歌舞伎町ビデオ店爆破事件とは
歌舞伎町ビデオ店爆破事件
新宿区歌舞伎町のビデオ店に火をつけた手製爆弾を投げ込まれ、ビデオ店は爆発した。幸い死者・けが人はいなかった。犯人は栃木県の高校2年生であり、祖父の散弾銃と実弾39発も所持していたため、殺人未遂罪と銃刀法違反容疑で逮捕された。
2000年12月4日午後8時20分頃、新宿区歌舞伎町のビデオ店に火をつけた手製爆弾を投げ込まれ、ビデオ店は爆発。店内には従業員の男1人と客1人いたが、店内に転がり込んできた黒い物体が音をたてているのに気付いて反射的に外に飛び出したため、人間への直接的被害はなかった。しかし、ビデオ店の壁や天井が崩れるなど、爆弾によって物理的被害が発生した。事件発生時はキレる17歳として少年犯罪が凶悪化した時期と言われたが、当時はナイフなど刃物による単純な凶行が多かった。しかし、爆弾を手製で製造して犯行に用いたり銃を携帯することは近年になかったことであった。人への殺傷はなかったが、状況次第では大惨事になる可能性があった。
自首
むせ返る雑踏のなかに一人の少年が佇んでいた。ボストンバッグを持ち、上着の内側に何かを隠している。日もとうに暮れ、点滅するネオンは勢いを増すばかり。午後8時過ぎ、少年は行動に移す。ゆっくりとした足取りで、新宿区役所の路地裏に向かい、ビデオ店前でバッグからソフトボール大の「物」を取り出した。乾いた表情で、ためらうことなく、100円ライターで火をつけ、転がしながら店内に投げ入れた…。4日午後8時15分ごろ、東京有数の歓楽街・歌舞伎町1丁目のビデオ店「マック」が爆破された。少年が放ったものは自作の爆発物で、上着のなかに隠していた「何か」とは、銃口18・3ミリ、銃身55・8ミリ、長さ約1メートルの散弾銃だった。
少年は「ドーン」という爆音を背に、現場から南東に約300メートル離れた御苑大通交番前へと向かう。職務質問をかけた警察官は思わず息をのんだ。
少年「自首しにきた」
警察官「…」
少年「新宿のこと」
警察官「爆発か」
少年「そうだ」
警察官「どんなふうに」
問われた少年は「これと同じ」と、黒いビニールテープを巻いた楕円形の爆発物をバッグから取り出して見せたという。バックには実弾39発も入っていた。身元を調べて警察官は2度驚いたに違いない。
少年と銃
持っていた散弾銃は祖父のものを持ちだしたものでした。友人らによると、少年はガンマニアで、武器や軍事に関する関心も高かったようです。小学生のころの将来の夢は「テロリスト」であったと、一部のマスコミは報道しています。
少年の卒業文集
中学校の卒業文集の一言コーナー
少年と爆発物
少年は、危険物取扱者の資格も持っており、爆発物に関する専門的な知識も持っていました。2年前の中学生の時に、爆発物でいたずらをしているところを見つかり、怒られています。このときは、反省している様子だったそうです。しかし、少年の爆発物に関する興味は消えませんでした。資格を取った後も、さらに専門書やインターネットを通して、爆発物の知識を身に付けていきました。
少年が今回作成した爆発物は、マグカップに火薬を詰めたものですが、殺傷能力を高めるために、なかにカッターナイフの刃、クギ、ボルトなどが埋め込まれていました。警察によると、この爆発物の高い殺傷能力を持っているものでした。
少年の生い立ち
実家は栃木県下都賀郡で大規模なブドウ園を営む裕福で評価の高い家庭の長男として生まれる
成績も優秀だった
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同級生
「小学校のころ、サバイバル・ゲームがはやっていた。
何人か好きなやつが集まってよく遊んでいたけど、
あいつの銃の知識は尋常じゃなかった」。
実際、エアガンやガス銃などを多数コレクションしていた。
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「中学3年ごろはエアガンでセミなどをよく狙っていた。
近所の野良猫も撃っていたし、鎖につながれて逃げようのない、
よその家の飼い犬も撃っていたことがある」
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小学校の卒業文集の将来の夢に「テロリスト」。
「それは別に…。サバイバルゲームの中の役割にあることだから」
(前出の親友の証言)
