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恋愛/夫婦の感動する話 泣ける話 実話②

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恋愛/夫婦の感動する話 泣ける話 実話②

Author:
うぃぐうぃぐ
Posted date:
Update date:2017年05月31日
恋愛/夫婦の感動する話 泣ける話 実話②

愚かな俺に

俺には可愛い彼女がいた

性格は素直でスタイルも良かったが周囲からは
「えwあの女と付き合ってるのwwwお幸せにw」と
よく馬鹿にされた

彼女は頭が非常に弱かった

高校を中退し、通信制の学校を4年かけてやっと卒業

まともな職にもつけず派遣会社で毎日を繋ぐどうしようもない女

おまけに中学時代から周りの男に騙されては性欲処理に使われていた

友人の紹介で彼女と付き合い始めたのだが、これは、彼女が妊娠しても俺に責任を押し付けられるという算段があっての事だったらしい

付き合って1年は仲良く過ごしたがやはり彼女といるのが恥ずかしくなっていった

周りの目を気にしていたのは言うまでも無い

彼女は俺に甘えたり、俺の気を引こうとしていたがそれも逆にウザく感じるようになった

大学で良い結果が出せないことでイライラしていた俺は彼女に冷たくするようになった

ある日胃腸炎で寝込んだ俺の家に彼女が来る事になった

嫌な予感はしていたが全く予感は的中した

皿は割る、洗剤はこぼす、まだ乾いてない洗濯物をベッドに放り込む、お粥は煮えすぎて不味い

極めつけは、俺が大事にしていたエンタープライズ(戦艦)のプラモをぶっ壊したことだ

棚を掃除しようとして落っことしてしまったらしい

俺は完全にキレた

「もう、何やってんだよ!!死ね!帰れ!」と叫び彼女を突き飛ばした

彼女は泣きながら「ごめんね」とつぶやいて玄関に消えていった

それから一週間後、彼女は交通事故に遭った

連絡を受けて病室に入ると、医者が「ご家族の方ですか?」と言ってきた

俺は首を横に振った

「お友達?良かった、家族の方と連絡が取れなくて困ってたんです」

そう言って医者は彼女の酸素マスクを取って一言残して部屋を出て行った

「手を尽くしましたが今夜が最後です」

どれだけ時間が経っただろうか、深夜になり彼女が目を覚ました

崩れてゼリー状になった目から血が混じった涙がこぼれた

「ゆう君(←俺)・・・」

 彼女は俺の手を握った
もう、握るというほどの力も無かったが

 「・・ゆう君のこと考えてたら・・・私、信号見てなくて・・・」

彼女の息が荒くなった

「・・・・ゆう君の家、また行っていい?仲直り・・」

「いつでも来いよ・・元気になったら」

彼女はニコっと笑った

「・・・ゆう君・・」

「料理も掃除も教えてやる。でもその前に怪我治せ・・・おい!」

彼女は死んでいた

その後のことは良く覚えていない

医者と看護士が慌しく入ってきて死亡判断?のような事をやっているのを眺めていた

そして気がついたら彼女は棺桶に入っていた

のろのろと病院に来た家族の人たちは冷めた表情だった

葬式も告別式も身全てが事務的だった

悲しんでる人はいなかった

「ああめんどくさい」と愚痴るやつもいたと思う

後日、家族の人に頼まれて彼女の家を整理しに行った

古ぼけたアパートで部屋も狭かった

相当質素な生活をしていただろう
机に日記帳があったので開けてみると
下手な字で俺との出来事が書き込まれていた

日付は交通事故の前日で止まっていた
涙が止まらなかった

「ゆう君の大せつなエンターぷラいずをぷラモデルやさんでつくった
みせの人にてつだってもらったけどじょうずにできたかな
あしたはこれをもってゆう君のいえにゆこう
おかゆもそうじもれんしゅうしたから
ゆう君は、よろこんでほしいな」

今、彼女の墓は吉祥寺にある

もし願い事が一つ叶うなら、この愚かな俺に、

もう一度彼女を会わせて欲しい

出典:

	

