岡山金属バット母親殺害事件とは
岡山金属バット母親殺害事件
岡山金属バット母親殺害事件(おかやまきんぞくばっとさつがいじけん)は少年が母親を金属バットで撲殺した事件であるが、殺人の動機としては、高校の部活動でいじめを受けていたのが背景にあるといわれている。
事件の概要
1998年4月、岡山県立邑久高等学校に入学。進学コースに在籍し、部活は野球部に入った。学校での印象はおとなしく、まじめだった。2000年7月20日、Aは重傷を負った部員から夏の甲子園の地方大会が始まるのを前に「3年生はみんな(頭髪を)丸刈りにするのに、先輩はしないのか」と詰め寄られ、激しく反発。Aはまじめすぎたためか、日頃から柔道やプロレスの技をかけられたり、掛け声を真似されたり、練習中にボールをぶつけられるなどして、後輩にからかわれていたという。さらに準レギュラー選手だった少年と後輩部員との正選手の座をめぐる確執があったとの情報もあり、こうした不満が爆発したとみられる。
この夜、Aは日記に「あす狩りを決行する」と犯行予告とも取れる不気味な文章を書き記していている。
事件の約1カ月前、架空の登場人物が後輩部員を「成敗」する内容の「闇(やみ)の狩人」と題する「小説」を記している。日記の「狩り」という表現はここから出たとみられる。小説は自宅から押収された大学ノート3枚に書かれており、鉄の棒で後輩の頭を殴り殺す内容。10年ほど前に、月刊少年ジャンプに連載された漫画「闇狩人」(※)に酷似している。
7月21日、野球部の練習は3時40分に始まるが、Aは補修のため4時30分頃に遅れて参加。この時2年生部員がが1年生に「丸刈りにしろ」と声を掛けていたのを見て逆上、突然2年生部員をうしろから金属バットで殴りかかったという。柔道場で2年生部員を殴ったAはすぐに出て行こうとするが、これを制止しようとした他の3人も殴りつけた。殴られた1、2年生の4人のうち1人は頭部にけがをして重傷、る3人も肩や腕などにけがをした。
目撃者によると、Aは学校からユニホーム姿のまま逃走したらしい。
高校を出たAは長船町にある自宅に戻った。母親については有無をいわさず、いきなりバットで殴りつけた。
午後5時40分頃、帰宅した父親が倒れている母親を見つけ、病院に運ぶが、すでに死亡していた。
事件の前日
1998年、少年Aは公立高校に入学した。学校では進学コースに在籍し、部活は野球部に入った。学校での印象はおとなしく、まじめな子だった。本事件が起きる前日の2000年6月20日、夏の甲子園の地方大会が始まるのを前に、本事件後に重傷を負った部員から少年Aは「3年生はみんな(頭髪を)丸刈りにするのに、先輩はしないのか」と詰め寄られ、激しく反発したとされている(少年Aの日記には「丸刈りはいやだ」と書かれていた)。少年Aはまじめすぎたためか、日頃から柔道やプロレスの技をかけられたり、掛け声を真似されたり、練習中にボールをぶつけられたりと、後輩にからかわれていた。また、準レギュラー選手だった少年Aと後輩部員との間には正選手の座をめぐる確執があったとの情報もあり、こうした不満が爆発して本事件が起きたと推測された。
殺害後
少年Aは「うるさい」などといった、母親を拒んでいるように受け取れる言葉を数冊のノートに書いていた。少年Aは母親が野球部のことなどに関心を寄せるのを嫌がっていたという。また、ノートに書いていた小説風の文章の主人公と同様に、少年Aが実際に昆虫やトカゲなどを引きちぎっていたことも新たに判明した。後輩部員からのからかいによる苦痛を、文章を書いたり昆虫を殺したりすることで発散しようとしていたことが推測されている。押収されたノートには、母親の実名入りで「○○○を狩った」と書かれていた。
逃亡
Aの逃走中、誤報が相次いだ。NHKで「A、遺体で発見」というテロップが番組内で流れたり、四国88ヶ所巡りの懺悔の旅をしているとの情報もあった。逮捕のきっかけは山形県内を走行していた同県酒田市内のトラック運転手(当時24歳)の通報だった。
7月6日正午頃、運転手の携帯電話から酒田署に「山形県遊佐町の国道7号の秋田県境付近のバイパスで、黒の自転車に乗った中学生風の男を見つけた。今は秋田方面に向かっている」との通報があった。
さらに運転手は「別の運転手が5日に新潟で見かけたと話しており、運転手仲間で“あれは岡山の事件で手配されている少年ではないか”と噂になっている」と話した。
酒田署は県境付近で少年を捜索したが見つからず、約30分後、再び運転手に連絡を取ると「仲間の無線から、少年が県境を越えて秋田県象潟町にいるようだ」と話したため、秋田県警に通報。秋田県警の捜査員がこの日午後4時頃、秋田県本荘市内で自転車の少年を発見、本荘署に任意同行した。少年は名前を聞かれると「はい」と答え、その後自分から住所を話した。さらに指紋も一致したため、後輩の殴打に対する殺人未遂容疑などで逮捕した。
発見された時、Aは黒のトレパンに青の長袖シャツ、紺色のリュック姿で、逃走時とは異なる黒い自転車に乗っており、汗まみれで無精ひげが生え、疲れた表情だったという。
「自転車をこぐ姿が異常だった。脇目もふらずに、前だけを見てがむしゃらにこいでいた」
