南海トラフ地震耐震化はどのように進めるのがいいか5つのポイント

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2016年に発生した熊本地震は阪神大震災よりマグニチュードでは大きいものでした。


神戸のように狭い土地に建物はないので、単純に比較できません。しかし、倒壊が少なく建物が頑丈だったからと言えるでしょう。


なかには築浅で倒壊した家もありましたが、統計によると木造住宅は2000年以降であれば損傷はほぼなかったようです。


南海トラフ地震にそなえ、どのように耐震化をしていけばいいのか理解しましょう。

耐震化とは?

地震に増える家にすることが耐震化ですが、そもそもなんで耐震化が必要なのかですね。


耐震化が必要と言われても、いままで地震があっても別になんともなかった。南海トラフ地震がいくら巨大であっても、鉄筋コンクリートだから心配ないでしょう。


そう考えている人もいると思います。


わざわざたくさんのお金を支払ってまで耐震化の必要があるのかです。


確かに、いままでそのような経験がなければ耐震化の意味について理解できないでしょう。


ただ、被災地のニュースでは木造・鉄筋コンクリ―トにかかわらず倒壊している建物は多くあり、たくさんの尊い命が奪われました。


つまり、家の耐震化をしていないと地震で命を守ることができないのです。


30年以内に、南海トラフ地震があると想定されています。この地震は過去に経験したことがないくらいの被害規模になるのです。


2017年日本で発生した地震は約2000回以上ありました。震度5以上が8回は発生していたのです。これだけあれば、いつ、どこであるかわからないです。その準備として耐震化は必要なのです。


いつやるか?いまでしょうということなの。

耐震化基準とは何?

耐震化といってもどのようにするかですが、そこには基準がきちんと決まっています。

震度でどのくらいだったらOK。築年が何年以前であれば基準をクリアできていないので危険というものがあります。

耐震基準に新旧があるが何のこと

1981年5月31日までに申請した建物は、旧耐震基準になっていて、それ以降は新耐震基準になっています。※申請が1981年5月31日であって、完成した日ではありません。完成日が1981年8月1日であってもマンションなどの建設は工期記が長いので1981年5月31日以前で旧耐震基準です。


日本は地震が多くあります。地震のたびに耐震基準について見直しがかけられています。大きな変更があったのが、この旧耐震基準と新耐震基準になっているのです。


旧耐震基準では震度5程度の中規模地震に耐えられるようにつくられていますが、新耐震基準は震度6から7程度の大地震でも崩壊や倒壊しないようにつくられているのです。
たとえば、旧耐震基準では柱が1本でよかったが、新耐震基準では3本必要なった。頑丈につくるようになったのです。

ただ、絶対崩壊や倒壊しないのではありません。


熊本地震のように新耐震基準でふっても、約8%が倒壊しています。旧耐震基準は、約33%が倒壊しているところに比べると、かなり安全だということがわかります。


熊本地震は大きな揺れが2回もきたため想定外だったようです。1回目では崩壊や倒壊しなかったが、2回目で耐えられなかったということです。


あと、阪神淡路大震災があったあとに耐震基準を強くするように決まられたので、2000年以降の木造住宅は崩壊・倒壊していないことが統計ででています。


この旧耐震基準か新耐震基準かとても重要なことですが、1982年に建てた家は、いまでは築36年という月日が経過しています。


木造であれば、シロアリ対策していない場合、土台がダメになっていることもあります。鉄筋コンクリートでも、劣化していき地震の強度に耐えられない部分もあるかもしれません。


築年数が古い建物は耐震性についてどうなのかチェックが必要になるでしょう。

また、2005年耐震強度問題で世間をにぎわした姉歯設計事務所がありました。姉歯設計事務所は嘘の耐震構造設計をして、ゼネコンがマンションを建てていたのです。その後、賠償か建て直したのか知りませんが、大きなニュースとして取り上げられました。


耐震化基準にそって建てられた家やマンションであれば、基準日で判断できますが、そうでないケースもあるかもしれません。

耐震性の決め方はどうなっているの?

木造でも鉄筋コンクリートであれ構造計算によって耐震性は決まります。耐震性の強度には、基礎、建物の重量、壁、作る人、地盤などによって決まります。


基礎は説明するまでもありませんね。家をたてるときの基礎になる部分です。マンションであれば地中にどれだけの深さまで杭をいれるかによって違いがでてきます。


そこには地盤がどうなのかも重要なポイントです。家を建てるところが、埋め立て地や地震で液状化ある土地であれば、それを考慮した建物にしないといけません。


不安定な場所に建てると家は頑丈であっても倒壊するからです。


木造住宅であれば、木で支えることになるので、1階建てより2階建てのほうが耐震強度を強くしないと2階が1階に落ちてくることにもなります。つまり、どれだけ重量を軽くして強度を高めるかがポイント。


鉄筋コンクリート構造であれば、住宅メーカーでも中堅から大手、木造住宅でもメーカーであれば、それなりの工程をふんでいきます。


現場監督もいてチェックがあります。これが地元の工務店でも大工さんに任せている場合は、どうなのか?品質に問題があるということではなく、属人的な判断が入るかもしれません。