彼の本心

私が彼と最初に出会ったのは会社の懇談会でした。

ふとしたことから一緒に遊ぶようになり、付き合いはじめました。

私はもともと打たれ弱い性格だったので、彼にグチってしまうことが多かったのです。

でも、彼はそんな私に嫌な顔一つせずに、優しい言葉をかけてくれたり、励ましてくれていました。

彼はグチ一つこぼさず、明るい人だったので、

「悩みがないなんていいねー。」

なんて言ってしまったりすることもありました。

彼との別れは突然訪れました。

彼が交通事故で亡くなったのです。

彼のお葬式に行っても、まったく実感が湧きませんでした。

お葬式の後、彼の両親から彼の携帯を渡されました。

携帯をいじっていると、送信されていない私宛のメールが たくさんあるのに気付きました。

そのメールには仕事のグチや悩みごとなどがたくさん書いてありました。

その瞬間、私は彼の辛さに気付かなかった自分のくやしさや、無神経な言葉を言った自分への後悔、常に私を気遣っていてくれた彼への感謝で涙が止まりませんでした。

あの日からもう1年以上になりますが、その携帯は大切にとってあります。

出典:

	

彼女のことを忘れることはない

元号が昭和から平成に変わろうとしてた頃の話です。

当時私は二十代半ば、彼女も同じ年でした。

付き合おうかどうかという時期に彼女から私に涙ながらに電話・・・

「結婚は出来ない体だから付き合えない・・・」

夜中でしたが気になるので彼女に会いにいきました。

そして彼女から

「一度乳癌の手術をしているから・・・片胸が無いの・・・私」

私「・・・でも、・・・それは僕にとっては結婚出来ないという条件ではないよ・・・」と、私も彼女が好きでしたし実際片腕片足が無くとも好きな人は好きになる性格でしたから。

そうこうしている内にお互いが一緒に住むようになりました。

が、幸せ気分も束の間で、彼女の肺に転移しているかも知れないという検査の連絡が入ってしまいました。

急遽入院で、後は検査の連続で(肺への内視鏡検査はつらかったそうです)二週間が過ぎた頃です。

見舞い時間が過ぎて帰りがけに彼女が
「左の足が少し引きずって歩いているみたい」
というので、
「症状を先生に話してみるね」
といって帰りました。

次の日、先生に報告すると、「・・・明日、頭を検査」と、・・・私は当時何もしらない馬鹿者でしたが「足」→「頭の検査」でびっくりしたのを忘れられません。

検査した夜、CTスキャンの結果を聞きに行かなくてはならなかったのですが、彼女には「大丈夫だよ、大した事無いって」といいながら震えながら病院の応接室に入って行きました。

先生は若い方で私達を真剣に励ましてくれる方でした。

その先生も現状が悔しかったらしく第一声が「どうしようも・・・」と、少し涙を浮かべながら話してくれました。

やはり脳内にも転移していたんですが
「癌細胞の成長が早くて周りの脳を圧迫しながら進んでいる、摘出したいが周りが柔らかくなっているので、今の医学では不可能なんだ・・・」
私はもうぼろぼろに泣いていましたが勇気を出して
「どれくらい持ちますか?」と、
聞きました。

入院はしているものの彼女はとても元気で見るだけでは病人とは思えなかったのですが、
先生いわく
「何もしなければ2ヶ月、延命処置を取れば半年だろう」
とおっしゃいました。

涙ながらにです。

私「治療しても半年??」

先生「治療とは言えない、延命処置だ・・」

その方法とは放射線治療の事で、激しい嘔吐や脱毛、目まいを伴うものです。

私は考えました。

考えましたがとてもその場では判断出来る物ではありません。

せめて余命2年とかであれば抜けた髪も生え揃うであろう。

でも、半年なんて。

次の日、先生に外泊許可を得て自宅に帰る二人が居ました。

その夜、彼女のほうから
「検査の結果、聞かせて・・・うそは無しで・・・」
と、言われ、私は言葉に詰りそうになりながらも彼女を信じ、正直にすべてを伝えました。
この瞬間が今までの人生で(未だに)辛かった時です。

言葉は省略させて頂きますが、二人ともぼろぼろに泣きながら、でも、特に彼女は強く理解して残された人生をどう生きるか、決断をしました。

「退院して、少しでも楽しもう!」

 翌々日、病院に帰り、先生に二人の考えを伝えたところ、「頑張れよ!負けるなよ!」と励ましていただき2日後に退院しました。

 

