反発覚悟と悩むかたに申し訳ないと思いつつ…不妊治療、どこまで進むの?

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こんなニュースをみました。

●慶応大の木須伊織特任助教(産婦人科)を中心として、産まれつきや病気での摘出などで子宮の無い女性に移植をして妊娠、出産を目指すという臨床研究の計画案を、日本産科婦人科学会に提出したそうです。


欲しいのに出来なくて悩んでいるかたには申し訳ないですが、読んで「どこまでして良いのか」と悩んでしまいました。これは臓器移植になりますよね。


持病で子供が産めないので不妊治療には縁がないためよく知らず、今はどうなっているのかまとめました

不妊症とは…

一般的には「避妊をせずに1年たっても子供ができなければ不妊症」と定義しています。

出典:浅田レディース品川クリニック

	
原因


女性側の主な原因


1.卵巣:卵巣機能不全

2.卵管:狭窄(きょうさく)癒着、閉鎖、水腫(すいしゅ)

3.子宮:筋腫(きんしゅ)、奇形、発育不全

4.内分泌ホルモン異常

5.子宮内膜症

6.その他



男性側の主な原因


1.精巣(睾丸):無精子症

2.精路閉鎖

3.性交障害

4.内分泌ホルモン異常

5.その他

出典:浅田レディース品川クリニック

「浅田レディース品川クリニック」のサイトに大変詳しく載っています。

●色々な原因がありますね。病気があって出来ないなら治さないといけないですね。

最近よく聞きますが晩婚、晩産になると妊娠が難しくなる傾向にあります。一般的には30歳以上で妊娠率が少しずつ下がり、35歳を過ぎるとさらに低下するそうです。適した年齢は20代になるとのことです。

治療はこうなっているようです

ステップアップしていきます

浅田レディース品川クリニックさんのサイトにあった、この図のように、比較的、体や金銭面に負担の少なそうな治療から「ステップアップ」するようです。

不妊の原因から

男性、女性両方の不妊の原因と治療法です。一般社団法人日本生殖医学会の説明です。


原因不明の場合に、上の図のようなステップアップ療法に移るみたいですね。

第1段階】一般不妊治療

・ タイミング法

 妊娠しやすいと言われる排卵日の2日前から排卵日までに性交のタイミングを合わせる方法。6回以上で妊娠しなければ、その後の妊娠率は停滞するため目安は6回。

・ 人工授精(2万〜3万円※)

 採取した精液中から動きのよい精子(運動良好精子)を取り出して濃縮し、妊娠しやすいタイミングで子宮内に直接注入する方法。妊娠成立のプロセスは自然妊娠と同じ。人工授精で妊娠する確率は1回あたり約10%(『生殖医療の必修知識』日本生殖医学会より)。


 なお、一般不妊治療には、排卵誘発薬(内服薬、注射)で卵巣を刺激して、排卵を起こさせる薬物療法、子宮内膜症などに対する外科療法も含まれます。


【第2段階】高度生殖医療(ART:Assisted Reproductive Technology)


 卵巣から卵子を取り出し(採卵)、体外で精子と受精させて数日後に受精卵を子宮に戻す(胚移植)。受精の方法は以下の2つ。

・ 体外受精(30万〜60万円※)

 卵子と精子を同じ培養液の中で培養して受精させ、得られた受精卵を子宮に戻す方法。

・ 顕微授精(30万〜60万円※)

 動きがよく形の正常な1個の精子を卵子の中に細い針で注入する方法で、卵細胞質内精子注入法(ICSI:Intracytoplasmic sperm injection)が一般的。受精障害や重症精子減少症、重症精子無力症など体外受精では受精が起こらない可能性が高い場合に実施する。

出典:不妊治療の流れと種類 大切なのは二人で取り組むこと

	
●個人的な感想ですが婦人科系の疾患で妊娠しにくいなら、勿論その治療はしたほうが良いですよね。タイミング療法や人工授精は、妊娠に至るまで手伝ってもらうという印象です。

排卵誘発薬、体外受精、顕微授精になると負担も大きく大変そうで、完全に「医療行為」の範囲に入ると感じてしまうのです。

さらにその次の段階

●それでも子供ができないと、「代理出産」という選択もあります。日本では法律で禁止されてはいませんが、倫理面から実施はされていないようで、海外で行うそうです。


・代理母(サロゲイトマザー)

代理母になる人の卵子に、夫の精子を使う方法です。


・借り腹(ホストマザー)

体外受精させた受精卵を、他の女性のおなかに入れる方法です。


アメリカでは費用が高いので、インド、その後はタイに集中しているそうです。こんな問題がありました。2つ目は最近ではなかったでしょうか?