6日午後3時すぎ、国道7号で、Aと遭遇した目撃者は彼の印象をこう語った。日に焼けた顔は真っ黒で、青色シャツは何度もかいた汗で茶褐色になるほど薄汚れていたという。
15日間の逃避行中、少年は兵庫県西部付近から日本海側に抜け、北陸地方を経由して東北地方を北上。約1000kmの道のりを自転車だけで走破した。逮捕時の自転車は逃走時のものと違っており、少年は「(途中で)盗んだ」と供述。乗りつぶすたびに盗み、逮捕までに数台を乗り継いでいたようだ。目的地については「北海道に行こうと思った」と話している。
所持品には、日記や現金約20万円、着替えのほか、携帯用ゲーム機に複数のゲームソフト、ゲーム攻略本、ポケモンカードなどがあった。逃避行中、ゲームで孤独をいやしていたようだ。さらに紺のリュックサックの中に日記がわりのB5判の家計簿を所持。逮捕直前まで毎日、日付と1行程度のメモを書き込んでいた。ホテルなどは使わず、主に橋や高速道路の高架の下など人目につかないところで夜を明かしていた。6日朝には、トラック運転手の男性(当時24歳)に、山形県遊佐町の国道7号沿いにある橋のたもとで、横になって雑誌を読んでいるところを目撃されている。食料は主にコンビニエンスストアやファーストフード店で調達し、途中立ち寄った食堂で見たニュースで母親の死を知ったという。
逮捕後
少年は9月15日、特別少年院送致の保護処分が確定した。少年の供述
■殺すつもりでやった
■殺すつもりだったのは野球部員の4人のうちの一人だった。残る3人については逃げるのに邪魔になりバットを振りまわした。
■(母を殺害したのは)母に殺人者の自分を見せて心配をかけたくなかったから
■被害を受けた人たちに申し訳ないことをした
と告げていた
逮捕後、少年の父親(当時46歳)は「(息子は)母親の期待をプレッシャーに感じていた。仲がよかったとは言えない」と語った。 また、8月7日に少年の父親が「けがをされた後輩部員の方々やそのご両親には大変申し訳ないことをしたと思っております。深くおわび致します。また今回の事件で、同じ高校に通っている生徒、教職員、PTA、地域の方々に大変なご心配やご迷惑をおかけしたことを深くおわび致します。長男が妻に対しての殺人の罪で送致されたことについては、申し上げる言葉が見つかりません。今後とも、このことについては何も申し上げるすべがありませんので、ご理解下さるようお願いします。長男が今回自分が犯した事件の重大さを十分受け止めることができるよう、また家庭裁判所において適正な審判を受けることができるように、父親としてできる限りのことをしてやりたいと思っています。」と語った。
野球部の活動休止
事件の舞台となった同校野球部は、夏の県大会出場を前に活動休止を余儀なくされた。9月末に再開したが、3年生の引退もあり、20人を超えていた部員は9人を割った。
「キレる17歳」とは
キレる17歳(キレるじゅうななさい)とは、2000年およびその前後に相次いで発生した凶行を起こした、17歳前後(1981年から1985年生まれ)の少年を指した語。2000年に相次いで発生した世間で注目された凶行の犯人が17歳前後で、1998年の栃木女性教師刺殺事件以後に青少年に浸透していた「キレる」という語からマスコミが流行らせた。「理由なき犯罪世代」と呼ばれる事もある。
このような事件が多発したことにより、2000年の流行語大賞候補に「一七歳」がノミネートされ、トップテン入賞となった。また、2001年にはこの年代にスポットを当てたテレビ朝日系ドラマ「R-17」が放送された。
ただし、実際には未成年による殺人事件などの重犯罪発生件数及び10歳から20歳未満の少年人口10万人当たりの殺人事件などにおける少年刑法犯検挙人員比率を年次別の統計で観た場合、2000年に目立った少年犯罪の増加は見られない。
18歳未満の犯罪は少年法第51条において、死刑に該当する犯罪は無期刑への減刑にしなければならず、無期刑に該当する犯罪は10年から15年までの有期刑への減刑ができると規定されている。
この世代によるその他の事件
豊川市主婦殺人事件(5月)西鉄バスジャック事件(5月)
岡山金属バット母親殺害事件(6月)
山口母親殺害事件(7月) - 年齢は16歳。犯人は後に大阪姉妹強姦殺害事件を起こす。
大分一家6人殺傷事件(8月) - 年齢は15歳。
歌舞伎町ビデオ店爆破事件(12月)
神戸連続児童殺傷事件 (1997年発生)
黒磯教師刺殺事件 (1998年発生) - 当時13歳の少年による犯行。
大阪姉妹強姦殺害事件 (2005年発生) - 犯人は山口母親殺害事件の犯人。
宇治学習塾小6女児殺害事件 (2005年発生)
NHK記者連続放火事件 (2005年発生)
京都・神奈川親族連続殺人事件 (2007年発生)
土浦連続殺傷事件 (2008年発生)
秋葉原通り魔事件 (2008年発生)
取手駅通り魔事件 (2010年発生)
パソコン遠隔操作事件(2012年発生)
オススメのまとめ
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