その後すぐに旅行社に行き、新婚旅行の手配と、「結婚しました」の葉書を作り、友人一同に送り、(彼女が病気だとは誰一人知らない)みんなで祝ってもらいました。

余命2ヶ月と言われながらも彼女は本当に頑張り、退院4ヶ月後の「花の博覧会」にも(車椅子生活になりはしましたが)行く事が出来、喜んでくれました。

しかし、病気は確実に進行し、まもなく自宅療養が不可能な状態になり、再入院、雨の降りしきるある晩に意識不明になり、翌朝私の腕枕の中で帰らぬ人となりました。

恥ずかしいながら、15年近くたった今、「彼女のすべての強さ」に、私は追いつくことが出来て居ません。

前置きが長すぎるんですが、二人同居を始めた頃に銀行の口座の暗証番号やらもろもろの番号を統一しようと、二人の誕生日をたした「○△◇■」を決めて生活していたんですが、

彼女が亡くなってしまって、暫らくした頃に、公的な機関への書類提出で、死亡診断書が必要になり、病院で2通取ったんです。

で、内1通がなぜか開封状態で手元に来たもので、見てしまったんです。

死亡原因、病名云々のなかに眼に留まった

死亡時刻、平成*年*月*日 ○△:◇■分・・・・・・・・

二人で決めた暗証番号が並んでいました。

きっと本当の偶然でしょうけれども、私は「忘れないでね!」と、彼女が言ってると今でも思っています。

勿論死ぬまで忘れる事は無いでしょう。

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返信できないメール

あの日俺は彼女と些細な事でケンカをしていた。
険悪なまま彼女は車で仕事へ行った。俺は友達に会って彼女の愚痴を言いまくってた。

そして彼女の仕事が終わる頃にメールを送った。
相変わらず内容は、あーでもない、こーでもないとくだらないやりとりだった。

そのうち彼女から返信が来なくなったけど、ケンカ中だったし何にも気にも止めなかった。

1時間くらい経って彼女の携帯から電話がかかってきたんだ。
俺はわざとめんどくさそうに出た
「はい。」
そしたら受話器の向こうからは、彼女じゃなくて別の女の人の声で

「あんたのせいだ!!」

「あんたが殺した!」

とか、凄い勢いで怒鳴っていた。
俺が訳もわからず戸惑っていると、今度は落ち着いた男の人に代わった。

彼女は、車で電柱に正面から突っ込んで、死んだ。

「おそらく運転中のメールが原因の不注意による事故でしょう」

電話の向こうで、たぶん警官だと思われる落ち着いた男の人の声でそれを聞かされた。

放心したまま電話を切ると、俺の携帯が1件のメールを受信しました。
それは事故直前の彼女からのメールでした。

「なんか意地はっちゃってごめんね。」

俺は彼女のご両親からひどく避けられ、お葬式にも顔を出させてもらえなかった。
まだ彼女に…

「俺の方こそごめん」

って、返信出来てないんだ。
言いたかった。
ごめんって言いたかった。
そしてホントなら、今もずっと一緒にいたかった…。

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届かぬ怒り

昨日、恋人が死んじゃったんです。病気で。
 
そしたらなんか通夜が終わって病院に置いて来た荷物とか改めて取りに行ったら
その荷物の中に俺宛に手紙が入ってたんです。
 
で、よく見たらなんか「わたしの人生は普通の人よりも短かった、だけど〇〇君と一緒に
過ごせたことで普通の人よりもずっと幸せな日々を送れた」、とか書いてあるんです。 もうね、アホかと。馬鹿かと。
 
お前な、そんなこといまさら言ってんじゃねーよ、ボケが。死んだ後だよ、もうお前いねぇんだよ。
なんか最後の方はろくに起き上がれもしなかったくせに。弱々しい字で必死で書いてたのか。おめでてーな。
よーし〇〇君のことずっと見守ってるぞー、とか書いてるの。もう見てらんない。
 
お前な、俺だってまだ言いたいこと沢山あったんだから生き返ってこいと。
愛の言葉ってのはな、もっと生きてるうちに伝えるべきなんだよ。
 
初めて出会った頃みたいにドギマギして恥ずかしさの余りいつ心臓が破裂してもおかしくない、言おうか言わざるべきか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。今になってこんな事言い出すやつは、すっこんでろ。
 
