滝川高校いじめ自殺事件とは
滝川高校いじめ自殺事件
滝川高校いじめ自殺事件(たきがわこうこういじめじさつじけん)とは、2007年、兵庫県神戸市須磨区の私立滝川高校に通っていた当時高校3年生の男子生徒がいじめを苦にして自殺した事件。学校側がいじめを否認し続けていたことや、学校裏サイトを使用したいじめが行われていたことから注目を受けた。
概要
2007年7月3日13時50分頃、兵庫県神戸市須磨区の私立滝川高校にて、同校の3学年の男子生徒が「トイレに行く」と言って教室を出て渡り廊下へ行き、遺書をズボンのポケットに入れ、飛び降り自殺を図った。10分後、校舎脇のコンクリートの地面にて、教諭が、頭から血を流して倒れている被害生徒を発見した。
9月17日、被害生徒が所属していたフットサルサークルのメンバーだった少年Hを県警が恐喝未遂で逮捕される。
同月25日、共犯としてフットサル仲間だった神戸市西区在住の同級生の少年Yと少年Bが恐喝未遂で逮捕される。
翌10月29日、恐喝容疑でフットサルサークルのメンバーではない少年Iが恐喝容疑で逮捕された。
本事件は、以下の点で社会的な関心を集めた。
1. 携帯電話やパソコンからのインターネット、携帯メールを使った「ネットいじめ」が大規模、陰湿に行われ、携帯からの恐喝メールが逮捕の証拠となったこと
2. 2ちゃんねるを舞台に、加害者、在校生、愉快犯と思われる人物が虚偽を含む事件情報、加害者・関係ないと思われる生徒の個人情報を書き込み、ネット上での隠蔽工作、錯乱を行ったこと
3. 学校の事件に対する対応が、事件の矮小化、隠蔽ととられかねない言行が相次ぎ、事件の進展とともに学校側の説明が二転三転したこと
フットサルサークルの練習場所であった総合運動公園と学園都市を結ぶ幹線道路
逮捕された少年たち
人物相関図
少年H 「財務大臣」と呼ばれたフットサルサークル1の「親友」少年B 陰湿ないじめの主犯と名指しされた中学からの同級生
少年Y いじめの場を提供したホームページ管理人
少年I 裁判官に自殺の原因と指弾されたアメフト部員
恐喝メール
●五万円でいい。払わなければ何されるか分からへんで●自分には5万円でいい。ほか(の仲間)には3万円支払ってくれ。それが限界やろ
●夏休み明けまでに金を払わなければ2倍の金額を払わせる。それが無理ならメンバーを勢ぞろいさせて登校拒否にさせる
webサイトをつかったいじめ
男子生徒の下半身の写真などが掲載されたインターネットサイトは、逮捕された少年を含むフットサル仲間が、男子生徒の自宅にあるパソコンで作っていたことが二十一日分かった。また、サイトには男子生徒の実名や住所、メールアドレスも掲載されていたことが判明。学校関係者によると、発端となったサイトは 約二年前、フットサル同好会の情報交換の場として開設。今春閉鎖されたが、フットサル仲間が再び作り直した。 その後、男子生徒の裸の下半身の写真や、強引に開脚させた姿を撮影した動画を載せるなど、次第に「いじめの場」に悪用されていった。 同校の多くの生徒がこのサイトの存在を知っていた。
サイトは各メンバーの個人ページなどで構成。男子生徒のページは仲間が作っていたが、男子生徒自身が作成・更新したように偽装していた。兵庫県警少年捜査課もこのサイトの存在を把握。サイト上でのいじめや嫌がらせが、男子生徒を自殺に追い込む一因になったとみている。
一方で同校は、自殺後の同級生らに対する聞き取り調査で初めてこのサイトの存在を知ったが、少年が逮捕されるまで、いじめや中傷の場に悪用されていた実態を把握できていなかった。
フットサルサークルの公式HPトップ
その他のいじめ
男子生徒は昨年末ごろから、ほぼ毎日のように学校近くの飲食店を少年や別の同級生ら数人と訪れ、食事し、全員分の代金を支払っていた。また、1人で飲食店を訪れて数人分の食料を購入することが多く、店員に「ぱしり(使い走り)に使われている」などと話していた。
被害生徒が「パシリ」に訪れたお好み焼屋
ブレスレット恐喝詐欺
調べでは、少年は 今年5~6月にかけて、生徒に「友達がおまえを見つけたら、しばきまわすと言っている。ブレスレットを4万円で買えば止めてやる」などと携帯メールを送り、偽ブランド品のブレスレット代として生徒から5000円を脅し取った疑い。少年は、生徒が「偽物だからこれ以上払えない」と残金の支払いを拒否したにもかかわらず、何度も残金を要求。生徒が自殺した前日の 7月2日にも「金はできたか」などと督促メールを送っていた。 生徒は「金が払えない」「恐喝の4万円」などと記した遺書に、この少年の名前を書いていた。少年はブレスレットのほかに、以前から服なども生徒に売りつけていたといい、県警は、生徒が少年への支払いに悩んでいたとみている。
これまでの県警の調べに対し、少年は 「ブレスレットは本物と思っていた。(生徒も)納得していた」 などと合意の上での売買と供述していたが、県警はメールの内容などから、恐喝にあたると判断した。
自殺事件後の状況
自殺が起こった直後、学校側は、兵庫県にいじめは無いとの報告をしていた。その一方で自殺後の1ヶ月間で、自殺した生徒のクラスメートから聞き取り調査を行っていた。その結果、金銭の要求や、使い走りの強要を学校側は把握した。しかし、「いじめられていた」との証言がないことから、「命令だったり本気の要求ではない」とした。その後同年9月17日フットサル仲間だった西宮市在住の同級生の少年が恐喝未遂容疑で逮捕された。
