• follow us in feedly
scroll_icon
shuffle_button
【洒落怖】きれいな髪(家・中編)

サムネイル出典:

【洒落怖】きれいな髪(家・中編)

Author:
ankouankou
Posted date:
【洒落怖】きれいな髪(家・中編)

『きれいな髪』

674 :がいしゅつ?だったらごめんなさい。 :02/05/07 22:24 
新築のマンションに引っ越しました。 
1階の角部屋。立地条件もよく、日当たりも良好。文句なしです。 
引っ越した初日は、手伝ってくれた友人たちと飲み明かしました。 

翌日の昼過ぎ。友人たちが帰った後シャワーを浴びました。 
友人たちの中にたばこを吸う人がいたので、
髪についた臭いが気になっていたんです。 
髪は私の自慢でした。
パーマもカラーリングもしたことのない、まっすぐな黒髪。
手入れも欠かしません。 
その日もシャンプー、トリートメント、リンスを済ませて、
さっぱりした気持ちで浴室を出ました。 

さて、昨夜の後かたづけです。
ちらかったスナック菓子の袋や空き瓶を片付けて、
掃除機をかけていると、おかしなことに気が付きました。 


676 :674 :02/05/07 22:40 
長い髪の毛がやたらと落ちているのです。 
ちょうど私と同じぐらいの長さでしたが、髪質が違う。 
友人たちの中に髪の長い女性はいなかったし、
引っ越したばかりの部屋に・・・? 
少し不思議に思いましたが、自分の髪だろうという結論に落ち着きました。 

今日は、昨日の引っ越しの手伝いに来れなかった友人が訪ねて来ます。 
友人から最寄り駅に着いたという電話を受けて、私は駅に向かいました。 

その友人は霊感が強いことで有名だったのですが、 
髪の毛のことは特に気にしていなかったので、
とりとめもない話をしながらマンションへ帰りました。 
・・・? 
部屋の床に再び長い髪の毛が落ちていたのです。
ま、さっき取り忘れたのでしょう。さっさとゴミ箱に捨てました。
友人は県外から訪ねて来たので、当然泊まるつもりです。
「シャワー借りるねー」
勝手知ったる他人の家、友人は早速浴室へ。シャワーの音が聞こえます。 
と、いきなり蛇口を閉める音が聞こえたかと思うと、
友人が慌てて浴室から出てきました。 


678 :674 :02/05/07 22:50 
「お、お風呂場に・・・」
友人は真っ青です。とりあえず落ち着かせてから話を聞きました。 
「お風呂場に髪の長い女がいたの!」 
ここは新築のマンションです。幽霊なんているはずがありません。 
しかし説明しても、友人は帰ると言って聞き入れませんでした。 
とはいえ、なにしろ遠くからきたので、この時間では帰れません。 
「とにかく私はこの部屋にはいられない。
 私は近くのファミレスで夜明かしするから、
 あんたも何かあったらすぐ電話するのよ」
そう言って友人は出ていってしまいました。 


680 :674 :02/05/07 22:58 
一人残された私。昼間の髪の毛のこともあってさすがに心細い。 
大丈夫。ここは新築よ。
友人に言った言葉を自分に言い聞かせ、
私はシャワーを浴びることにしました。 

『霊感が強い』なんていうのも考え物ね。人の引っ越しを台無しにして。
心の中で友人に悪態をつきながらシャンプーをしていると
・・・頭に違和感があります。 
頭皮を傷つけないように爪を立てずに、
指の腹でマッサージをするように・・・いつも通りのやり方です。
でも、おかしい。 
・・・・?
私はシャンプーの手を止めました。 


683 :674 :02/05/07 23:26 
・・・! 
私は頭に置いていた両手を、おそるおそる目の前に持ってきました。 
・・・! 
爪を立てずに、指の腹でマッサージをするように・・・ 
もう一つの手が私の髪を洗っています。 
「誰!?」
振り向くと、顔の焼けただれた女性(でしょうか?)が
私の頭の上に片手をのせたまま・・・ 
「・・・きれいな・・・か・・・み・・・ね・・・」 
確かに女性の声でした。

シャワーの音で気が付きました。
私はシャンプーの泡を流さないまま気絶していたので、
髪の毛がごわごわです。 
そんなことを気にしている場合ではありませんでした。
さっと泡を洗い流し、着の身着のままマンションを飛び出しました。 

電話ボックスから友人のケータイに電話し、ファミレスで合流。 
「やっぱり。明日、不動産屋に聞いてみましょう。
 付いていってあげるから」 

翌日、不動産屋に聞いた話はこんな感じでした。 


マンションが建つ前、そこには1件の家と花屋さんがあったそうです。 
花屋の娘さんは、長い髪が自慢の美人でした。 

ところが、その家で火事が起こってしまったのです。
お風呂場のガス釜が爆発したのです。 
居合わせた娘さんは顔を大やけどし、
自慢の髪もほとんどが焼けこげてしまいました。 
娘さんは恋人にもふられ、ひきこもりがちに。 
一掴みだけ残った髪の毛をそれはそれは大事にしていたそうです。 
シャンプー、トリートメント、リンスを1日に何度も繰り返し、 
鏡の前で髪をとかしながら、 
「・・・私の髪、きれい?」
「・・・私の髪、きれい?」 
何度も母親に尋ねていました。 

ところがそのわずかな髪も、
精神的ショックと手入れのしすぎで抜け始めてしまったのです。 
娘さんはお風呂場で手首を切って自殺しました。
お母さんが買ってきてくれた新しいリンスをまるまる1本、
1度に使い切ってから。 


「ちょうどお嬢さんのような、髪のきれいな娘さんだったよ」 
不動産屋は私を懐かしそうに見つめて、そう言いました。

『オススメの怖い話リンク』

この記事が気に入ったら

いいね!しよう

Sharetubeの最新記事をお届けします

著者プロフィール
ankou

怖い話を中心にしてまとめています。