改めて!「パワハラ・逆パワハラ」の被害者にならないように

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深刻なハラスメント

ハラスメントが次々できるので、もう覚えられません。


なかには匂いに対する「スメハラ」、嫌がる人にカラオケを無理に歌わせる「カラハラ」なんてものもあります。それくらい!?と思いますが、嫌な人にとっては結構、深刻でしょうね。


ところで数あるハラスメントでも、最悪の場合自ら命を絶たせてしまうような深刻なものもあります。その1つが「パワーハラスメント」、「パワハラ」です。

具体的にパワハラとは

パワハラの判断基準となるのは以下の3つです。

1職場の地位・優位性を利用している

2業務の適正な範囲を超えた指示・命令である

3相手に著しい精神的苦痛を与えたり、その職場環境を害する行為である

出典:パワハラの定義とは|6つの種類と具体例・裁判例の判断基準...

「労働問題弁護士ナビ」から引用。

●職場では上下関係がありますよね。肩書きや地位、人間関係などで上に立つ側が、その立場を利用するところが特徴です。


それを利用して業務の適正な範囲を超えた指示や、心身、精神的に苦痛を与えて職場の環境を悪化させる行為、となります。

具体的にこんな例がパワハラになるよ

身体的侵害


目に見えて分かりやすい暴力や傷害のことです。殴る・蹴る・突き飛ばすなどがあります。また、タバコの火を近づけたり、立ったまま電話営業をさせるようなことも身体的侵害型のパワハラと言えるでしょう。

精神的侵害


脅迫や名誉毀損、侮辱、酷い暴言などの精神的侵害はパワハラの典型例と言えます。結果的に精神障害を患ってしまうようなことも多くあります。

人間関係からの切り離し


無視、隔離、仲間はずれにするなどの行為も、度が過ぎるとパワハラに該当する可能性があります。仕事を教えない、席を隔離する、やっている内容は非常に幼稚です。


過大な要求


業務上明らかに達成不可能なノルマを課すことで、相手の職場環境が害されている場合は過大な要求としてパワハラに該当する可能性があります。更には、達成できなければ、怒鳴る、殴るなどの他のタイプのパワハラとも併用されます。

過小な要求


一方、程度の低い単調な作業を与え続けることも、これにより相手の職場環境が害されている場合はパワハラに該当する可能性があります。毎日部長周りのお世話やお茶汲みしかやらせなかったり、単調な作業を延々とさせることも度が過ぎればパワハラとなるのです。

個の侵害


プライベートな内容に過剰に踏み入ってくる行為も、相手に精神的苦痛を与えたり職場環境を害することがあればパワハラと言えるでしょう。なお、女性に対して個の侵害を行なうと、セクハラともなる可能性もあります。

出典:パワハラの定義とは|6つの種類と具体例・裁判例の判断基準...

「労働問題弁護士ナビ」の同ページより。

●殴る蹴るなど本当にあるのかと思いますし、言葉での侮辱などは論外です。いい大人が子供じみてますが「仲間はずれ」のような行為で、周囲との人間関係を悪くさせるのも立派な嫌がらせです。


注意したいのが度を過ぎる仕事の無茶振りや逆に仕事を与えないこと、相手が嫌な気持ちになるなら、プライベートなことに踏みこんでくるのもパワハラになります。

加害者になると

もう限界…どうやって対応する?

1・黙って退職

もめ事を起こしたくない、もう関わりたくない、早く逃げたいなどの場合はそのまま穏便に退職しましょう。


「一身上の都合」と退職願、退職届に書くことになります。ちなみに「退職願」は退職をお願いすること、「退職届」は退職します、とはっきり意思表示するという違いがあるので注意です。

パワハラでの退職は「会社都合」になるので、数日後から失業保険が入ってきます。

何かあった時のため、証拠もないといけませんよね。大変ですが日々集めましょう。


■人事部や上司に相談する


結果がどう転ぶかはわかりませんが「パワハラで悩んで相談したことがある」という、実績作りになるのではないかと思います。社内の人間関係や、相手をよく考えたうえで相談しないと、さらに大変なことなりそうで注意です。


