qaqaの英語②【受験生必見】センター英語対策!英語を前から読むってどういうこと?

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さて、4月に入りましたね。受験生は既に一度くらいはセンター英語の過去問を解いたことでしょう。どうでしたか?おそらくその分量の多さに面を食らったことでしょう。
センター試験が求める受験生の英語レベルは、平易な文であれば日本語と同じくらいのスピードで読むことができるレベルであり、分量もそれを基準に設定されています。つまり、未だに返り読みをしている人は、センター英語の時間が足りる道理はありません。
この記事では、英語を前から読むとはどういうことなのか、その意味と練習方法について説明します。まだ4月になったばかりなので、ぜひとも今後の勉強の参考にしてください。

英語を日本語で考えろ

筆者が予備校の副校舎長として働いていたころ、英語もまともに話せない校舎長が受験生に億面もなしに、「英語を英語で考えろ」と教えていました。しかし、これはプロの翻訳家としてはっきりいいます。それは無理です。現に「英語を英語で考えろ」と偉そうに教えているわりには、その具体的な方法まで教えてくれません。そもそも教えられるはずがないのです。私たちの思考は日本語に基づいている以上、「日本語を使うな」は「考えるな」と同義だからです。
「英語を英語で」と言っている人たちは、どういうわけか皆そろって「アップル」「サンキュー」「ハッピーバースデー」を引き合いにだします。これらの単語はいちいち頭の中で日本語に直して意味を理解しません。しかし、これは英語を英語で考えているとは言いません。「アップル」も「サンキュー」も「ハッピーバースデー」もすでに日本語なのです。英語由来の単語ですが、私たちが生活の中で何気なくつかっているうちに言うなれば外来語として日本語に定着した単語です。
普段からadequateやfrequentなどの単語も生活で使っていれば、この単語をそのままの意味でとらえることも可能かもしれません。しかし、ほとんどの生徒が受験でしか使わない単語を日本語の一部として定着させるには、相当な時間がかかります。
「英語を英語」でとらえようとして「なんとなく曖昧なイメージ」でとらえようとする暇があったら、一度日本語に直した方が圧倒的に速く文章を理解できます。ましてやセンター英語は「単語」や「フレーズ」ではなく、「文」で訊かれます。大した英語力もなく、受験でしか英語を使う機会がないのに、膨大な量の英文を、本当に思考の根源である日本語を使わずに読み捌くことができるのでしょうか。
英語を速く読むための鍵となるのは、いかに日本語訳を速くできるかに限ります。それを繰り返していくうちに、あたかも日本語の過程を省略したかのように英文を理解することができるのです。省略というのは、オリジナルの過程をしっかりとできる人のみができる技術であり、最初から省略した方法をやろうとしても身につくわけがないのは明白でしょう。

丁寧に日本語訳をしていこう

英語もろくに話せない予備校業界の人が「日本語訳をするな」と指導するのをよく目にします。どうやら彼らは「日本語訳=返り読み」と勘違いしているのでしょう。しかし、翻訳業界の人たちにしてみれば、これは嘲笑物の考え方です。これは翻訳者によって個々の方法論がありますが、私の場合、いかに返り読みをさせずに日本語訳ができるかを考えています。なぜなら返り読みをして作った日本語はかなりいびつで分かりにくいからです。
1つ例を上げましょう

I found the house next to ours whose roof had been blown away due to the typhoon when I went out.の英文があったとします。

これを「外に出た時、私は台風が原因で屋根が吹き飛ばされたとなりの家を見つけた」と訳していては、翻訳家としては失格です。このような日本語を今までに見たことはあるでしょうか。日本語訳をしているようで、実は日本語ですらありません。

私でしたら次のように訳します

「となりの家は屋根が吹き飛ばされていた。おそらく台風が原因であろう。私は外に出るまでそれに気が付かなかった。」

実は英語を返り読みすると、かえって不自然な日本語になってしまうのです。なぜなら英語は1つの単語に付属情報を幾度となく重ねていくからです。

「台風によって屋根が吹き飛ばされた隣の家」と、一番重要な「家」という単語の前に長々と説明が書かれていては、日本語であっても分かりにくいのは必至です。「日本語は英語とは逆で付属情報は前につく」と考えているならば、それはとんでもない思い違いです。日本語も付属情報は順序立てて後ろへ後ろへつけていくのです。たしかにSOVとSVOの違いはありますが、英語も日本語も同じ人間が話しているのですから、わかりやすい話し方にそこまで違いはないと考える方が自然です。
つまり、英語を返し読みで読んでしまう人は、まず日本語訳の方法を間違えているのです。これはある面では仕方がない話です。英語の授業で関係代名詞whose や接続詞whenの用法をしっかりと理解させるためには、最初のうちはどうしてもそのような訳し方で教えなければならないからです。
それでは、どのようにして前から訳していくのでしょう。これにはかなりの技術を要しますが、とりあえず受験生のうちは「スラッシュリーディング」という技術を身に着けていれば良いでしょう。

スラッシュリーディング

スラッシュリーディングは、意味の区切りごとにスラッシュを打っていき、区切りごとに訳していく方法です。スラッシュリーディングに関する参考書は書店に行けば必ず手にはいりますので、ぜひとも一冊は購入しておきましょう。
上記の英語をスラッシュリーディングをすると以下のようになります。

I found the house /next to ours/ whose roof had been blown away/ due to the typhoon/ when I went out.

私は家を見つけた。/その家は私たちの隣にある。/その屋根は吹き飛ばされていた。/それは台風が原因だ。/(気付いたのは)私は外に出たときだ。

このように読めば前から意味をとっていくことが可能でしょう。小学生の頃、作文の授業で「文は短く区切ると分かりやすい」と教わったことがあると思います。日本語と英語の違いを敢えて挙げるとするならば、私たちはとにかく「簡潔で短い表現」を好むのです。1文の英語を1文で訳さなければならないという決まりはありません。とにかく短く文を作っていきながら前から訳していくとすんなり頭に入っていくのです。慣れてくると、スラッシュを打たずに読めるようになります。長い英文が出てきた場合は、とにかく短い日本語の文を5つくらい作る勢いで丁寧に読んでいきましょう。

正しい方法論で効率よく勉強をしましょう

この記事を私個人の持論で済ませてしまえばそれまでですが、受験の参考書には様々な専門家が自分が一番正しいと思う方法論を語っています。そして人によっては考え方が180度違う場合もあります。無数に存在する様々な受験情報に右往左往せずに、自分が最も納得できた方法論を信じて受験勉強に励んでいきましょう。
	

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Sharetube