南海トラフ地震から身を守る発生前6つのポイント

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いままで南海トラフ地震で信用できる情報、被害規模、政府の対応まで連載しました。もう何が必要なのかわかっていると思います。


南海トラフ地震の発生前にどれだけ準備ができているかによって、あなたの運命は変わるといってもいいでしょう。

南海トラフ地震はそれだけ大規模になるのです。だから、いまからでもいいので地震が発生する前の準備と、発生後の対応をきっちり理解してください。

南海トラフ地震の発生前後は何をどうするか?

南海トラフ地震についていままで3回連載したしてきました。


南海トラフ地震で信用できる情報がわかり、その被害規模がわかりました。


そして、政府がどのようなことをするのか、原発についてもわかりましたね。


「想定外」という言葉だけで、あなたが南海トラフ地震で被害にあわないようにするには、自分で自分を守る準備をする。
あなたが母親であれば、子供や旦那のこと親のことも考えて発生前後について考えないといけません。

南海トラフ地震の発生前にする6つのポイント

南海トラフ地震の発生前に準備することはたくさんあります。そのひとつずつを見ていきましょう。

ただ、準備するといっても、この記事をすべて読む前に南海トラフ地震があればどうすることもできない。


南海トラフ地震は、2018年時点で約16年以内と言われていますが、明日起こるかもしれません。


時間がどれだけ残されているかわからないので、優先することから説明していきます。

緊急地震速報の設定をする

いますぐに地震があったとき、その情報があなたの元に届かないと行動に移せません。

通信会社は気象庁の緊急地震速報や津波警報についてキャッチして契約者の端末(スマホや携帯)に一斉通知する機能があります。


通知が端末に入れば、キュインキュインと特殊な音で警報をお知らせするのです。地震の場合は、震度4以上の強い揺れが起こると予想される地域の人に伝えるのです。


ただ、震源地に近い場合は大きな揺れが発生する直前や揺れているときに通知されることもあります。


最近では台風や気温の上昇による熱中症などに注意が必要な場合でも通知される機能もあります。


これは、端末で緊急地震対策の受信設定がONになっていないと通知を受けられません。ご自分の受信設定、子供専用の携帯など家族の設定がどうなっているかチェックが必要です。


ネットに緊急速報メールや緊急地震速報のスマホ設定について、機種別に操作説明が掲載しています。スマホの設定はどうなっているかチェックしてください。


わからない場合は、端末を購入したショップでチェックしてもらってください。


以下サイトでどのような警告音かチェックできます。

スマホのアプリではAndroid・iPhoneのおすすめアプリは、Yahoo防災速報になります。


昔は地震の揺れを感じてから、ガスの元栓、机の下に入ることでしたが、いまでは数秒前でも緊急速報で大きな揺れの前に地震がくることがわかります。


自分の身を守るために使えるものはどんなものでも利用していきましょう。

子供がいる人は、緊急地震速報を一緒にチェックして共有することが大切です。

地震が発生したらどのような行動をするか決める

お住まいの場所によって行動もかわってきます。


昔はガスの元栓・コンセントを抜く・ブレーカーを落とす・机の下が一般的でした。それしかなかった。


当時は家が古いとか新しいとか、耐震性がどうだということは基準になかったが、いまではそれらを理解して行動が必要です。


地震で倒壊して机の下にいて助かったとしても、そこから出ることができないといけません窓やドアを開けていないと避難できないことにもなります。家具や冷蔵庫が飛んでくることもあります。それらを考慮した行動が必要になるのです。

いまいる場所が海抜の高いところ(高台)にある場合は、津波の心配はないかもしれません。しかし、周辺の建物の倒壊状況によってはすぐに避難が必要になります。


火災が発生することもあります。地震で火事が発生すると消防車がくるまで時間がかかるので、飛び火で類焼することもあります。
山のふもとに近い家であれば、山が崩れる可能性もあります。
家が山の斜面にある場合は、すぐに非難したほうがいいでしょう。
沿岸部や海抜が低いところであれば、緊急地震速報のあとに通知がある津波警報によってはすぐに高台に移動しないといけません。