加害生徒逮捕後の、9月21日に記者会見を講堂で行い学校長は生徒の逮捕翌日から約40人に聞き取り調査を行ったこと、メールでの現金の要求にほかに3人の生徒がかかわっていたこと、前年の夏以降複数回にわたり教室の机の上や机の中に紙粘土を入れられるなどの継続的な嫌がらせがあったこと、インターネット上のいわゆる「学校裏サイト」にて中傷行為を受けていたこと、金銭の要求や、使い走りの強要などがあったことを報告し、これまでの「いじめは無かった」と繰り返していた姿勢から一転して、「いじめはあったと判断する」と述べた。また、学外の有識者を入れたいじめ防止委員会の設置や、いじめのサインを見逃さない対策、ホームルームの充実によりいじめの再発防止を図ることにも言及した。
また、「学校裏サイト」には裸の写真を載せられたり、住所や電話番号などの個人情報が掲載されたりしたという。その後、9月25日に2人が逮捕され10月29日にも1人が逮捕された。なお、逮捕された4人すべてに対し神戸地検は「少年院送致が相当」とする意見書を付けている。
これらのことはマスコミで広く報道され、またインターネット上でも大きな話題となった。その結果ネット流行語大賞2007にて「滝川ルネッサンス」が最終選考で19位を記録した。
滝川ルネッサンスとはいじめ等の犯罪行為を大規模で隠蔽する馬鹿な様。又はそのような学校(団体)や人。
使用例:「あの地域の教育委員会は滝川ルネッサンスだからね~。」
(訳:あの地域の教育委員会は、いじめあっても隠蔽しまくるからね~。)
神戸市須磨区の私立滝川高校で、男子生徒がいじめを苦に自殺した後の全校集会での桐山智夫校長の訓辞とされる、ネット掲示板2ちゃんねるへの投稿が由来。
(匿名掲示板への書き込みであり、実際の在校生が書き込んだかどうかは未確認。当事者しか知りえない秘密の暴露等は無い。要はなりすました誰かでも書き込める内容である。)
以下の発言、書き込みが事実かどうかの真偽は定かではないので、自己判断でお願いします。あくまで匿名掲示板に書き込まれたものであり便乗して嘘を書き込んだケースも考えられます。こういう大きな事件の際には、愉快犯が場を盛り上げる為にデマを流すのは往々にしてある事
「死んだ○○くんは心が弱かった、残念だ、皆さんは彼の分まで元気に生きてほしい。」「こんな時だが我が校は今、大事な時を迎えている、滝川ルネッサンスを進めなければならない。」
「さあ皆さん、昨日のことは忘れて、今日から滝川ルネッサンスです。」
などの発言があったというタレコミが掲示板に寄せられたことから、事件を代表するキャッチフレーズとしてネット上でブームとなった。
学校側の対応
「仲間内でのふざけあいだと思っていた」 。桐山智夫校長は、いじめや嫌がらせがあったとは認識していないと強調した。被害生徒と男子生徒は、最も仲の良いクラスメート同士に見えたといい、逮捕について桐山校長は 「まさに青天のへきれき」 と繰り返した。学校側の説明によると、2人とも明るい性格で学内の人気者。そろって生徒会副会長に立候補したこともある。共にフットサル同好会に所属していたほか、登下校も一緒で、被害生徒の葬儀で男子生徒は、涙を流しながら遺族とひつぎを担いだという。
自殺後、学校側は同級生ら約70人に聞き取り調査した。その結果、被害生徒が金銭を要求されていたことや、使い走りをさせられていたことを把握。それでも「いじめられていた」との証言がなかったことから、 「命令だったり本気の要求ではない」 ととらえた。
その後
「いじめ防止対策特別委員会」の委員に選任予定の14人が、滝川高校の関係者で占められていたことが問題視された。2008年3月、いじめ防止対策をまとめ、学校長は引責辞任した。また教頭は滝川第二高等学校への配置転換および一般教員への降格がなされ、学園長・校長も減給処分、他の教諭も訓戒処分を受けた。
防止対策特別委員会の答申事件の原因については、
▼自殺した生徒と加害生徒の間の関係の悪化に教師が気づかなかった こと、
▼生徒についての教師間のコミュニケーションが十分でなかった ことをあげています。
その上で、携帯電話やインターネットについては
▼教師や保護者もその機能について理解を深め
▼生徒には他人を誹謗中傷するメールが送られてきても返信や転送をせず、証拠として内容を保存し、保護者や学校に知らせるよう指導する としています。
また高校では事件の責任をとって桐山智夫校長が31日づけで辞任しました。
高校を経営する学校法人の瀧川好庸理事長は、 「今回の事件を重く受け止めて深く反省し、新しい校長らとともに学校を建て直す責任を果たしていきたい」 と話しています。
問題点
この事件は匿名掲示板の2ちゃんねるでも関心を集め、ニュース板でも250近くスレッドが伸びたが、 書き込みの中には事件と無関係の中傷書き込みがあり、事件に便乗して別のいじめ事件が発生していた。また、事件の加害者の氏名の書き込みがあり、さらに悪質な中傷書き込みが一部発生した。また、生徒逮捕後、一定期間インデックスページを書き換えWEBサーバにアクセスが集中していると偽装していたことが判明している。
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