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同級生
「あいつは暗くてマニアックなところがあった。
一つのことに集中すると、究めないと気が済まないところがあった」
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平成10年9月。中学3年の時に
学校近くの山林で最初の爆破事件を起こす。厳重注意に。
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農業高校へ進学。成績は、ほぼオール5
しかしこの頃から「殺したい、殺したい」「首を絞めたい」と言うようになる。
高校の級友「全然冗談には聞こえなかったので、鳥肌が立つような感じがした」
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爆弾への興味もさらに増し、
高校一年には難関とされる「危険物取扱者乙種四類」試験にも合格
国家資格を取得。だが、今年8月末に受験した「毒物劇物取扱者試験」は不合格
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そのことでムシャクシャし、爆弾を作成。
本屋へ行くと言って、猟銃を持って、歌舞伎町へ。
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ビデオ店、爆破
↓
すぐに自首
少年の心
優等生がささいな挫折に負けてしまい、自暴自棄となって犯罪を犯したとも考えられますが、殺人の思いを2年前から持っていたとすると、問題の根はもっと深いかもしれません。一般の傷害や殺人は、金目当てとか、うらみを晴らすためといった目的がありますが、今回の事件はいまのところそのような動機は語られていません。以前なら、動機なき犯罪と言われるものです。少年にとっては、犯罪自体が目的です。爆弾を爆発させ、銃を撃ち、物を壊して、人を傷つけること自体が目的だったわけです。
快楽殺人(人を殺すことに快感を感じる殺人)を思わせる供述もありますが、爆弾を爆発させたことである程度の満足を得て交番に出頭しているところから、快楽殺人者のタイプとは考えにくいでしょう。
「人を壊す」といった表現にあるような、人間をまるで物のように見る考えは、最近の少年犯罪者に良く見られます。極端に共感性の低いことの表れでしょう。普通は、何かの理由で人を傷つける場合、やはり良心の呵責や後味の悪さを感じるものです。凶悪殺人犯でも、人を殺した後は、犠牲者の幽霊がまくら元に表れると感じるほどです。
このような共感性、同情心の低さは、人格障害のような何らかの心の歪み(病)の表れであり、単にしつけや教育の問題だけでは語ることのできないことでしょう。家庭裁判所や、少年更生施設では、少年を罰するだけではなく、自分がどんなに悪いことをしたか、被害者がどれほど傷ついたかをわからせるように、懸命の努力がなされているのです。
精神科医の日向野春総氏の言葉
非常に優秀でまじめな子だったようだが、アメリカでよく言われるハイリスク・チャイルドの範疇に入ると思う。例えば、ハイリスク…の子供のなかには、ある日突然、血を見ることに快感を覚えてしまったり、ピストルを集めることに興味を示したりすることがある。事件を起しそうな気配を一切みせず、予防措置がとりづらい
保護処分
宇都宮家裁栃木支部は「少年に責任能力があるのは明らか」としたが、「比較的長期間の矯正教育が必要」として中等少年院送致の保護処分を決定した。
「キレる17歳」とは
キレる17歳(キレるじゅうななさい)とは、2000年およびその前後に相次いで発生した凶行を起こした、17歳前後(1981年から1985年生まれ)の少年を指した語。2000年に相次いで発生した世間で注目された凶行の犯人が17歳前後で、1998年の栃木女性教師刺殺事件以後に青少年に浸透していた「キレる」という語からマスコミが流行らせた。「理由なき犯罪世代」と呼ばれる事もある。
このような事件が多発したことにより、2000年の流行語大賞候補に「一七歳」がノミネートされ、トップテン入賞となった。また、2001年にはこの年代にスポットを当てたテレビ朝日系ドラマ「R-17」が放送された。
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