家が耐震基準にあっていない場合は、倒壊することもあるので、屋外にでたほうがいいでしょう。


路上にいる場合は、窓ガラスや看板が落ちてくる可能性があります。自動販売機が倒れてくることもあるでしょう。近くの頑丈な建物や空き地、公園に避難する必要があります。
車の運転をしているときは、スピードを落として左に寄せて停止します。ラジオやスマホで情報収集して避難します。車は車検証や貴重品を持って、鍵はつけたままにして徒歩で避難します。

いまいる場所によって、行動が変わってくるのです。ひとつずつどのように行動するのか決める必要があります。


身を守るためには素早い行動が必要です。以下は大阪北部地震の会社での社員の行動の画像になります。

日曜日の昼間の地震であれば、家族一緒に行動ができますが、平日の日中の場合は、子供は保育園・小学校・中学校・高校などで、夫は会社、妻は会社か自宅などバラバラになります。


それぞれ地震があったときの行動はどうするのか決めていないといけません。


お住まいの避難場所はどこになるのか、避難経路はどのようにいくのが安全なのか事前にチェックしておく必要があります。


これらのことを決めておかないと、子供が心配になったからといって探しにいくとかで津波に巻き込まれるようなことにもなるのです。


また、会社・保育園・小学校・中学校・高校など、地震があったときの対応はどうなっているのか事前に把握する必要があります。


地震や津波による安全な避難場所が自治体によって決まっています。お近くの市役所に電話して事前に聞きましょう。


南海トラフ地震の範囲はかなり広いので、被災する人は家族・親戚・友人・知人などもいるかもしれません。


地震の後は避難場所に入ると、家族全員がそろっていないとどうなっているのか不安になります。親戚はどうか、友人はどうかと心配になるものです。


いまではスマホや携帯があり、すぐにでも連絡ができると思うでしょう。


実は地震で大きな被害があれば通信機器の障害も発生します。被災者やその人を心配する人が一斉に通信を利用するので、使用できなくなります。また、通信会社は緊急電話を優先するので一般の通信の制限をかけることもあるのです。


こうなれば、ますます不安な気持ちになります。こんなときは災害用伝言サービスを利用しましょう。災害用伝言ダイヤル171に電話して自分の電話番号を入力して伝言を入れます。

target="_blank">総務省|災害時には「災害用伝言サービス」やメールを御活用ください

target="_blank">http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban05_02000026.html class="matome_content_block_link_description">

部屋にあるものを凶器にしない

地震だ!安全なところに逃げろ!といっても、地震が発生したときの場所によってできるかどうかが決まります。


阪神淡路大震災・宮城県北部地震・十勝沖地震・新潟県中越地震などさまざまな地震がありましたが、30%以上の被災者が部屋のなかにある家具などの転倒や落下などでけがやそのまま死亡することにもつながっています。


自宅の家具転倒防止くらいはしないと逃げることはできません。


普段は何もなく、自分の好みのものが部屋にあふれているでしょう。これが地震になるとあなたを傷付ける凶器に変身します。


インテリアとして置いている物やテレビ、本などはあなたに向かって飛んできます。
照明はあなたの頭に落下してきます。
冷蔵庫や家具、食器棚などは倒れてあなたを押しつぶします。
ガラスは割れて破片が刺さります。