で、やっと涙堪えながら読み終わったと思ったら、最後の方に、「わたしの事は忘れて他の人と幸せになって欲しい」、とか書いてあるんです。 そこでまたぶち切れですよ。
 
あのな、俺はお前がホントに死んだなんて信じらんねーんだよ。ボケが。 得意げな顔して何が、見守ってる、だ。
お前は本当にこの世にいないのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
 
お前、これは全部タチの悪い夢でホントはどっかで生きてるんちゃうんかと。
独り残された俺から言わせてもらえば今、お前に対してできる供養はやっぱり、 お前の事を忘れないこと、これだね。
たとえジジイになってボケたとしても。これが俺の生き方。
 
お前との思い出ってのは俺には辛すぎる。そん代わり忘れない。これ。 で、それにお前の事をずっと想い続ける。これ最強。
しかしこれを貫くと次から恋人が2度と出来ないかもしれないという危険も伴う、諸刃の剣。 軟弱者にはお薦め出来ない。
まあお前みたいな寂しがりやは、俺がいつかそっちに行くまで待ってなさいってこった。

出典:

	

プロポーズ

130 :名無し職人 :04/08/02 16:53
彼女にプロポーズしようと思うんだが報告いるか?
 
 
138 :名無し職人 :04/08/03 07:54
プロポーズ成功したら報告してくれ。
失敗しても出来れば結果だけでもいいから報告して欲しい。
でも精神的にそれどこじゃなかったらホント何にもしなくていいからな、ホントに。
なんか口調が偉そうになってしまったがまあ、気にしないでくれ。
 
 
155 :130 :04/08/03 21:48
ダメだた。
なんか言葉出てこない。
彼女とラストサムライ見ただけで終わった。
今彼女後ろで寝てる。
俺ももう寝るぽ。
明日こそがばる。
 
 
161 :名無し職人 :04/08/03 23:22
>>155
ガンバレ!
彼女と話してるとき、何気なく考えてみろよ。
なんで、彼女と結婚したいかってYO。
手前勝手な考えなら、やめとけ。
でも、そうでないなら、そのままを正直に話せばいいんじゃないか?
最後に、ストレートにケコーンしようって、くっつけてればよし。
かっこいい、プロポーズなんて、ドラマだけさw
 
 
604 :いくぢなし130 :04/08/22 18:06
色々あって報告が遅れたことにまずスマソ。
文章苦手なんでガイドラインに頼らせて貰った。
がんばれと言ってくれた人アリガトウ。
ウザがった人、これで最後だから勘弁してくれ。
それでは最終報告。
 
ヤバイ。
プロポーズヤバイ。
まじでヤバイよ、マジヤバイ。
何より言い出す前から過呼吸気味の俺ヤバイ。
 
彼女「大丈夫?」
 
とか心配してくれてる。スマンこんな時まで・・・。
まず緊張。
もう緊張なんてもんじゃない。
超緊張。
心臓64ビートぐらいで高鳴ってる。
ホント死ぬかも。
緊張とかっても
 
「彼女に初告白したとき」
 
とか、もう、そういうレベル超えた。
アレより緊張するコトなんて俺の人生に無いと高くくってた。
甘かった。
何しろ
 
「結婚してくれ。」
 
って言う。
同棲5年以上経ってようやく。
5年ありゃ赤子も喋って走り回るようになってる。
 
で、言った。
意を決して。
ガチガチに緊張して。
彼女の正面に座って。
目を見据えて。
出来るだけ思いこめて。
 
『俺と結婚してくれ。』
 
これ以上セリフ長いと噛む恐れがあった。
それは避けたかった。
だからシンプルに、でも思いはありったけ込めて言った。
彼女ビックリしてた。
目がまん丸だった。
余裕で円周率計れちゃうくらい。
でもすぐにブスくれた顔になった。
 
で、彼女の返事は
 
「やだ。」
 
以上。
それっきり。
おまけにそっぽ向いてTV見始める始末。
ちょっと待て。
断られる理由は山のように思い当たるが、ひらがな2文字で済ませるヤツがあるか。
話のわからんヤツだ。
 
