好きなゲームで遊んでいる様子を、自分でしゃべりながら動画で撮影し、投稿サイトで公開する。そんな「ゲーム実況」の初の大型イベントに、3万5千人が集まった。人気の実況者は「アイドル」さながら。ゲームの制作会社もこのブームを逃すまいと、宣伝や開発に生かす。

出典:「ゲーム実況」ブームの背景　初のイベントに3万5千人

　ゲームイベント「闘（とう）会議」で、会場となった幕張メッセ（千葉市）に人だかりができていたのは、「実況」のエリアだった。

　「逆転できそうだあ」「焦って操作ミスが多いですねえ」。ゲームの内容を解説し、登場するキャラクターのセリフを読み上げ、しゃべりながらゲームをする。巨大なスクリーンに映し出された動画を、家族連れや学生が見入っていた。

　実況の体験ができるエリアもあり、実際にマイクを使って、ゲームをプレー。約10あったスペースは、どれも立ち見が出るほどにぎわった。初挑戦した東京都練馬区の小学4年の徳永想太郎君（10）は「1人でやるのと違って緊張したけれど、みんなが一緒に笑ってくれて楽しかった」と笑みを浮かべた。生放送を見た「ネット来場者」はのべ574万人にのぼった。

出典:「ゲーム実況」ブームの背景　初のイベントに3万5千人

　実況を「仕事」にする人も現れた。動画投稿サイトでは再生回数などに応じて、「収入」が得られる仕組みがあるからだ。「茸（たけ）」さんこと20代前半の男性は4年ほど前から、「趣味の範囲」で、格闘や恋愛などのさまざまなゲームを投稿していたら、再生回数が増えていった。およそ2年後に企業から依頼がき始め、実況で生計を立てている。茸さんは「見ている人がアドバイスをくれたり、一緒に驚いたり。友だちの家に集まって、みんなでワイワイやっているような感覚です」と話す。

出典:「ゲーム実況」ブームの背景　初のイベントに3万5千人

　ゲーム実況は、作品の攻略法や結末が明らかになる「ネタばれ」も起こりかねない。投稿者が著作権法違反に問われる恐れもあるが、任天堂は昨年発売した作品「マリオカート8」で、遊んでいる画面をネットに簡単にアップできるようにした。広告収入の一部を、投稿者が受け取れる仕組みも始めた。「面白い動画が広まれば、宣伝代わりになる」（広報）からだ。

　スクウェア・エニックスは「消費者の反応がみられる大切な場」という。昨年、発売前の作品を実況で紹介し、その時の声を生かして登場人物の設定を修正した。発売時には24時間の実況イベントも開いた。バンダイナムコゲームスやカプコンも自社のネット配信番組で活用する。ソニー・コンピュータエンタテインメントの家庭用機「プレイステーション4」は、ボタン一つで遊ぶ様子をアップできる機能が売りだ。

　ゲーム産業に詳しい立命館大学の新清士・非常勤講師は「ゲーム会社は、自らの作品を消費者と一緒に盛り上げなければいけなくなった」と話す。基本無料のスマホゲーム作品の「アイテム」やゲーム機の販売を伸ばすには、消費者に長く作品を楽しんでもらう必要があるからだ。

出典:「ゲーム実況」ブームの背景　初のイベントに3万5千人

Twitchは2014年11月6日から12月6日までの1カ月間で収入が多かったゲーム実況プレイヤーのトップ20を発表。見事1位に輝いたのは、元プロゲーマーのimaqtpieさんです。

2014年11月にimaqtpieさんはゲーム実況で約1万4000ドル(約165万円)を稼ぎ、その内訳は広告収入が約1万2300ドル(約145万円)で、サブスクリプションが約2100ドル(約24万7000円)。多くの収入を広告から得ていることがわかります。

Twitchのゲーム実況プレイヤーは最も多い人で約165万円ものお金を1カ月で稼いでいることが分かりました。Twitchによれば、視聴者との交流が上手な人ほどサブスクリプションの登録者数は増える傾向があるそうです。なお、1位に輝いたimaqtpieさんは毎日8時間必ず配信を行っており、土日・祝日も休んでおらず、動画配信で大金を得るのは簡単なことではないようです。