眠り病の日本社会の現実「知りたくないことは知らなくていい」日本人が危ない!政治学者 白井聡(37)
国土が焦土と化した太平洋戦争の敗戦から、まもなく70年。日本は奇跡の復興を成し遂げて経済大国の仲間入りをした。だが、右肩上がりの経済成長は終わり、時代の先行きは見えない。私たちはどこに向かって歩めばいいのか。その道標となりうる戦後論について語るのは、政治学者の白井聡(37)だ。
私の世代は、バブル崩壊後の「失われた10年」の影響を受けた「ロスト・ジェネレーション」と呼ばれています。当時、「第二の敗戦処理が必要だ」ということが言われました。ただ、私はそこに違和感を覚えました。では、1945年に破滅的な敗北をした「第一の敗戦処理」は、ちゃんとできていたのか。日本は、敗戦を正面から認めず、戦争責任もあいまいにしてきたではないか。まさに、丸山真男の言った「無責任の体系」です。そこに、今の日本が抱えるさまざまな問題の本質がある。私は、日本が敗戦を認めることができず、今でも負け続けているという意味で「永続敗戦レジーム」と呼んでいます。
具体的な形で表れているのが、領土問題です。竹島も尖閣諸島も北方領土も、そもそもはすべて日本の敗戦処理にかかわる問題です。である以上、日本が敗戦の事実を正しく認めなければ、問題解決に近づくことはできないのです。
ところが、現在では「領土を侵す外国勢力は討つべし」という、国際的には通用しない主張が「愛国的」として日本国内で受け入れられている。とても悲惨な状況です。
今までの議論の構造を変えなければなりません。戦後の日本は、米国に従属してきた。ただ、世界中の国で米国に従属していない国はほとんどないのです。そこで対米従属を「ケシカラン」と言っても始まらない。問題は、日本の対米従属の仕方です。安全保障政策は、あらゆる可能性を考慮して、最も正しい解を出すのが本来の姿です。それができていない。安保政策をリードする政治家や知識人は、最初から“対米従属ありき”で議論をしている。これは米国への従属ではなく、“隷属”なのです。
今の日本は、あらゆる階層で知的劣化が進んでいます。それは、知識の量が少ないという意味ではありません。人間として生きるためのモラルが低下している。「自分の知りたくないことは、知らなくていい」という考え方が、今の日本を覆っています。
安倍晋三首相が、ポツダム宣言について「つまびらかに読んでいない」と発言したことには私も驚きましたが、ポツダム宣言こそが戦後の敗戦処理の原点です。総理大臣がそれを知らない。ここには、「敗戦の否認」の欲求が色濃く出ています。
哲学者のヘーゲルは、「重要なことは2度経験しないと本当には理解できない」と言いました。不謹慎な言い方かもしれませんが、日本人は、もう一度破滅的な敗北をしないと、気付かないのかもしれません。
そのなかで、私が希望を感じているのは、沖縄の人たちです。沖縄は、戦後に米軍の軍政下に入り、日本から切り離された。本土で基地が減った分、沖縄には集中した。沖縄は永続敗戦レジームの外部なのです。
それがいま、翁長雄志知事の誕生で本土に「NO」を言うようになった。永続敗戦のレジームから脱却しようとしている。沖縄に押し付けられてきた重荷を、拒否しはじめたのです。その怒りは、本土の人間が目を背けてきた戦後日本の矛盾に気付かせる力があると、私は感じています。
※週刊朝日 2015年6月26日号
真の敵はホワイトハウスにいる。米国人は911からすごい速度で覚醒しつつある。例えばオバマについて言えば、何十年も支配層の内部関係者として働いてきていながら、今は民衆の男を偽装している。
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民主主義とは政府を批判することそして政府は民衆の批判に答えること・・・これが原点だ!
日本社会は明治維新の嘘で国家の奴隷になることを民主主義だと洗脳され
敗戦のGHQで個人利益の追求ばかりが民主主義だと洗脳されてきたようだ
議会制民主主義の根幹は民衆が常に政治行政をチェックする義務を持つ
そして駄目は駄目とNGを押し付ける権利を持つ・・・これを忘れることから
民主主義が壊れていく