【洒落怖】山にまつわる話(Part7)

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『収録話』

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■.タケノコ採り ■.押入れの中 ■.女の祠参り
■.山菜取り? ■.山のタブー ■.狐道
■.滑落 ■.マチをしていた時に寝て・・・ ■.薄暗い時に色鮮やかに・・・
■.たいがい狸 ■.山のタブー ■.真夜中の御在所岳

『タケノコ採り』

60 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/15 12:27 ID:YSSTlOPh

小学生の頃の話。


早朝に山へ出かけて、ネマガリタケというタケノコを採っていると、

まだ背の低かった俺は方角を見失ってしまった。

この竹(本当はチシマザサって言うらしいけど)は背が低いけど、

ものすごい勢いで群生して生えているので、前に進むのも容易じゃないし、

生えている場所が急勾配で、とても歩きにくい。


竹林の中で途方に暮れていると、竹林の奥から「ハァッハァッ」という、

危ないオッサンか野犬の息づかいのような音が聞こえてきた。

薄暗い竹林の中で俺がビビりまくっていると、

目の前に茶色い体をしたオオカミみたいな動物が姿を現した。

見ると、顔はひしゃげた子供のような顔で、鼻と耳がなかった。

俺が死ぬほど怖がっていると、その動物はびっくりしたように俺を見つめた後、

「まったく、ついて来い」と、ものすごく乾いた子供のような声で言った。

普通なら絶対について行くわけがないんだけど、

恐怖よりも『ついて行かなくちゃ』という気持ちの方が強くて、その動物について行った。


途中、竹林の中に小さな小川があって、それを飛び越えると、

本当にその途端に俺は竹林の外に出ていた。

背後でガサガサと音が聞こえたので見ると、

その動物の尻尾が竹林の中にとけ込むように消えていくところだった。

とりあえず「ありがとうございました」と頭を下げた。


ちなみに、親父はタケノコをリュックいっぱいに採ってきて、

俺の話しを聞くと「感謝しておけ」と頭をクシャクシャやられた。

そして、採ったタケノコの3分の1とおにぎり1つを竹林の前に置いて帰路についた。

微妙にセコいお礼だった。


63 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/15 13:36 ID:FPHjGNDD

>59-60タソ乙です おもろかったよー

2つめのはなんとなく「ミツ」を思い起こさせる話だね 

他の話では邪悪な存在みたいだけど子供にはやさしいのかな

何処ら辺の地方なのかヨカータらおしえてちょ またなんかあったらよろです


79 :59-60:04/05/16 11:58 ID:VBVvCAky

>>63

長野県です。

『押入れの中』

104 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/28 04:33

怖い話とはちょっと違うかもしれないんだけど。


登山者が雪山の山小屋に着くでしょ。

それで、押入れに入ってる布団を出そうとすると、

たまに間に凍死体が入ってることがあるんだって。

登山してきて寒くて疲れた人が、助かったーと思って押入れの布団の中にもぐりこんで、

取り敢えずそのまま寝ちゃったりすると、

却って冷たい布団に体温を奪われて、凍え死んでしまうんだとか何とか。

うろ覚えなんだけど、これってホントなのかね。


で、発見した人は「ハァー、凍死体キター(ガックリ)」って思う、

なんて書いてあったんだけど、

登山する人の間では、たまにある話として知られている事なの?


106 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/28 06:47

山に関しては全く疎いのだが、山小屋には暖炉とか設置されてないの?


107 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/28 07:47

>>106

暖炉は見たことないが、薪ストーブならある。


108 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/28 09:45

ならなんで凍死するんだろう?

わざわざ押入れに入らずに、ストーブの前で暖を採っていれば死なないはずなのに。

寒さで思考回路が麻痺してるとか?


109 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/28 09:56

>>108

ストーブがあっても、実際に火が点けられるかどうかは微妙なんでねぇかの?

よく知らないんだけどね。


110 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/28 10:10

物が燃えるには酸素と熱が必要です。

薪があったとしても、凍り付いた薪を燃やすのは難儀ですわな・・・


111 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/28 10:14

なるほど。せっかくストーブがあっても無用の長物なのか。


112 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/28 11:14

100円ライターと新聞紙を元に、火は起こせないのかな。

寒くて凍り付いてたら、結局はそんなちゃちいのじゃダメ?