このように住宅には、さまざまなことが耐震性にあるのです。


素人ではなかなかわからないことが多くあります。


ここは新築、増築、耐震補強など耐震性に問題がないことを証明する耐震基準適合証明書をもらうようにしましょう。

耐震化5つのポイント

耐震化にそっているのか、そっているはずがそうではない場合もある。だったらどうすればいいのかですね。

耐震化の進め方

中古で購入した家やマンション、住宅メーカーやマンションメーカーは倒産してするところもあるでしょう。そうなれば証明はだれがしてくれるのか?ということですね。


耐震化はどうなっているのかわからない。免震構造にはなっていないとは聞いたが耐震化については聞いていない。


1981年以降であるがどれくらいの規模の地震に耐えられるのか、築年数が30年近くなっているがいいのかなど、わからないことだらけです。


ここ数年うちに建てた家やマンションであれば、耐震構造になっているかどうか保証があります。そのような人以外は、まず耐震診断するしかありません


自治体ごとに登録している耐震診断できる会社に依頼して、耐震診断してもらうのです。

耐震診断には設計図が必要。しかし、もう何年も経過しているから設計図と言われても…という人もいるでしょう。


設計図がないとやっかい。各界平面図・立面図・断面図・内外仕上げリスト・各階伏図・軸組図・構造部材リスト、構造計算書などが必要。それをもとに耐震診断していくのです。

設計図や構造計算書がなくても耐震診断できますが、何もない状況での診断になるので、手間(日数とコスト)はかかるようになります。

耐震化の方法

まずは耐震診断後に耐震改修設計をしてもらい費用がどのくらいかかるか見積もりをもらいます。


診断と耐震改修するところは同じ会社ができるところを選んでください。耐震診断だけで耐震設計や耐震改修する会社が別になった場合、そこに情報の漏れが発生することもあります。スムーズにしたい場合は、同じ会社のほうがいい。
耐震の方法は、さまざまなものがあります。前述でも触れたとおり、地盤・建物(屋根・壁・梁・柱)など、手法についてたくさんあります。
大きい地震にも耐えるようにしようと思ったら、当然コストは高くなります。

いま耐震化できていない住宅の持ち主の大半は、耐震化は大丈夫だと思っているか、コストの問題です。


大丈夫かどうかは、耐震診断で判断してください。コストの問題であれば、地盤や建物に対してあれこれしようと思ったらどうしても高くなります。
耐震改修ができなければ、防災ベッドや部屋のなかに耐震シェルターをつくって対策するしかありません。※写真のようなイメージです。2階が倒壊しても1階のシェルターは大丈夫なのです。

耐震化費用目安

依頼したところによってかなり差があります。
木造住宅の目安は150万から200万、鉄筋コンクリートであれば、1㎡あたり15000円から50000円

設計書・構造計算書がすべてそろっていることが前提になります。


防災ベッドや部屋のなかに耐震シェルターだったら、もっと安くあげることはできます。※条件はあります。

耐震化詐欺に注意

南海トラフ地震をキャッチフレーズにしている詐欺もあるので注意してください。


耐震診断の着手を支払ったとたん連絡ができない。耐震工事一式の数百万を支払ったら業者がいなくなった。このようなとはよくあることです。


耐震診断は資格がない人はできません。訪問販売でこの手のことが多いので、飛び込みでいきなり契約させようとするところは気を付けてきださい。
自治体に業者を紹介してもらう。複数から見積もりをとる。ひとりで決めない。耐震基準適合証明書を発行してもらう。

耐震化チェックポイント

建築基準法で新耐震基準(1981年)になっているか

・2000年以降の耐震等級が1.2.3のどれになっているか

等級1は震度6から7であっても倒壊や崩壊しない構造

等級2は等級1の1.25倍の地震でも耐えられる構造(学校や病院など)

等級3は等級1の1.5倍の地震でも耐えられる構造(消防署や警察署など)


家を建てる打ち合わせの段階から、基礎・壁・柱・梁・屋根などどのようにするかは、依頼者側が等級をどこにもっていくかで決められます。

南海トラフ地震に耐震化補助はあるの?

30年以内に発生すると言われている南海トラフ地震。もしものときにそなえて国は耐震化を促進しています。


自治体ごとにより補助金に違いはありますが、いまでも制度はあります。※2018年時点

耐震化改修すべての金額を補助してくれるものではありませんが、それでも100万前後の金額をだしてくれるのです。※自治体、改修内容による。


耐震診断についても補助金制度があり、無料になる自治体のところもあります。

南海トラフ地震の耐震化まとめ

耐震基準によって建物の崩壊や倒壊があります。命を守るために耐震化は必要。

耐震化5つのポイントで正しい耐震化がすすめられるようにしましょう。


南海トラフ地震にそなえ、耐震化補助制度が各自治体によってあります。毎年耐震化の内容や補助する金額もかわるので最新内容を自治体に問い合わせしてください。

 
 
 

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ひとりでも多くの方々が南海トラフ地震について理解してもらい、被害を最小限にしていければと願っています。

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Sharetube