「まだ一緒にいたいよ…」あふれる老犬への愛しさと、快適な過ごしかた
愛しくてたまらない老犬との生活
仔犬は本当に可愛いですよね。仔犬を迎えてしつけにてんてこ舞い、しつけも落ち着いた成犬になれば一緒に出掛けたり、ボール投げやフリスビーで元気に遊んだりと犬との暮らしは本当に楽しいものです。それでも、犬は人より先に老いていきます。白髪が増えて、目が白内障で白くなったり、毛づやもなくなって、見る人によっては可愛いとは思えないかもしれません。でも、家族でもある飼い主は、元気で綺麗な姿をしていた成犬時代、やんちゃで小さくて可愛かった仔犬時代とは、また違った可愛さ、ただ、そこにいてくれる…それだけで愛しさが溢れてたまらないんですよ。
犬の年齢は実際に人の4倍の早さ?
●犬は人間の4倍で歳を取るとよくいわれます。大体それで合っているみたいですが、小型、中型、大型の順で早く歳をとっていき、犬種でも違う傾向があるようです。
犬・猫と人間の年齢換算表です。
獣医師広報板より。表になっていて見やすく、さらに犬の大きさで分けた、おおよその年齢換算表が載っています。
前出の犬の年齢換算式を参考に、仮に人間の60歳くらいに相当する年齢からシニア期に入ると考えた場合、小型犬では9~11歳、中型犬では8~9歳、大型犬の場合は7~8歳となります。ただ、これには違和感を抱く人も多いかもしれませんね。大型犬はもう少し早くシニア期に入ると思われますし、超大型犬ともなるとそもそも7~8歳頃で寿命ということもありますので。サイズや種類のバラエティーが豊富で、犬種の特性もある犬では、一口にシニア期を語るのは難しいということです。
出典:All About
All Aboutの「犬の年齢の数え方と平均寿命」から引用。やっぱり大きさや犬種、それぞれのワンちゃんによって違うようです。
●思ったより早くシニアに突入するし、それぞれの犬によって違ってくるようですね。まだまだ元気に見えても老化のサインを見逃さず、しっかりケアしてあげたいですよね。
老犬になるとこんな感じに。見過ごしがちなところも…
<外見から判断できる老化>●身体が痩せてきた
●白髪が出てきた
●毛に艶がなくなってきた
●目が白くなってきた
●イボ状の腫瘤物(できもの)ができてきた
●口臭がある
など
<生活から判断できる老化>
●呼んでも気付かない
●寝ていることが多くなった
●動作が鈍くなった
●我慢が出来なくなった
●排泄のコントロールができなくなった
●物にぶつかることが多くなった
●歩き方がぎこちない
●立ち上がるのに時間がかかる
●飼い主に依存している
●食べ物に執着する
●夜鳴きをする
●昼夜逆転している
●いろんなことに無関心になった
出典:東福岡たぬま動物病院
東福岡たぬま動物病院さんのサイトより引用させてもらいました。
目が白っぽくなることや白髪はわかりやすいですが、その他は以外と見逃してしまいそうです。シニア期に入るぎりぎりの年齢の頃だと、まだまだ若いと感じますし、一緒にいる事が当たり前になってしまいます。さらに、不思議と意思疎通もできるようになって、飼い主さんや犬の様子によっては、細かな注意が怠りがちになる事があるかもしれません。よく注意しないといけないのですね。
愛しい老犬、快適に生活させてあげるには?
・家具の角や柱は、犬の目線の高さではぶつかりやすい物が多いため、目線の位置にクッションをつけてガードしておく・フローリングなどは滑りやすいため、ワンちゃんの生活スペースにはカーペットやマットを敷いて足腰に負担がかからないようにしてあげる
・足腰に弱くなったワンちゃんには行動範囲内(いつもいる場所)の近くにトイレを用意し、したくなったらすぐに行けるようにしてあげる
など
出典:東福岡たぬま動物病院
前述の東福岡たぬま動物病院さんのサイトより。この方法は、簡単に過ごしやすい工夫ができそうです。
●さらに詳しい情報もありました。画像付きで長く説明されていますのでリンク先をどうぞ。
介護のためのお部屋づくり|介護|しつけ・介護コラム|あいむ動物病...