ほとんどのものが地震で飛び・壊れる、そしてあなたを傷付けるものになるのです。


ベッドがある部屋にタンス、その上にはガラス制の大好きな家族写真。地震であなたの頭に突き刺さることもあります。


インテリアとしてはいいのですが、それが凶器に変身しないようにすることが重要になるのです。

また、大きな物が転倒すると避難経路をふさぐことにもなります。地震の揺れで何もなかったが、逃げられないことにもなるのです。

・家具はL型とめ金具で固定。

・タンスの上に空間があればポール式(タンスと天井の間に突っ張り棒)※ストッパーやマットを併用して固定。

・タンスや食器棚など2つのものをのせて使用しているものは平型のとめ金具で固定。

・とびらがあるものはとめ金具をつけて開閉させる。

・食器棚の扉ガラスや窓ガラスはガラスが割れて飛散しないようにフィルムをはる。

・冷蔵庫はベルト式で固定。

・耐震粘着マットを使いインテリアやテレビを固定。

・本はとめ金具で固定。

・照明はつりタイプではなく固定タイプに切り替える。

・食器はゴムシートで滑らないようにする。


タンス・本棚・食器棚・冷蔵庫・電子レンジ・テレビ・パソコンなど大きいものは固定が必要。


固定したタンスの上に重たい物を置く人がいます。タンスが倒れなくても重たい物が落下することになるので危険です。


持家であれば気兼ねなくできますが、賃貸であれば管理会社や大家に相談してからにしましょう。

非常用バッグを準備する

なんとか避難できたが自宅は損壊して住める状況ではない。そうなれば、あとは避難経路を通って避難場所で生活することになります。

ただ、避難場所にいったところで何もありません。安全な小学校や中学校などの体育館に被災者が集まっているだけです。


自治体が政府に自衛隊を要請して、地震で生き埋めになっている人を救援することが優先されます。

救援物資が送られますが、地震のあとは近隣の道路、鉄道などは地震により使用できない状況。ライフラインも使えない状況になっています。


被災地域がどのようになっているのか、何人の被災者がいるのかは全く把握できていません。ここから自治体が情報収集してさまざまな支援をするのです。


だから、かなり時間がかかるのです。


就寝中で着の身着のまま避難すれば、着る服・靴・食べる者など何もない状況で何日が過ごすこともあります。


非常時はしかたありませんが、それでも精神的、肉体的にも過酷な時間を過ごすことにもなります。それを少しでも軽減するものが、非常用バッグになります。

自治体の支援が受けられるまでの試練の時間、なんとか自分の力で最低限の生活ができるようにするのです。

以下に救援バッグに中身を整理しました。


・飲料水

・食料(缶詰・ビスケット・チョコレートなど)

・貴重品(通帳・印鑑・現金・健康保険証など)

・救急用品(ばんそうこう・包帯・消毒液・薬など)

・ヘルメット、防災ずきん

・マスク

・軍手

・懐中電灯、ローソク

・衣類、下着、毛布

・タオル

・携帯ラジオ、予備電池

・スマホや携帯の充電器

・カイロ

・防寒具、雨具

・ウエットティッシュ、ティッシュペーパー、トイレットペーパー

・洗面用具

・液体歯磨き

・爪切り

・体温計

・ハサミ

・携帯トイレ

・ライター、マッチ

・筆記用具

・ホイッスル(笛)

・赤ちゃんがいれば、おむつやミルク


※救援バッグは、家族人数分の準備が必要。


これらのものをリュックサックに入れて、すぐに持って出られる目につきやすい場所においてください。


コンビニがたくさんあるから大丈夫だと思ってはいけません。コンビニも被災、コンビニで働いている人も地域の方が多いので出勤していません。仮に営業していても、食品はほとんどない状況になっているでしょう。

1週間の備蓄食料を準備する

地震に家が耐えてくれた。ご近所さんも多少のケガ人はでたが地域としてはましなほうだ。隣町は悲惨な状況になっているが助かった。地震発生でこのようなことはよくあります。


