<いいこと聞いた・・・日本からの移住先が増えた!> 100年前の条約はまだ生きていた。オランダ大使館で聞いた日本人が知らない特権~日本人がオランダで労働許可なく就労したり、自由に事業をしたりする特権が認められてる・・・と思ったら寝耳に水。6月20日づけで条約見直しだって?
日蘭通商航海条約の復活は、特に日本人の若い人たちにとっては大きな可能性となりそうです。
100年前の条約はまだ生きていた。オランダ大使館で聞いた日本人が知らない特権。日本人の海外移住先として注目を集める国、オランダ。実際に移住を果たした日本人の声も聴こえてくるようになり、ますます現実感が増してきました・・・と思ったら、寝耳の水の条約見直しだって?
100年前の条約はまだ生きていた。オランダ大使館で聞いた日本人が知らない特権 | ライフハッカー[日本版]
http://www.lifehacker.jp/2016/01/160118holland_embassy_nfia.html
日本人の海外移住先として注目を集める国、オランダ。実際に移住を果たした日本人の声も聴こえてくるようになり、ますます現実感が増してきました。 | ライフハッカー[日本版]
日本人のオランダ移住についてオランダ政府はどう考えているのかを探るべく、オランダ経済省 企業誘致局で駐日代表を務めるハンス・カイパース氏にインタビューを行いました。
オランダ大使館にあるオフィスで働く同氏は、オランダ進出を検討する日本企業に対してビジネスや投資環境に関する情報や助言を提供しています。
明治時代に交わされた国際条約
オランダ移住を語る上で欠かせないのが、日本とオランダの間で1912年に締結された日蘭通商航海条約(The Treaty of Trade and Navigation between the Netherlands and Japan)です。100年以上も経っている戦前の条約ですが、日本人がオランダで労働許可なく就労したり、自由に事業をしたりする特権が認められる根拠になりました。ただ、この条約、二度の世界大戦による混乱もあったためか、実際は長い間忘れ去られていました。再び注目を集めるきっかけになったのが、オランダにある文化センター「松風館」をめぐる裁判だったのです。
── 日蘭通商航海条約が復活するきっかけとなった、松風館の裁判について詳しく教えていただけますか?
カイパース氏:松風館はオランダのロッテルダムにある日本をテーマにした文化会館で、2012年に日本茶室と庭園の建設のために日本から宮大工を招聘しました。当時、日本人がオランダで働くためのハードルは高く、EU諸国で適切な人材がいなかったと雇用主が証明する必要がありました。その上さらに、労働許可を取得する必要がありました。これはオランダ国内の雇用機会を守るための仕組みですが、松風館の場合は日本独特の建築技術が必要とされることから、宮大工の雇用には労働許可の取得は必要ないと考えていました。しかし、オランダ労働局はこの就労を違法として6万ユーロ(約780万円)の罰金を課しました。
その後、松風館はこの労働局の判断を不服として裁判を起こすことになるのですが、これは自然な成り行きだったと思います。松風館は財団法人ですから、罰金が高すぎて払えなかったという背景もあるでしょう。
そして、裁判の中で松風館側の弁護士が展開したのが、1912年に締結された日蘭通商航海条約を根拠として「オランダにおける日本人の労働許可取得は必要ない」という主張でした。この主張が認められて、松風館は勝訴しました。
日蘭通商航海条約は日本の若者にとって大きなチャンス
── 条約が復活したことで、日本企業にとってどんな影響がありますか?カイパース氏:条約が復活する以前も、オランダの日本企業にとって日本人を雇用することは特別難しいわけではありませんでしたが、一定の条件を満たす必要がありました。例えば、あなたが外国人労働者で知的労働者(Highly Skilled Worker)なら、最低毎月3000〜4000ユーロ(約39〜52万円)の所得を得ている必要がありました。これはマネージャークラス以上の給与になるので、経験の浅い若い労働者にとってはハードルが高かったのです。この条件は大企業であればあまり問題はなかったと言えます。でも、中小企業にとっては厳しい条件でした。ですが、日蘭通商航海条約で労働許可が不要になり、この最低所得の要件は実質半分以下になりました。つまり、日蘭通商航海条約の復活は、特に日本人の若い人たちにとっては大きな意味があると言えます。
オランダでは「英語が話せれば、誰とでも話せる」
https://twitter.com/tennsi21/status/746542281239339008
“100年前の条約はまだ生きていた。オランダ大使館で聞いた日本人が知らない特権~ https://t.co/DN7fV9UwOd …:日本人がオランダで労働許可なく就労したり、自由に事業をしたりする特権が認められる”
寝耳に水のニュースが入ってきました。
2016年6月20日、オランダ政府移民局は、これまで認められてきた「日本人がオランダで就労する際には労働許可が不要」という判断を変更することを発表しました
— オランダ経済省企業誘致局 (@NFIAJapan) 2016年6月22日
これまで日本人にはオランダで自由に就労する権利が認められていましたが、今回の発表により、今後は日本人にも労働許可の取得が必要になります。以下、これまでの背景と合わせて、現時点でわかっている情報を掲載します。
オランダースイス間の条約に対する政府の新しい解釈
ライフハッカーでは昨年よりオランダ移住の情報を発信してきましたが、そもそもオランダに注目するきっかけとなったのは、「日本人はオランダで労働許可なく就労が可能」というニュースでした。この決定は、1875年に施行されたオランダとスイス間の条約が根拠となっているのですが、今回の発表によると、オランダ政府とスイス政府は条約に対する新しい解釈を追加し、就労条件については両国の国内法に準拠する、とのこと。
つまり、条約自体は変更されてはいないものの、解釈として国内法に準じ、スイス国籍者であってもオランダで就労する際は労働許可の取得が必要になるということです。これに合わせて、日本人の場合も同じく、日蘭通商航海条約そのものは変更されていないものの、根拠となるスイスとの条約に新しい解釈が加えられたことで、オランダで就労する際は労働許可の取得が必要になります。
オランダ移民局(IND)の発表によると、この変更は2016年10月1日から施行されるとのこと。ただ、現時点ではオランダ政府内でも協議中なので、今後情報が変更される可能性もあります。
ライフハッカーでは今後も新しい情報が確認でき次第、情報発信を継続していきます。