灯油とか置いてあっても凍ってしまうもんなんだろうか。

まったくの素人なもんで、想像は色々するけど、

実際どんなものかはまったくわかんないです。

独り言スンマソン。


123 :元、山屋:04/03/28 18:10

>>112

余りに寒いと100円ライターなどは点火できません

ましてや遭難ぎりぎりの所で冷静な判断など出来るわけも無く、

春になって見たら火事で焼失していた話も聞いたことがあります。


冬の間山小屋は厳重に封鎖されます。場所によっては天井につっかえ棒までします。

それをしないと雪が舞い込んだりして、春に山小屋が開けないのです。


灯油が凍った事は無いですが、軽油はシャーベット状になります。


104さんの話も、十分にありえる話だと納得しました。

『女の祠参り』

93 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/16 22:47 ID:4rW+5k3w

私が小学校の頃、お盆になると毎年女だけで、山の祠みたいなとこにお参りに行きました。

真夜中2時頃から登り始めるんですが、皆裸足で登ります。

アスファルトは途中までで、石ころが混じった道を懐中電灯を持って歩くのですが、

その女だけっていうのが、月経がある女だけなんです。

私は小学校6年のお盆から、大学に進学するまで行きました。


そのあたりの家みんなが集まってするので、友だちの顔も見えたりするのですが、

なんせ懐中電灯が1個だけなのでよくわかりません。

集まった中の一人の人が、祠の前でお経みたいなのを唱えて、

みんなはそれを真っ暗やみの中聞く。

終わるとまた同じ道を通って帰るのです。

その間、誰も口を開いてはいけないのです。

小さいころから普通に行われていたので、なんにも不思議は感じませんでした。


94 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/16 22:48 ID:4rW+5k3w

高校最後の夏、お経が唱えられている時に、

私は虫に刺されて、「痛ッ」って声出しちゃったんですね。

真っ暗だったから、みんな無言で『誰だ誰だ』みたいに当たりを伺ってて。

もう私はドキドキしちゃって、でもバレたらマズイと思って、

みんなみたいにキョロキョロしました。


お経を唱えていた人(毎年持ち回りでした)がこっちに走って来て、

私の隣の子の顔を懐中電灯で照らすと(その人だけ懐中電灯を点けていました)、

バシバシ叩きはじめました。

周りの大人もです。

怖くて、私はなにも出来ませんでした。


それからの記憶はなくて、気付くと自分の部屋で朝になっていました。

母に昨晩のことを聞いても、「なにも知らない」と言うばかりです。

かといって、私だったなんても言えない雰囲気で…


結局、その叩かれた子が誰かもわからず、

私は大学に入るために上京してしまって、そのまま結婚したので、

お盆のその行事には参加せずじまいです。

まだ行われてるかもわかりません。

叩かれた子には悪いことをしました…

『山菜取り?』

134 :112:04/05/19 00:50 ID:vUbDhV9B

集落の某とゆう人が、別の集落に出かけたときの話。


朝、別の集落に向かう途中で、同じ集落の○○とゆう人を見かけた。

草むらの中を、うろうろうろうろとしている。

それを見た某さんは、その人が山菜をとってるのだと思い、

ずっとうろうろしとるとこ見ると、ありゃあかなり生えるンやな。

と思いつつ通り過ぎたそうです。


夕方、同じ場所を通ると、○○さんが同じ場所をうろうろしている。

朝も来て夕方もとりに来るとは、どんなもんなんじゃ。

と思い、近づいて声をかけると、

○○さんは「ああ、よかった。道に迷ってこまっとったんじゃ」と言い、

朝からずっと迷ったきりで困ってたと話したそうです。

その場所は、道から20mも離れてない開けた場所で、迷うわけのない場所。

そのことを指摘すると、○○さんは正気に戻り、

「なんでわしはこんなところにおるんじゃ?」と不思議がったそうです。


○○さんは猟師をやっていた方で、

その日も別の集落の人と狩りに行くつもりで出かけたとのこと。

「○○は腕のいい猟師やったから、狐かタヌキがひきとめようとしたんじゃなかろうか」

と、集落の人たちは話したそうです。

『山のタブー』

808 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/04/30 21:32 ID:ck6RUsKv

