ビールを飲みながら電車に乗れる熊本の「ビアガー電」車窓を楽しみながらビールを♪
熊本にはビアガー電とかいうビール飲みながら電車乗れる市電がある
夏の終わりにビアガー電
今や夏の風物詩とも言われ熊本でローカルにヒットしている「ビアガー電」、ご存じですか?
7月から9月末までの夜、
ビアガーデン代わりに市電の車両を借り切って
飲み喰いしながら熊本市内を走り回ろう
という愉快なイベントで、
熊本市交通局が市電(路面電車)のPRのために
2006年から始めた夏期限定企画商品です。
ひと月前から予約受付が始まります。
貸し切りだから
友だち、家族、仲間、ご近所に声を掛け
ある程度の人数集めて申し込みます。
定員28名まで。
飲み物食べ物は持参です(ゆえに楽しい!)。
1日1便運行で
貸し出し&運行料金が1万5千円だから、
28名の場合は一人536円ほどで、
かなりお安い。
午後6時半、大江の市交通局車庫を出発し、
健軍町や上熊本を経由して
午後8時半に市交通局車庫に戻ってくる。
途中2回、トイレタイムで停車しますが
基本的にノンストップで街中を走り抜きます。
想像するだに楽しげなこのイベントは
東京にいた頃から知っていて、
ぜひ乗ってみたいと思っていたのですが、
暑い季節にさらに暑い熊本に帰る勇気がないまま月日が経ちました。
しかし昨年Uターンして
家や親のことなどで慌ただしく夏を迎え送ったあとで
ハッとそのことに気が付いて
「南阿蘇珈琲」のオーナー田中孝治さんにボヤいてみたのです、
来年こそビアガー電に乗ってみたいが知り合いが少ない自分は人集めできないなあ、と。
すると最高の答えが返って来たわけなのです。
「それはまかせてくださいよ。ぼくら毎年乗ってるんで。
ぜひ来年ご一緒しましょう!」という素晴らしきお言葉が。
で、一昨日の8月27日がその”来年”なのでした。
ビアガー電は1日1車両の運転ですから
ひと月前の予約でもすぐにいっぱいになるそうです。
7月に田中さんが申し込んだ時点で8月はすでに満杯、
キャンセル待ちしていたところ運良くこの日が空いたとのこと。
当日は田中さんを巡る人々が集まりました。
圧倒的に女性が多いのはモテ男くんゆえの現象でしょうか。
私は東京時代からの知人で
3ヶ月前熊本にUターンした内田英喜さんを誘いました。
内田さんの年上のお知り合いに
退職して市電の運転士になられた方がいるそうです。
男のロマン?
ムードに酔っていたら早くも健軍町に到着。ここが市電の東方面の終点です。
普段は長く感じる距離も
楽しいことをしているとアッという間に着くから不思議。
折り返しのこのあたりから車内では
皆それぞれに持参した
飲み物食べ物が飛び交い始めました。
わいわいと何とも愉快な晩餐風景に
酔いもいっそう回るというもので、
羞恥心も消え去ったらしく、
窓外を走る車の運転席に
やみくもに
手を振り続ける自分がいました。
反応としては、
ただただ訝しげに見返すだけのドライバー、
横顔が笑っているタクシーの運転手さん、
多いに手を振り返し
写真まで撮ってくれているオープンカーのカップルさん、
まったく“無視”のお父さん。
いろいろありですね、人生は。
電車が水道町、通町筋、熊本城前などの中心部に入る前から
「さあ、これからがメインイベントですよー!」
とエガちゃんがけしかけます。
で、みんないっせいに外に向かって手を振るつもりが、
意外や人影が少ないのです。
いつもなら人・人・人でごった返している
下通・上通の入口付近も人影まばら。
なんだか肩すかしくらったみたいでがっかりですが、
それでもしつこく手を振り笑顔をまき散らしていると、
ぽつぽつながら
外国からの旅行者や
サラリーマン風情、女子大生風情が手を振り返してくれました。
手を振り合ったからって何だってのさ、いったい?!
と問われたら返す言葉もないのですが、
とにかく何だか楽しいわけで。
というか、
自分が乗っているこの「ビアガー電」を外から見てみたい自分がいて、
しかしそれは不可能だから
外にいる人の反応にその答えを求めているような
自分勝手な喜びとでも言いますかしらん。
熊本の市電は繁華街の辛島町から
JR熊本駅方面へ行くのをA-Line、
北側のJR上熊本駅方面行きをB-Line
と2つに分かれて走ります。
「ビアガー電」は今のところB-Lineのみの運行で、
辛島町から先は
人影途絶えた古い町を上熊本駅へと進みます。
熊本市内の街灯は数年前からの節電対策により
明度を落とした薄暗いオレンジ色の灯になっています。
それが古い町並みをさらに古めかしく見せていて、
人っ子ひとりいない一角が
まるで映画のセットのように私には映り、
思わぬ情景に「へええ」と感嘆していると、
暗い夜空を背景ににょっきりと新幹線の線路が登場。
高架下には味気ない工事現場が続き
しばらくしたら上熊本駅に到着しました。
ここがB-Lineの終点で、
トイレタイムとなって全員降車。
当然記念撮影ですよね。
上熊本駅で折り返して交通局の倉庫まで、
街中を通る戻りのコースがまだ残されてはいるのですが、
来年もみんなで来れますようにとここで全員集合の記念撮影をしてみました。
楽しい「ビアガー電」タイム2時間のうちの
1時間30分を充分に味わい尽くした証しの皆の笑顔です。
熊本の夏の風物詩「貸切ビアガー電」運行中
熊本市交通局では、お客様に普段と違う市電を楽しんでいただくこと を目的とし、市電の車内にカウンター と丸椅子を設置し、市電に乗車しながら飲食できる「貸切ビアガー電」を 平成18年度から運行しています。予約受付は1ヶ月ごとに行っており(7月 分は6月から予約受付開始)、今年度 の7月分及び8月分は受付を開始した日に50件以上のお問い合わせを受け、その日のうちに1ヶ月分全ての日のご予約をいただいています。当初はホテルとタイアップして食事を提供し給仕係も乗車していましたが、平成21年度からは車両の貸し出しだけで飲食物は全てお客様のお持ち込みとしています。お客様は職場の仲間でご利用いただくことが多いようですが、保育園の行事として利用されたり、中にはおひとりでご利用いただいたりと様々です。また、県外の方にもご利用いただいており、本市の夏の風物詩となっています。
【企画概要】1 企画名:貸切ビアガー電
2 内容名:飲食可能な車両の貸し出し(飲食物は利用者が準備する。)
3 期間名:平成24年7月1日(日)~平成24年9月30日(日)
4 時間名:午後6時30分~午後8時30分(約2時間)
5 便数名:1便/1日
6定員名:28名
7 経路名:交通局内~健軍町~交通局内(トイレ休憩有)~上熊本駅前(トイレ休憩
有) ~交通局内
8 料金名:15,000円
【平成23年度実績】
1 運行期間 平成23年7月1日(金)~平成23年9月30日(金) 92日間
1 ※92日間のうち、3日間は市電沿線でのイベント開催のため運休。
2 利用日数 87日
3 利用者数 延べ1,764人 4 稼 働 率数 約97.8%
出典:http://mtwa.or.jp/kaiindayori/12_07kumamoto.pdf
料金もめちゃくちゃ安いんだよねなお、当日だと2万円みたい