理系学生のレポートの基本 まとめ

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 「大学に入学したらレポートの書き方を教えてもらえるから大丈夫!」と思っていませんか?そうとは限りませんよ。なぜなら、大学で授業をしてくれる先生は教授なので自身の研究で非常に忙しいです。その合間に授業をしているのでレポートの書き方にわざわざ時間を割けません。ですが、レポートの課題は普通に出されます。
 そこで、大学に入学する新1年生の方やこれからレポートを書くことになりそうな学生の方へレポートの基本的な流れを教えます!!

レポートの基本的な流れ

レポートの基本的な流れは以下のようになっています。


①要旨

②目的

③原理

④実験操作

⑤結果

⑥考察

⑦参考文献

 この流れは主に学生実験のレポートの流れになります。調べ学習のようなレポートの場合は次のように書くと良いでしょう。ですが理系大学生のレポートは基本的に実験レポートなので、今回は実験レポートについて説明します。


①序論

②目的

③本論

④参考文献

①要旨

 要旨とはそのレポートの重要な部分を要約したものです。実験操作に詳しく触れるというよりかは、得られた結果から分かったことを書きます。10行前後が目安ですが、短すぎて何も伝わらないのはもちろん、要旨が長すぎてまとめられていないのも良くないので、文の量より質を意識すると良いでしょう。

②目的

 その実験をやる意味(例:○○の温度依存性を確認する)を書けばOKです。またこの項目はあってもなくても大丈夫だと思います。

③原理

 学生実験では基本的に既知の事実を確かめる実験なので、その背景には必ず原理があります。この原理は図書館で文献を探し、自分の言葉でまとめます

④実験操作

 実験操作は実際に自分が行った実験をそのまま言葉にします。場合によってはフローチャートにすると分かりやすいです。ポイントは使った試薬であれば秤量した値(例:1.2395 gのように)を具体的に示すことと、全ての操作は現在形ではなく過去形で書くことです。(例:○○を加えて30分間静置した。)

⑤結果

 ここに示すのは実験により得られたデータを図や表にしてまとめます。図や表を差し込むときの注意点として、図はタイトルを図の下側に、表はタイトルを表の上側に配置することです。さらにタイトルや図、表やその値は中心にくるよう配置してください。また、単位をしっかり記載するよう注意してください。

⑥考察

 レポートで最も大切な部分です。ここを適当にやってしまうとレポートそのものが良くないものになってしまいます。実験結果から何が分かったのか、理論値や原理から推定される結果と実際の結果がずれてしまった要因は何か、などをここに書きます。理論値を文献から利用した場合には必ず以下の⑦参考文献の項目で記載しましょう。忘れがちなので特に注意してください。

⑦参考文献

 レポートの中で一番書き方が分からない項目だと思います。ここには①~⑥で使用した参考文献を記載します。その際に書く情報は、著者名、書名(タイトル)、出版年、始めのページ-終わりのページです。厳密なレポートではさらに細かく書かなければなりませんが、細かく書くと参考文献についてだけで1本の記事になるので大まかな流れだけ必ず覚えておいて下さい。重要なこととして、ここに本を明記するだけではなく、このレポートのどの部分で使用したかを書く必要があります。よくわからないと思うので以下に例を示します。
⑥考察 

  ・・・・の実験より得られた△△という値は理論値○○¹と比較すると、・・・・ 

⑦参考文献

1 Nikken,理系大学生のレポートの書き方.2018,no.1,p12-13

 まず参考にした部分の終わりに上付き文字を付けます。番号はレポートにでき来た順番に1,2,...と振り当てれば大丈夫です。そして同じ本の同じページから異なる内容を参考にしたとしても同じ番号を当てるのではなく、新たに番号を振り参考文献に記載してください。この番号を振る操作を忘れる学生は非常に多いです。めんどくさいですが、自分のレポートの信頼性を向上させ、読む人に上表提供をするという意味でやらなくてはならないことなのです。

最後に...

 読者の方々の専攻や学校の指示によってはこれまで書いたこととは違うことがあると思いますが、その際はそちらの指示に従って下さい。また参考文献に関する書籍や情報は探せばたくさんあるので、機会があれば読むことをおすすめします。

著者プロフィール
Sharetube