ところで労働基準監督署ではパワハラ相談は管轄外とのことなので、外部に相談するなら弁護士がよさそうですね。


■記録を書いておこう


鉄則ですね。いつ、だれが、どんな事を言った、どんな事をしたを毎日のように書き続けます。第三者に話したとき、「誰とかさんがこう反応した」も記入すると、さらに良いそうです。


暴言が酷いときは内緒で録音するという方法も。内緒で録音って大丈夫なの?と思われがちですが、大丈夫です。


色々調べてみましたが、民事事件の場合は録音が禁止の場所や、盗聴器をこっそり仕掛けるなどでなく「自分の身を守るため」会話を録音するのは証拠になるケースが多いようです。

■裁判を起こす
親和産業事件 平成25年4月25日判決


●事件概要


2ヶ月間の退職勧奨の後、それを拒み続けていたAは、後に営業部の管理職から、倉庫業務に降格されました。倉庫業務はそれまで、大卒者が就いた前例もなく(Aは大卒)、給料は2分の1になりました。


参考:あかるい職場応援団|裁判例をみてみよう


●判決


降格命令は社会的相当性を逸するとして無効とされました。更に、降格命令後の差額分の支払い命令、賞与の下限額の約8割の支払い命令、また、精神的苦痛もあったとして50万円の慰謝料の支払い命令もありました。

出典:パワハラの定義とは|6つの種類と具体例・裁判例の判断基準...

「労働問題弁護士ナビ」からです。

●「パワハラ」「裁判」「判例」などで検索すると判例が沢山出てきます。気づかないうちに行き過ぎてしまったパワハラで、訴えられることもあるんです。


特に被害者が自死してしまうケースなら、ご遺族も立ち上がるかもしれません。そうでない場合手間やお金によっては復讐というか、せめて相手にダメージを与えたいようなケースもありそうです。

最近増えている「逆パワハラ」も対策しよう!

●以前「「うちの上司無能~」「今の若いのなに…」最近の、上司部下バトルを考えてみた」をまとめましたが、最近は部下から上司へ「逆パワハラ」が増えているみたいです。


無能扱いされる、ちょっとした事で「パワハラ」と騒がれるなど、上司側も苦しめられるように。

●危険な場所に入るため、新人に少々キツイ口調で注意したものの、その後笑顔でフォローしたら、翌日から無断欠席。さらに慰謝料を要求してきたという例です。


極端な例でしょうがなかなか興味深いので一読の価値ありです。これではろくに指導もできません。

「パワハラ!」と言われないためには?

●これも「パワハラ」のように、毎日部下や後輩たちに、何を言われたか、されたか毎日細かく記録すると良いですね。録音も同じくです。相談もしておいた方がいいですね。


「パワーハラスメント」の「パワー」が当てはまらないだけで、人を不快な思いにしているのは同じなのですから。


こんなコメントがありました。サッカーの三浦知良さんです。

〈ブラジルでは暴力や体罰に頼る指導はない。ある意味、その必要性がない。なぜならダメなやつは切り捨てられるだけだから。ダメな人間を何とか引き上げ、叱ってでも矯正しようという教育的動機は薄い〉(10月12日付「日本経済新聞」より)

出典:パワハラ加害者断罪でよいのか 思わぬ弊害もたらす危険性も│...

	

●このコメントの例はブラジルですが、だめな人に出来ない事を教えたり、だめなことを注意することもなく切り捨てるそうです。


会社でいきなり「クビ!」は難しいですが、社会人として経験値が高く人脈も広い上司達なら、悟られずにジワジワと退職に追い込むこともできそうです。そんなケースが増えてしまうかもしれませんね。

パワハラも逆パワハラも同じ!

パワハラは優位な地位、立場を利用して相手を苦しめ、傷つける行為です。逆パワハラも同じ、弱い側の立場を利用して「パワハラ」という言葉を武器に、先輩や上司を苦しめて傷つけているのです。


ネットなど見ると「逆パワハラしてやったw」のようなコメント、意外と見ますね。


パワハラは勿論だめです。でも逆パワハラしていると、指導もされず(下手にできないから)好き勝手するのを放置され、評価がどんどん落ちて社会人としてやっていけなくなる可能性もありそうです。


どちらの立場の側も気を付けて、そんな目にあったらしっかり対策したいですね。

著者プロフィール
Sharetube