらいの若者は、ヘルメットを取って車の中を覗き込んだ。

おじさんは何事か?と思いつつも窓を開けて、その若者と会話した。

その場所はすごく田舎で、夜になると車通りがほとんどなくなるので、

こんな時間にどうしたんだろう?と思って話しかけたんだそうな。

おじさんは若者を車に招き入れて、焼酎をふるまった。

酒を酌み交わしながら、おじさんが「こんな夜中にどうしたの?」と聞くと、

若者は「ちょっと事故って…」と言った。

見ると頭に血がついていた。

おじさんは若者の頭にバンソウコを貼ってあげた。


若者が帰る時、おじさんは若者がバイクで来たということを思い出して、

「スマン、酔っぱらい運転だなぁ」と言うと、

若者は「バイク壊れてるんで」と言って、

おじさんの目の前でバイクを押して帰って行った。

その時おじさんは酔っていたので、

バイクを押して歩いているにしてはやけにスピードが早いというか、

ほとんどバイクに乗っているようなスピードで帰っていったことを、

さほど気に止めなかった。


さて、朝日が昇り、釣り舟が到着した。

おじさんは船長にその若者の話をした。

すると船長は少し言い淀んだ後、「その若者はアレだよ」と言った。

なんでも、釣り人の待ち時間に使われる小屋には、

若い男の幽霊が現れるということで有名なんだそうな。

酒飲みのおじさんは、母に「ユウレイと酒飲んじゃったよー」と嬉し気に語った。

おじさん曰く、

「酒を飲み合ったら誰でもトモダチ。あいつはユウレイにしては良い若者だった。

 あいつの話は面白かったなぁ。また飲みたい」


私はおじさんほど肝が座ってないので、ほんのり怖くなりましたとさ。おしまい。


520 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :2001/07/23(月) 02:05

>>518

そんな霊ばっかりだったらもっといい世の中になるのにねえ


521 :518 :2001/07/23(月) 02:23

>>520

レスどうも♪

いい霊かどうかは?です。

初めに車に近付いてヘルメットを取った時、

普通の人なら血を流している事に気が付いて「キャー」てなります。

でもおじさんは酔っていたので気が付かなかったらしいです。

若者の様子が変なのも、

年が離れているから話が合わないだけだと思っていたらしいです。

話だけ聞くと、若者はどうやら驚かす気満々だったみたいです。


書き忘れてましたが、小屋で被害にあった人たちは、

その若者に首を絞められたり背中から突然抱きすくめられたり、

結構な悪さをされてたらしいです。

おじさんのフレンドリーさが勝ったということなんでしょうかね?

おじさんはその後も平気で小屋を使ってるらしいです。

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