http://www.119.vc/manners/archives/12
あいむ動物病院さんのコラムより。実際に画像があるとお部屋をつくるのに便利ですよね。
●その子その子によって体力や視力、聴力が徐々に、または急に弱くなるなどありますので、愛犬にあわせた生活スペースの工夫が必要になりそうです。獣医さんに相談してみると、その子に合ったよい回答がもらえることも多いです。上記を読むと、将来、万一病気や介護になった時を見据えた準備をしておくと良いよさそうですね。余談ですが、我が家の愛犬は耳が最初に聞こえなくなり、次に片目が見えなくなったので、突然触ってもびっくりしないようにすることと、床を叩く振動で呼ぶことを教えました。
老化?病気の可能性にも注意を!
心臓病・腎臓病・肝臓病・癌・子宮蓄膿症(雌)・前立腺炎(雄)・ホルモン異常(甲状腺 など)・膀胱結石・尿石・尿漏れ・夜鳴き・便秘・口臭・歯周病・認知症・脳梗塞・脊椎変形症・白内障など様々な加齢に伴う病気があります。皆様が愛情を持って観察し触り飼育していれば異変にすぐ気がつきます。その時は、なるべく早くご相談下さい。
出典:老犬の介護と病気について|犬・猫の動物病院は、栃木県宇都...
岩上動物病院さんのサイトより引用させてもらいました。
●人間と同じように、最近は犬も寿命が延びていろいろな病気にかかります。上記を読むだけでも、人と同じあらゆる病気になる可能性が高そうですね。ただし犬種によって発症しやすい傾向のある病気も多いようです。若い頃から全体を確認することはもちろん、その辺りを重点的にチェックするのもいいかもしれません。
それでも私たちの愛は止まらない!!!
たっぷりの愛情をもらっている、可愛い老犬ちゃん達のご紹介です。
お誕生日
15歳みたいですね、おめでとう!
出典:Adventuring with Senior Dogs ちなみに、例えば寝たきりの子だと床ずれや姿勢の辛さなどに対して、様々なケアが必要になることもあります。それぞれの犬の状態もあるので、その子に合わせたケアが必要になります。
http://jsah1988.com/elderlydogs.html
こちらのリンク先では、老犬の状態に合わせた介護の方法が画像付きで詳しく紹介されています。寝床の作り方や食事のさせかた、散歩の仕方などほぼすべての面での対策は参考になります。
●飼い主のみなさんがお疲れにならないよう、遠くから応援することしかできませんが、ワンちゃん達、こんなに愛されています。さらに、飼い主さんが愛犬のため様々な工夫をされているお姿は、勉強になります。
16歳のワンちゃんのお散歩。体が大きいから支えて歩くのは大変ですが、それでも笑顔、笑い声、とても楽しそうですね。
これで寝たきりの子もお散歩できます。前向きのカートが多いので引っ張る姿は斬新でした。
頑張れとは言わないけれど、まだ一緒にいたいよ
例えば病気になった場合でも、若い犬と違い体力の少ない老犬では違ってきます。体力が少ないのに負担のかかる治療をするのか、苦しみだけを取ってあげるのか、病気を告げられた老犬の飼い主さんが直面する悩みです。苦しそうだから楽にしてあげたい、と安楽死という選択もあります。どの選択にも正解も間違いもないと思っています。一緒に過ごした家族の間だけに出せる答えなのです。
それから、頑張って病気や老化と戦って!なんて言いたくないし、出てくる言葉はたぶんみんな「大好き」「ありがとう」「まだいっしょにいようね」。
病気の治療もとても大事だけれど、一番の薬は飼い主さん家族や可愛がってくださった周りの皆さんの笑顔。それから、一緒に部屋でくつろいだり、歩けなくてもちょっとのお散歩でお日様や風の匂いを感じたり、お友達ワンコやご近所のかたとのご挨拶…。
そんな、今まで通りの生活を工夫しながら楽しく過ごすことなのかな、と思ったりもします。
老犬になると、あふれてくる愛しさとともに「いつまで一緒にいられるかな」と、寂しさにおそわれ、泣きたくなる時もあります。なにげない1日が、今日も、明日も、過ぎていきますよう。