すべてが"罠"…マジシャン殺しの真実を追う映画「プレステージ」の見どころ【ネタバレなし】
「メメント」に続くクリストファー・ノーラン監督の映画作品『プレステージ』。ヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベールのW主演という豪華配役で、日本では2007年に公開されました。主演以外の出演者もそうそうたるメンバーです。
ヒュー・ジャックマン演じるマジシャンの助手役としてスカーレット・ヨハンソン。さらにデヴィッド・ボウイが偉大なる科学者として出演しています。
映画「プレステージ」のあらすじ
出典:プレステージ (字幕版) マジシャンとして1番のライバルであるアルフレッド・ボーデン(クリスチャン・ベール)が、容疑者として逮捕された。 数年前、2人はプロのマジシャンのもとでサクラとして修行を積んでいた。 ある日の公演、慣れたはずの瞬間移動マジックで、アンジャーの妻が脱出に失敗し溺死してしまう。 なんと、その原因を作ったのはボーデンだったのだ。 アンジャーは憤慨し、ボーデンのマジックを失敗させて復讐を果たす。 しかし2人の争いは次第に激しくなり…。 動画
物語のテーマ:アンジャー殺害の謎
出典:プレステージ (字幕版) 2人はマジシャンとしての地位を競い合う関係であったから、 ボーデンが殺したとしても「ダントンの人気に嫉妬して」「自分の人気を守るため」と動機づけは簡単にできるのです。 では、ダントンはいったいどんな方法で殺されたのでしょうか。 溺死した水槽には頑丈な鍵がかかっていました。果たして本当にボーデンの仕業なのでしょうか…。
クリスチャン・ベール演じるボーデン(芸名:プロフェッサー)の手によって殺されてしまいます。 動画
見どころ①:つかみどころのない男、ボーデン
出典:プレステージ (字幕版) 絶望に暮れる友人を見ながらも、ボーデンはマジックに夢中です。 いつでも冷静沈着に、表情を崩すことなくマジックの研究を続けています。 日々観客を集めては自慢のマジックを披露。 観客の声援を聞くためなら、かごの中の小鳥だって簡単に殺してしまいます。 動画
マジックのためならなんだってする。それが彼の座右の銘なのです。
見どころ②:競い合う2人が得られないもの
出典:プレステージ (字幕版) しかし、天性の能力というものには逆らえません。 アンジャーは観客を惹きつける能力に長けていますが、マジックの技術や閃きではボーデンに劣ります。 一方、ボーデンは演出やトーク力が乏しく、思うように客を集められないのです。 その代わりに、アンジャーが思いもつかない方法でマジックをつくるボーデン。 しかもアンジャーが披露するマジックのタネはすべてお見通しだというのです。 そんな葛藤を2人とも抱えているのですね。
とくに「瞬間移動マジック」をいかに"それらしく"魅せるかを突き詰めるために、彼らはお互いを観察しあっています。 動画
あいつにはあって俺にはない。あれが欲しいのに得られない。
見どころ③:ニコラ・テスラの発明
出典:プレステージ (字幕版) 交流電気や蛍光灯などを発明した偉大なる人物で、開発競争相手がトーマス・エジソンという私たちには遠すぎる世界に生きる人物ですよね。 作中でも、彼はエジソンに勝るために研究と実験に明け暮れています。 それこそ一般人には思いもつかないような仕組みであらゆる装置を作っているのですが、 物語が進むうち、彼の発明が若いマジシャンの運命を変えたことに気付くでしょう。 動画
おすすめ度【★★★★☆】
出典:プレステージ (字幕版) ★…結末に繋がるトリックもたっぷり ★…残酷な描写が苦手な人にはつらいかもしれない(星0.5としたい) ☆…最後の最後で「なるほど!」となるが、勘のいい人だと比較的早めに気付いてしまう 総評は星3.5。 ストーリーに散りばめられたトリックは「なるほど」点が高く、 結末を知ったうえでもう一度観てみるのも別の意味で楽しめます。 主人公2人の行動に限って言うと「何もそこまで恨みあわなくても…」と思ってしまいますが、 彼らはそうせざるを得ない世界で、そうせざるを得ない過去を背負って生きていたのでしょう。
★…ハラハラドキドキがたっぷり(とくに水関係のマジック) 動画