けどそっからヤバイ。
彼女泣いてる。
泣きまくり。
TV見るふりして俺から顔背けて泣いてる。
しかも尋常じゃない泣き方。
ヤバすぎ。
 
でも俺なんにもできない。
状況が理解不能で固まってるしかできない。
我ながら不甲斐ない。
一頻り泣いたら彼女トンデモない事言い出す。
 
「私、赤ちゃん産めない。」
 
このセリフ聞いて何が出来るか?
テレビドラマの主役なら格好いいこと言えるかもしれない。
でも俺には無理だった。
だって俺はブラウン管の外に生きてる人だから。
「は」と「へ」の中間みたいな
 
「へぁ?」
 
って声しか出てこない。
たぶんスゲェアホ面だった。
 
未だ固まってる俺に彼女が語る。
昔、子宮の病気したこと。
手術で命は無事だったけど子供産めなくなったこと。
辛かったその後のこと。
毎日泣いて過ごしたこと。
俺に出会ったこと。
俺に事実を知られるのが怖かったこと。
隠し続けるのが辛かったこと。
 
彼女のお腹に手術跡があるのは知ってた。
胃潰瘍の手術だって言葉を馬鹿正直に信じてた。
 
「おまえにストレスなんてあんのかよ?」
 
なんて軽口言っちゃってた。
ヤバイ俺超最低だ。
俺がプロポーズでモンモンしてた以上に、彼女は長い間、心に悲しみを隠してた。
ヤバイそんなの。
俺は5年どころか5分だって耐えられない。
 
でも彼女はそんなこと全然表に出さなかった。
笑ったり怒ったり寝てたり普通に暮らしてるように見えた。
凄い。
ヤバイ。
実はこの時点でまだ俺は固まってる。
というか正座して聞いてた。
喋ってるの彼女ばっかり。
俺なんの言葉もかけてない。
ヤバイ。
最低。
そんな俺を今度は彼女が泣きはらした目で見据える。
 
「こんな私でも結婚したい?」
 
物凄い怖い目だった。
とっても悲しい目だった。
俺は何も言えなかった。
まったく不甲斐ない声帯だ。
こんな時まで言葉が出ない。
だから力一杯、激しく、プロポーズの言葉以上に思いを込めて首を振った。
縦に、上下に、 この勢いで石油掘ったら日本の燃料事情解消できるんじゃないかってくらい思いっきりブンブン振った。
端から見るとバカみたいだが不甲斐なくて情けなくて意気地なしな俺には、こんな返事しかできなかった。
 
そんな俺に抱きついて泣いてる彼女スゴイ。
そんな彼女に
 
「一緒に頑張ろう。」
 
とか芸の無いこと言ってる俺ヤバイ。
超がんばろう。
今日から重荷は二人で分けあえるから超がんばろう。
おまえを泣かせるのは今日で最後にするって誓うから。

出典:

	

僕の手を握り返してきた

今から6年前の話です。
僕がまだ10代で、あまり携帯電話は普及してなくてポケベル全盛期の時代のことです。
 
僕はその頃高校を出て働いていたんですけど2つ年上の女性と付き合っていました。
お互いの親にも会ったりして僕は結婚する事を信じて疑いませんでした。
 
毎朝ポケベルに「オハヨウ」とか「ガンバッテネ」みたいなメッセージのやりとりをしていたのですが、ある日僕がメッセージを送るのがめんどくさくて送らない日があって、彼女からもメッセージは送られてきませんでした。
ちょうどその日は給料日で僕は今日は彼女にメシでもおごろうとどこに行こうか考えていました。
仕事が1段落つき、昼休みに入り食事に行こうとした時に僕宛の電話がなりました。
その電話は彼女の交通事故を告げる電話でした。 

僕はその電話を置いた後、しばらく何のことかわからなかったんですが、「今意識不明だ」という言葉に体中汗ばんだのを覚えています。
すぐに無理やり会社を早退し彼女が運ばれた病院へ向かいました。
電車の中で「実はたいした事ないんちゃうかな?」とか自分に都合のいい方にしか考えたくなかったんですが、「もしかしたら・・」って考えると周りに人がいるのにボロボロと涙が出てきて、すごくさみしい気持ちが溢れてきました。
 
僕が病院に着く頃には、意識が戻っている事を祈りながら病院まで走っていきました。
彼女の家族に出会い、容態を聞いてみると彼女は集中治療室に入っている、という事を聞いて事態の深刻さを悟りました。
外傷はほとんどなく、脳にショックを受けたらしくまだ意識は戻っていませんでした。
僕はとりあえず会社に彼女の意識が戻るまで休む事を電話で伝えて病室の前で、意識が戻るのを待つ事にしました。
 