子供の頃、近所のおじいさんに聞いた話です。


そのおじいさんは若い頃一度事業に失敗し、実家の田舎に帰ったそうです。

その家には持ち山があり、色々謂れもあったらしいのですが、

若い頃に学業の為上京した彼は、その謂れなるものを全く知らなかったそうです。


さて、ある日彼が山を歩いており、ふと茂みを覗くと、一羽の兎が居たそうです。

しかし『兎だ』と思ったのは、単に耳が長かったからで、

実の所、見なれている『兎』とは大分違う生き物であったとの事。

毛もなく目も開いておらず、簡単に言うと『生まれたての子兎』のようだったとか。

しかし、大きさは紛れもなく野兎のそれであったそうです。

しかもよく見ると、その兎は酷く怯えており、彼が近付いても動こうともしません。

よく見ると、後ろ脚が罠にかかっているようでした。

罠と言っても彼の見た所、細い草に引っかかっている様にしか見えません。

彼は別に何の気もなく、罠を外してやったそうです。

そしてふざけて「恩返しをしろよ」と兎を見ると、

先に語った姿の醜悪さなものですから、突然腹の底からぞっとし、逃げ帰ったそうです。


おじいさんは帰宅後、これを家の人にはなしました。

すると、家に来ていた分家筋の人たちが一斉に厳しい顔になり、

「直ぐに出て行け」と言い出し、彼は新妻諸共叩き出されたそうなのです。


彼はいたく憤慨しましたが、それから年経るにあたって、なんとなく理由を理解しました。

奥さんは三度流産し、結局子供が出来ませんでした。

「たぶん、あれは山の神様への生け贄で、自分が勝手に逃がしてしまったのだろう」

と、おじいさんは言いました。


重ねて、実は村からたたき出された直後、

あんまり腹が立つので、一度件の山に行ったのだと言いました。

兎の居た辺りで気配を感じ、ふと上を見上げると、

錆び付いた斧が自分めがけて落ちてくる所で、慌てて飛び退いた、と。

「たぶんあの時、自分が腕なり脚なりを切って捧げていれば、

 子供は助かったかもしれない」とも。


おじいさんはとてもいい人でしたが、それでもタブーを犯してしまった。

報いを受けなければならないのだな、と思いました。

ちょっと哀しかったし、怖かったなあ。

『狐道』

864 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/05 13:54 ID:MH9uLDWn

祖父の話。


某峠は昔から怪奇現象が起こります。

祖父が昔車でその峠越えをした時、祖母が急に気分が悪くなり、

ゲエゲエ戻しはじめたそうです。

車を止めてしばらくすると、

車の前を2メートル近くある巨大な狐がゆっくり横切って行きました。

目がライトに照らされて真っ赤に見え、ちょうど鬼灯みたいなカンジだったそうです。


865 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/05 14:05 ID:MH9uLDWn

次にワタクシが同じ場所で経験した話。


学生時代にその峠をバイクで夜に越えた時です。

全くの一本道のはずなのに、何度もも同じ場所に出て来るのです。(合計三回)

気味が悪くなつつそのまま進むと、いつの間にか前後に車が走っていることに気付きました。

少し安心し、物凄い急な坂を登り頂上に達した所、

すぐ前を走っていたはずの車が忽然と消えていました。

慌てて後ろをみると、後ろの車も消えてました。


866 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/05 14:34 ID:9IviuKNl

とあるキングオブきつねタソの総本山みたいだねw 何処ら辺なのかな?


867 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/05 14:49 ID:MH9uLDWn

あの辺は地形が複雑でいったい何県かよく分からない・・・

ただ一つ言えるのは、昔から「狐道」と言われる道が存在して、

ワタクシが通った道はその道の一部だそうです。

伏見のお稲荷さんから豊川のお稲荷さんへ続く道らしいです。

『滑落』

575 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/08 04:28 ID:Xv918j41

怪談とかじゃなくてリアルな話。

以前、何かのCMに出てた山の掃除人、

アルピニストの何とかって人がテレビで話してたことだが・・・。

ガイシュツだったらすまぬ。


エベレストとか本格的な登山になると、道中にはたくさんの危険がある。

滑落、雪崩、クレバスとか色々あるが、

滑落では下まで落っこちても、マレに助かっちゃう人がいるそうな。

登山途中、時々だが、そういう人が助けを求めて手を振っているのが、

はるか下の方に見えることがあるらしい。

ところが、そこは険しい谷底だったり、ヘリはおろか人も降りていけないような所。

じゃあどうするか。

遭難者がそこにいるのが見えている。必死に助けを求めている。

でも、どうしようもない。

見なかったことにするんだそうである。

必死に手を振っていても、大声で叫んでいても、

気づかなかったことにするんだそうである。

助けられないから。


人が生きていて、その姿も見えるのに、見殺しにするしかない。

必死になって手を振っていようが、叫んでいようが、もうそれは『死人』なのだ。

って考えるとものすごくコワかったな。俺は。

『マチをしていた時に寝てしまった』

595 :あなたの後ろの名無しさん:04/06/08 20:59 ID:CAryghNI

ハンターです。

山でマチ(獲物が出そうな所でじっと待つ)をしていた時、うっかり寝てしまいました。

ふと目が醒めると、目の前に大きな犬?がいます。

シェパードくらいの大きさ。獰猛な顔つき。

でも、目は・・・じっとワタシをみているだけで敵意がありません。

「寝ちまったよ。ずっといたのかい?ごめんな、ナカマに合流しなくちゃ。

 お前もご主人が探しているんじゃないの?お先に下りるね」

座り続けでこわばったケツを揉み解しながら、銃を肩にかけ話しかけました。

と、そのとき、

『私には主人はいない。私は私だ。気をつけて帰れ』

と、頭の中に声が!