避難場所にいかなくてもなんとか自宅で生活ができる。ただ、自宅という箱はあっても、地震による影響はあります。ライフラインが使用できない状況になっています。

上下水道は使用できない。電気やガスは使えない。街は崩壊しているので物流はストップしているため何も購入できない。


被災していない地域まで移動しようと思ってもガソリンを入れるところがないので移動できない。移動しようにも自衛隊や警察が優先されて渋滞している。


いつも通りに車で移動はできません。


家が倒壊しなかったのはありがたいですが、それでも試練がまっているのです。

家で過ごす場合であっても、最低1週間の備蓄食料がないと生活はできないでしょう。カップめんなど簡単にできる食料品やガスコンロと固形燃料・飲料水の準備が必要です。


自宅が大丈夫でも、ご近所さんの家の火事などで類焼することがあります。消火器がきちんと使用できる状況か点検してください。


下水が使用できないのでお風呂の水もためておくといいでしょう。

部屋に閉じ込められたということもあるので、バール・のこぎり・スコップ・ハンマーなどがあれば多少のことはできます。


冬場は、寒さしのぐために灯油タイプのストーブが1台はあったほうがいい。

耐震強化をする

ご自宅の耐震基準を満たしているかどうかのチェックをして、新耐震基準でなかったら耐震強化する。
新耐震基準は1981年6月1日以降のもので、着工はその日付以降かどうかによって決まります。完了が1981年6月1日以降だけでは判断できません。

また、その後耐震基準について2000年に耐震基準が見直しされています。ベストは2000年以降の建物かどうかになります。


ただ、これは保証するものではありません。2016年の熊本地震は直下型でしたが、築後3年の家が崩壊していました。


1回の揺れでは何もなかった。その後、余震が続いて次の大きな揺れで1階部分が2階で押しつぶされたのです。

何が原因なのか、このあたりは専門家に聞かないとわかりません。


持家であれば、一度耐震基準がどうなのかチェックしてもらうといいでしょう。

耐震構造であれば地震が起きても倒壊しない構造なので安心できます。ただ、あくまで構造上、地震で倒壊しないといっているだけであって保証しているものではありません。地震で無傷かどうかはわからない。


※お金をかければ無傷で自宅は守られると考えてはいけません。ここを誤解する人が多いので理解してください。


住宅メーカー不動産関係ではありませんが、過去の家で印象に残ったのは、ヘーベルハウスでした。


阪神大震災や鬼怒川堤防決壊のニュースが印象的で、阪神淡路大震災では火事に強く倒壊なし。鬼怒川堤防決壊では1軒だけが流されなかった。


映像からこんな頑丈な家を建てることができるのだと感心しました。ただ、販売価格はかなり高かった。


木造よりRC構造(鉄筋コンクリート)のほうが耐震性はあるようです。


南海トラフ地震にそなえてもらうため、自治体によっては耐震診断無料でしているところもあります。耐震設計、耐震改修工事の補助制度でいくらか補助金がでることもあります。お住まいの自治体に耐震対策の補助制度があるか問い合わせてください。

賃貸の場合でも、耐震基準がどうなっているのか調べておくといいでしょう。


耐震基準を調べたが、基準に満たしていない。そんなお金はない。賃貸でどうすることもできない。


賃貸であれば、大家に相談してダメであれば、耐震基準を満たした賃貸物件を探したほうがいいでしょう。
持家の場合は、1室まるごと耐震用の部屋としてシェルターにする考えの耐震化もあります。地震があればそこに避難するという考えです。

南海トラフ地震発生後の状況を知る方法はあるのか

震災後はライフラインの障害で使えない状況が多い。通信も同じで、パソコン、スマホ、携帯も利用できない。もしくは緊急性の高い電話を優先するため、通信制限がかかります。

自宅が倒壊することなく住めたとしても、電気が使えない状況であれば、テレビから情報収集はできません。被災地域は新聞も届きません。


どのような状況が知りたい大災害があった人は情報が届かなく、被災地でない人がテレビで最新情報を入手できるという矛盾が発生するのです。


首相官邸、気象庁、地方自治体のサイト、NHKではリアルタイムに情報が流れるのですが、被災者には届かないこともあります。


そのような時に利用できるのがラジオです。電池があれば24時間ラジオで地震の情報が流されます。


ラジオであれば被災者が複数よって情報共有できるのです。

南海トラフ地震の発生前後のまとめ

南海トラフ地震で身を守る発生前にする6つポイント

①緊急地震速報設定

②地震発生時の行動の取り決め

③部屋のあるものを凶器にしない

④非常用バッグの準備

⑤1週間の備蓄食料準備

⑥耐震強化


地震発生後の状況はラジオで情報収集する。

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Sharetube