【閲覧注意】エキノコックスの怖さ

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エキノコックスとは

エキノコックスの生活史

			
エキノコックス症(エキノコックスしょう)とは、寄生虫の1種であるエキノコックスによって人体に引き起こされる感染症の1つである。


包虫症(ほうちゅうしょう)などとも呼ばれる。

原因は、主にキタキツネやイヌ・ネコ・タヌキ・オオカミ等イヌ科をはじめとする肉食動物(イヌ科以外の例外もあり)の糞に混入したエキノコックスの卵胞を、水分や食料などの摂取行為を介して、ヒトが経口感染する事によって発生するとされる、人獣共通感染症である。


卵胞は、それを摂取したヒトの体内で幼虫となり、おもに肝臓に寄生して発育・増殖し、深刻な肝機能障害を引き起こすことが知られている。


肝臓癌と誤診され外科手術時にエキノコックス症と判明することもある。

症状

エキノコックスに寄生された肝臓

			
無症状の潜伏期間が長く、成人の場合で10年から20年、小児で5年以上かかるといわれている。


患者の98%が、肝臓に病巣を形成される。


感染初期の嚢胞が小さい内は無症状だが、やがて肝臓腫大を惹き起こして右上部の腹痛、胆管を閉塞して黄疸を呈して皮膚の激しい痒み、腹水をもたらす事もある。


次に侵され易いのは肺で、咳、血痰、胸痛、発熱などの結核類似症状を引き起こす。


そのほかにも、脳、骨、心臓などに寄生して重篤な症状をもたらす事がある。


また、嚢胞が体内で破れ、包虫が散布されて転移を来たす事もしばしばある。内容物が漏出するとアナフィラキシーショックを起こす。


本虫の引き起こす症状は、大型の条虫の場合よりも重篤である。

治療

エキノコックスの成虫

			
発症前の診断と治療開始が重要。

放置した場合の5年後の生存率は30%と言われている…。

【①手術療法】

有効な治療であるが、臨床症状が出現した時点ではもはや取りきれない事が殆どである。


また嚢胞の位置と患者の状態から外科的切除が困難な場合がある。


【②化学療法】

手術療法が困難な場合に行われる。


本症に対する内服薬は、1981年(昭和56年)にアルベンダゾール albendazole が開発され、欧米で用いられてきた。


日本でも1994年(平成6年)に認可され、使用が可能となっている。

日本では?

解剖されたネズミ

			
感染症法4類感染症指定で、原因となる多包条虫が北海道などの緯度の高い地域(38度以北)に生息している。


毎年約20名がエキノコックスに感染しているが、保健衛生指導と犬の定期的な条虫駆除で予防できる。


他に生水を飲まない、発生地の沢水や井戸水は加熱してから使用する、人家にキツネを近づけない、山菜などは良く洗うか火を通して食べる、などの予防法がある。


しかし、虫卵の分布や汚染状況が不明で、ヒトへの正確な感染経路の同定はできていない。

熱に弱い

熱には弱く、60度10分間加熱で死滅する。


症状が出てからの治療は困難な為スクリーニング検査が重要であり、北海道では広く行われている。

これまで確認されたデータ

エキノコックスの虫卵

			
1998年8月 青森県で食肉用に屠殺されたブタでの感染が確認されたが、周辺の野生動物から病原体は検出されておらず、ブタの感染源は不明である。


弘前大学医学部の研究チームらにより、1990年から流行の監視が行われている。


1999年(平成11年)11月から2006年(平成18年)1月にかけて、根室半島で駆虫薬入りのキタキツネ用の餌を散布し、キタキツネのエキノコックス感染率のデータ収集が行われた。


散布開始時から2006年(平成18年)3月までの期間に捕獲したキタキツネの感染率は、駆虫薬入り餌を散布した地域での感染率は20%、散布しなかった地域での感染率は62%であった。


2007年 山形県 米沢市営と畜場へ搬入されたウマから発見。

2014年 青森県内でヒトの感染事例として20名が報告されている。


また、2014年愛知県でイヌ1頭の感染が報告されているが、感染経路は不明とされている。

ついこの間。

2018年3月 愛知県の知多半島の知多市、阿久比町、南知多町で3頭の野犬の糞からエキノコックスが検出された。

感染予防

直接的な対策は多くの経口型感染症対策と同じく、「手指の洗浄励行」、「汚染の恐れがある食物はよく洗い加熱する」などであり、排出された虫卵を経口摂取する可能性を低減する効果が期待できる。


また、感染終宿主との接触を避けることも重要である。


住環境に対しての対策は、すなわち媒介動物対策となる。


つまり、主要な感染源となるキツネや野犬を人家周辺に近づけないための対策が重要で、餌となる畜産廃棄物、水産廃棄物、生ゴミなどの適正な保管・処理が不可欠とされる。


媒介動物への対策として、北海道のいくつかの地域において駆虫薬入り餌の散布による、野生キツネからのエキノコックス駆虫が行われ始めている。


かつては、汚染地域内のキツネの捕獲やネズミ駆除が行われたが、効果が認められず失敗した。

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Sharetube