瞬間動けなくなりました。頭も真っ白です。

その犬を凝視すると、ゆっくりと笑って(そう見えた)

山の頂へとゆっくり歩き去っていきました。

姿が見えなくなってから・・・私は一礼して、銃から弾倉を抜いてゆっくり帰りました。

山梨の山中で体験したお話です。

『薄暗い時に色鮮やかに見える人間』

704 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/11 12:27 ID:6IoW3dXs

夕方になり、山仕事を終えた男は家路についた。

陽も沈んだ辺りは薄暗く闇夜の一歩手前、逢魔ヶ時という時間帯。

ふと、男が前方を見ると一人の女が近付いて来る。

近所では見かけた事のない女。

かすりの着物の色が余りに鮮明だった事が、男に父親の言葉を思い出させた。

『夕暮れの薄暗い時に、昼日中のように色鮮やかに見える人間は物の怪だ。

 人間の注意を引く為に幻を見せているから、薄暗い中でも着物の柄までよく見える。

 だが、目の前にいるのは囮だ。本当の化け物は、その人間の真後ろにいるものだ』

男は手に持っていた鎌を握りなおすと、目を瞑り渾身の力を込めて自分の背後を薙ぎ払った。

その瞬間、鳥とも獣ともつかない甲高い鳴き声と、木々を揺さぶる音が山中に響きわたる。

男が目を開けてみると、そこには無数の木の葉が散らばっているだけ。

振り返ると、件の女の姿も消えていた。


この話は私が子供の頃に(二十年以上前)、

読売新聞の読者投稿欄で読んで印象に残っていた話です。

投稿者は確か八十代の男性で、その人が子供の時に聞いた祖父の体験談だから、

かれこれ百年以上前のお話ですね。

今から思うと真相は、田舎に遊びに来ていた蛍光染料入り着物着用の女性が、

山を散策して帰る途中に男と出会う。

驚いた事に男は鎌を手にしたかと思うと、突然暴れ始めた。

これには近くにいたカラスもビックリ、女性は変質者キターーーーー(゚∀゚)ーーーーー!!!で、

光の早さで逃げたのではないかって気もしますが……w

『たいがい狸』

853 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/15 22:53 ID:fHypDWr7

山にまつわるかどうかは分かりませんが、狸が人を化かす件について。


山口県に周防大島という大きな島があります。

もう橋ができて30年以上になりますが、

橋ができる前は大きな船で渡っていたそうです。

その頃は外灯すらない田舎でした。

もう亡くなりましたが私のおじいちゃんが、

今現在橋の架かっている大島瀬戸と呼ばれる場所に、

夜漁り(浅瀬に来る魚やタコを捕る)に行ってたそうで、

帰る途中に、草むらから石を投げてくる者がいて、それは狸なんだそうです。

獲物を置いてけと石を投げるのだと言ってました。

極めて真面目な顔で話すので嘘じゃないと思います。

あと、本当に綺麗な女性に化けるのだそうです。

その女性についていくと風呂に入れられ、その風呂とは肥溜めで、

その中で溺れて死んだ人もいたそうです。

おかしな物を見たときは煙を出せばいいと言ってました。

火をつけるかタバコを吸うかすれば消えると。


867 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/16 11:55 ID:j0qXXSBZ

そういや、漫画家のサイバラが海と山しかない田舎で育ったそうで、

夜になると山のてっぺんで白い光がひうひうと舞っているのをよく見たそうな。

サイバラのじいちゃんは、

それを「今晩もたぬきがいっぱいおどりゆう。たぬきの火じゃ」と言ってたそうだが。

何か元ネタになる伝承でもあるのかなぁ。


868 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/16 13:00 ID:ChQlt/bj

>>867

サイバラは高知だから四国地方だよね。

あの辺は怪しいモノはたいがい狸ってことになるらしい。

逆に狐はほとんどいないんだそうな。

『山のタブー』

808 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/04/30 21:32 ID:ck6RUsKv