1つの事件は、オーストラリア人夫婦がタイで代理出産をしたものの、ダウン症の子供が生まれたからといって受け取りを拒否したというものだ。これが非倫理的として世界的なニュースになったのだ。

2つ目の事件は、日本の大企業の息子(当時24歳)が、タイで大勢の子供を代理母を通してつくっていたことが発覚したことだ。周囲には、「毎年10~15人は子供がほしい。将来的には100人から1000人をつくるつもりだ」と語っていたという。

出典:ダウン症の子を受け取り拒否…問題はらむ「代理出産」ビジネス...

「現代ビジネス」から引用です。
●事件もおこります。ダウン症で拒まれた子がどうなったかは、わかりません。そして、これでは誰が親かで揉めることはないのかが気になります。

そして、出生前診断の問題

「GeneTech株式会社」のサイトに出生前診断の方法が詳しいです。何週目になっているかにより、検査の方法も対象になる目的も変わるので、どの時点で何を知りたいか選ぶのでしょうね。
夫婦には検査前の遺伝カウンセリングで、仮に胎児に病気がみつかったらどうするかをよく考えていただきます。「病気があっても産みます」という結論にいたった夫婦は、基本的に検査を受けません。ですから、検査を受けるのは、病気がわかれば中絶を選ぶという夫婦が大半となります。

出典:「命の選別」なのか 新型出生前診断、開始から5年:朝日新...

こちらも「朝日新聞デジタル」から。

●ずっと疑問に思っていた「不妊治療→出生前診断→健康ではない→中絶?」がスッキリしました。苦労して授かった「命」に、調べて病気が見つかったらどうするのだろうと謎でした。

もし、かなり高度な治療の末授かった子が、健康ではないと知ったら産まない、というケースがあれば倫理的な面はどうなのだろうと考えていました。


引用によると、検査を受けるのは産まないことを前提としている人が殆ど、ということで安堵しましたが、この中に、高度な治療をしたかたが含まれているかは不明です。

「治療」って本来辛いものなんです

生理が来るたびに落ち込んで泣き、そのたびに全てが終わってしまったかのような絶望感を感じました。


通りすがりの子連れの女性すら憎く思えて、その中でも「お腹に赤ちゃんがいます」と書かれたマタニティーマークをカバンにつけている女性を見かけるのが精神的に一番こたえました。

出典:マタニティーマークをつけた女性を見るのがつらい… 30代後半...

「ゼクシィBaby」で実際に不妊治療をした、女性の苦しみが書かれています。

●不妊治療が辛い、苦しいというのはよく見ます。仕事を休んで病院に行ったり、痛い思いをして、それでも授からない…。それは確かに本当に辛くて苦しいと想像できます。

それでも命にかかわらないけど、治療や服薬をしないと日常生活が送れない難病や持病、障害を持つ人が多くいることも忘れないで欲しいのです。彼、彼女達は「一旦お休みしよう」「いつ諦めたらいいのか」なんて選択は無いのです。子供を持つことすら叶わない人も多い。


そして治療が辛い、と辞めることもできないのです。辞めたら日常が送れないから。


難病指定に当てはまらなければ、医療費もずっとかかり続けます。そんな人がいるという事も忘れないで貰えたら…。

どこからが「神の領域?」

調べていて、不妊に限らずどこまで人の身体に医療が介入していいのか悩んでしまいました。


体外受精が一般的になっていると知って驚いていた私に、知人のベテランの医療関係者が


「最近人の病気や寿命(妊娠できるかも含む)ってあらかじめ決まっていて、病気は人を選ばないように感じる。病気全般に、医療がどこまで介入して良いのか最近考えてしまう。」

と言っていました。


人の死生観や倫理観はそれぞれなので、線引きは難しいですね。読んでくださった皆さんはどうお考えかなあ…。

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Sharetube