【憲法講座】統治と国会:国会中心立法の原則と国会単独立法の原則
国会の地位三権分立により統治
立法権、司法権、行政権
憲法41条国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。
憲法42条国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。
憲法43条両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。
3つの地位国権の最高機関
唯一の立法機関
国民の代表機関
国権の最高機関としての国会法的な意味で国会が国政全般を統括し他の国家機関の活動を監督する統括機関である統括機関説ということではなく、主権者である国民の代表機関であり立法権などを重要な機能が与えられ、国政の中心的な地位を占める期間であるということを政治的に強調したものと解されている。通説は政治的美称説
唯一の立法機関としての国会国会中心立法の原則:国会以外の機関による立法を認めない国会単独立法の原則:国会以外の機関が立法手続きに関与することができない
国会中心立法の原則
国会中心立法の原則この原則にいう立法の意味を法律の制定に限定して考えると、行政機関の定める命令、規則などは法律ではにため、国会中心立法の原則に反しないが、ここにいう立法の意味については上記のような形式的立法ではなく、一般的抽象的な法規範の制定である実質的な意味の立法と解されている。
ただし、実質的意味の立法と考えた場合に憲法が認めた例外がある。
国会中心立法の原則
・両議院の規則制定権(58条2項)
・最高裁判所の規則制定権(77条1項)
憲法は法律を執行するための命令(執行命令)と法律の委任による命令(委任命令)を認めている。(73条6項)
法律が規則内容を包括的に委任する白紙委任は国会中心立法の原則に反しない
政令奨励府令等の行政機関が制定する命令はいずれも法律に基づくものであるため例外と解する必要はない。
地方公共団体の条例(94条)は選挙で選ばれた議員で構成される地方会議で定めるものであり、条例の制定は、国会による法律の制定と同じ性質を有するので国会中心立法原則の例外とみる必要はない
国会単独立法の原則
日本国憲法59条1項法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。と規定されており、つまり国会以外の機関は立法手続きに関与できないことを表している
国会単独立法の原則の例外地方自治法の制定(95条)
地方自治特別法(特定地方公共団体のみに適用される特別法)の制定は住民投票による同意が必要であり、これは憲法が認めた例外となる
内閣法は5条、内閣に法律案提出権も認めており、形式的には国会単独立法の原則の例外にあたるが、憲法72条は内閣に議案提出権が認めておりこの議案に法律案も含まれること
法律の発案権は国会議員にも認められることから、実質的には国会単独立法の原則の例外には当たらないと解される