子供の頃、近所のおじいさんに聞いた話です。


そのおじいさんは若い頃一度事業に失敗し、実家の田舎に帰ったそうです。

その家には持ち山があり、色々謂れもあったらしいのですが、

若い頃に学業の為上京した彼は、その謂れなるものを全く知らなかったそうです。


さて、ある日彼が山を歩いており、ふと茂みを覗くと、一羽の兎が居たそうです。

しかし『兎だ』と思ったのは、単に耳が長かったからで、

実の所、見なれている『兎』とは大分違う生き物であったとの事。

毛もなく目も開いておらず、簡単に言うと『生まれたての子兎』のようだったとか。

しかし、大きさは紛れもなく野兎のそれであったそうです。

しかもよく見ると、その兎は酷く怯えており、彼が近付いても動こうともしません。

よく見ると、後ろ脚が罠にかかっているようでした。

罠と言っても彼の見た所、細い草に引っかかっている様にしか見えません。

彼は別に何の気もなく、罠を外してやったそうです。

そしてふざけて「恩返しをしろよ」と兎を見ると、

先に語った姿の醜悪さなものですから、突然腹の底からぞっとし、逃げ帰ったそうです。


おじいさんは帰宅後、これを家の人にはなしました。

すると、家に来ていた分家筋の人たちが一斉に厳しい顔になり、

「直ぐに出て行け」と言い出し、彼は新妻諸共叩き出されたそうなのです。


彼はいたく憤慨しましたが、それから年経るにあたって、なんとなく理由を理解しました。

奥さんは三度流産し、結局子供が出来ませんでした。

「たぶん、あれは山の神様への生け贄で、自分が勝手に逃がしてしまったのだろう」

と、おじいさんは言いました。


重ねて、実は村からたたき出された直後、あんまり腹が立つので、

一度件の山に行ったのだと言いました。

兎の居た辺りで気配を感じ、ふと上を見上げると、

錆び付いた斧が自分めがけて落ちてくる所で、慌てて飛び退いた、と。

「たぶんあの時、自分が腕なり脚なりを切って捧げていれば、

 子供は助かったかもしれない」とも。


おじいさんはとてもいい人でしたが、それでもタブーを犯してしまった。

報いを受けなければならないのだな、と思いました。

ちょっと哀しかったし、怖かったなあ。

『真夜中の御在所岳』

227 :本当にあった怖い名無し:2010/07/20(火) 13:18:12 ID:7wJaAWaR0

遭難者道案内の男性、下山後姿消す 真夜中の御在所岳


18日午後5時20分ごろ、菰野町菰野の鎌が岳(1161メートル)で、

1人で登山中だった名古屋市守山区の男性会社員(39)の父親(67)から

「道に迷った、と息子が連絡してきた」と110番があった。

四日市西署が翌朝からの捜索を予定していたところ、19日未明に男性が下山。

「偶然山中で出会った2人の案内で下山でき、気がつくと名前も告げずに去っていた」

と話しているという。


同署への男性の説明では、山中で午後9時ごろ、遠くにヘッドランプの明かりを発見。

大声で助けを求めると、40代くらいの男性2人が気付き、道案内役になってくれた。

午前0時50分ごろ、御在所ロープウエイ湯の山温泉駅まで下山。

直後、2人の姿が見えなくなったという。


男性は歩いてついていくのに必死で、会話はほとんど出来なかったという。

同署では「御在所岳で夜の登山客は通常考えにくいが、無事下山できて何より」

と話している。


231 :本当にあった怖い名無し:2010/07/20(火) 14:45:06 ID:grLJttJ40

>>227

男性会社員(39)が母親にその二人の詳細について語った所、

母親は「それはお前の爺さんの戦友に違いない」と言って顔を覆ったという。


前大戦時、母親の父は陸軍小隊長として出征していた。

小隊長は部下達を大事にし、身寄りのないある二人については、我が子のように可愛がった。


ある時、休暇を貰った小隊長は、帰省する家もない二人を連れて帰ってきた。

幼き母達に親身に接し敬う二人を見て、

母は父がどんなに部下を大切にしているかを伺い知ることができたという。


休暇が終わり、三人は再び戦場へと戻って行った。

その際、二人は母の手を握り、

「小隊長殿に受けた恩は必ず、必ずあなた達に返しにきます」

そう告げて去っていった。

三人が再び母国の土を踏む事は無かったという。


「まだ20にもならない二人だったけどねぇ。

 あんたの年に合わせて、わざわざ年を取って助けに来てくれたのかも知れんね」

そう言って母は、アルバムから一枚の写真を取り出した。

会社員は唖然とした。

愛してやまない小隊長の両脇で、満面の笑みを浮かべる少年兵2人は、

あの恩人達にそっくりだったという。

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