「冷酷非情!」医師ら生き埋め殺人事件とは

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医師ら生き埋め殺人事件


平成4年7月23日深夜、貿易会社社長・高橋義博(当時42歳)は同社役員・酒井高通と社員の葛西勝、土木作業員の多田暁の4人で共謀し、美容室経営・深沢由秀さん(当時32歳)を自宅駐車場から拉致して世田谷のマンションに監禁した。

更に、高橋らは深沢さんが資産管理している知人で都立広尾病院の医師・小尾和洋さん(当時37歳)を電話で誘い出すよう脅迫した。翌24日に同マンションに出向いた小尾さんを高橋らは同様に監禁しピストルで脅して銀行口座から現金約80万円を強奪した。その後、2人に睡眠薬を飲ませてから車に乗せて栃木県藤原町の国有林の山中へ向かった。人通りもない山中に着くと、あらかじめ掘っておいた穴に生埋めにして窒息死させた。


殺害から4年後の平成8年6月14日に、警視庁の捜査本部は高橋ら4人を強盗殺人の容疑で逮捕。供述通りに藤原町の山林から小尾さんら2人の白骨化した遺体が発見された。

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高橋義博

事件当時年齢  42歳 

犯行日時  1992年7月23日~24日

罪状  強盗殺人他

事件名  医師ら生き埋め殺人事件

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動機


高橋は、暴力団から数億円の借金があり毎月の返済に困窮していた。そこで、取引関係で知り合った小尾さんが、不動産売買で12億円の収益を得たことに目を付けて、これを強奪しようと犯行の計画を立てた。

そこで、酒井らに犯行の計画を打ち明けて綿密な犯行計画を練った。まず、小尾さんの資産を強奪するには、小尾さんの資産管理をしている深沢さんを拉致して資産状況の全容を把握する。その後、小尾さんを誘い出して資産を強奪した後、殺害するというものだった。だが、結局は現金約80万円とキャッシュカード3枚を強奪したにすぎなかった。

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一審

2000年8月29日 横浜地裁 矢村宏裁判長 死刑判決


控訴審

2003年4月15日 東京高裁 須田賢裁判長 控訴棄却 死刑判決支持


上告審

006年10月26日 最高裁第一小法廷 島田仁郎裁判長(甲斐中辰夫裁判官が代読) 上告棄却 死刑確定

裁判焦点


実行犯ではないので、死刑は重すぎると主張。また、「殺す計画はなかった」と主張した。

 横浜地裁矢村裁判長は判決で、高橋被告について「公判で供述が変遷しており信用できない。実行行為に手を貸さず、犯行を主導して不可欠な役割を果たした」と断じた。酒井被告については「殺害を思いとどまるように進言することもあり、人間性も見られた」と述べた。そして「借金苦を免れるために、何ものにも代え難い2人の命を奪った結果は重大」などとした。


 二審で東京高裁須田裁判長は判決理由で「高橋被告は犯行計画を立案し、共犯者を意のままに動かした首謀者。泣きながら命ごいをする被害者を生き埋めにした残虐極まりない犯行で、極刑はやむを得ない」と述べた。

 高橋被告側は「殺す計画はなかった」と主張したが、須田裁判長は「口封じのため、あらかじめ殺害を計画していたのは明らかだ」と退けた。


 最高裁の弁論で弁護側は、「殺害方法も実行犯が決めた。高橋被告は殺害の実行行為に加わっておらず、無期懲役が確定した共犯者に比べると刑が重すぎる」と死刑回避を求めた。

 第一小法廷は、殺害後約4年たって犯行が明らかになったことを指摘。「帰りを待ち続けた家族が受けた衝撃を察するに余りある」と述べた。 「金銭的利欲に基づく犯行で、動機に酌量の余地はない。何ら落ち度のない被害者2人を、冷酷非情な手段で殺害した犯行は悪質。実行行為には直接関与していないが共犯者に実行させた首謀者にほかならず、その刑事責任は最も重い」と判決理由を述べた。

出典:yoshihiro"

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付記事項


酒井高通被告は求刑死刑に対し、無期懲役判決が二審で確定。

 葛西勝被告は求刑通り無期懲役判決が一審で確定。

 多田暁仁被告は求刑通り無期懲役判決が最高裁で確定。

出典:yoshihiro"

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