その日は病院のソファーで、ほとんど眠れずに夜を明かしました。
目の前のストーブで背中は寒かったのに顔だけがすごく火照っていました。
結局その日は意識が戻る事なく次の日の朝1番で着替えなどを家にとりに帰りました。
 
病院に帰ってみると明日手術ができるかどうかがわかるだろうという、医者からの話があったそうです。
そして5分だけ面会時間がもらえるとの事で、僕は会いたいような会いたくないような、複雑な気持ちでしたが、給食当番の時の様な服を着て彼女に会いに部屋にはいりました。
部屋の中は訳のわからない機械がいっぱいでその中のベッドの一つに彼女が寝ていました。
まるで眠っているだけの様な顔で名前を呼べば今すぐにでも起き上がってきそうでした。
手を握ると腕のあたりに、点滴などの管が何本も刺されていて容態の悪さを物語っているようでした。
それと唇が妙にカラカラになっているのが気になりました。
5分間をいうのは短いもので、何か話しかけようとしたのですが、なんとなく周りの目が恥ずかしくて言葉らしい言葉をかけれませんでした。 

その日は少し気分も落ち着いて
なぜか「絶対大丈夫!」という根拠のない自信でいっぱいでした。
それからは彼女の意識が戻ってからの事ばかり考えるようになり、頭の手術するんやったら髪の毛剃らなあかんから、帽子がいるし買いに行こう! と看病の事を考えて買い物に行く事にしました。
この時僕は目を覚ました彼女を喜ばせる事だけを考えていました。
さっそく帽子を探しに行き、キャップは似合わんし、ニット帽だとチクチクするからという事で、綿で出来た帽子を探して買いました。
買い物が済んで、帰ろうとした時に街中を歩く女の子を見てると、なんか自分が現実から少しズレた場所にいるような気がして妙な不安を感じました。
その不安からか、彼女の意識が戻ったら正式にプロポーズしようと安物ですが指輪まで買って帰りました。

その日も結局容態に変化はなく過ぎていきました。 


次の日のお昼前、彼女の父親だけが医者に呼ばれて病状の説明を受けるとの事だったのですが、無理を言って僕も同席させてもらいました。
どうしても自分の耳で医者から聞きたかったんです。多分あれほど緊張した事は今までになかったと思います。
医者の部屋に入って、医者の顔色を見てみるとどっちともとれない無表情な顔をしていました。
医者が口を開いて、簡単な挨拶が終った後喋り出したのですが、病状はよくなるどころか病院に運ばれた時点で すでに手遅れでした。
僕はこれを聞いて頭がグラグラして椅子から落ちないようにする事しか考えれませんでした。
どうやら今治療をしている様に見えるのは、家族に心の準備をさせる為に無理やり心臓を動かして、体だけ生かして少しずつ悪い方向へ持っていくというものでした。
僕は部屋を出て彼女の父親に、家族にはまだ言わないで欲しいと言われ
泣き出しそうなのをこらえて、母親に話かけられても「用事が出来た」とだけ言い残して、誰もいない場所まで走りました。
街中であれだけ涙を流して大声で泣いたのは初めてでした。 


それからちょうど涙が枯れた頃、病院へ戻りできるだけ普通に振舞いました。
その夜、彼女の父親と銭湯へ出かけました。
二人ともほとんど無言で風呂に入り、話す事といっても関係ないどうしようもない会話ばかりでした。
僕は彼女の父親にはどうしても聞いておきたい事がありました。
僕が彼女と結婚するって言ったら許してくれるかどうかでした。
今考えると絶対に聞くべきではない時に聞いたような気がします。
病院に戻る前に父親を呼び止めて
ストレートには聞けなかったのですが、買ってきた指輪を彼女の指につけてもいいか?と聞きました。
彼は黙ってうなずくだけでした。
その夜は眠る事ができなくて、家族と顔をあわせると泣いてしまいそうで外で一人で過ごしました。
次の日また5分だけ面会できるということだったので、もう1度彼女の顔を見に行きました。
彼女の顔は相変わらず眠っているようで もう目を覚まさない事がウソのようでした。
僕は彼女の左手にこっそりと指輪とつけました。
もう何の意味もないのはわかっていましたが、少しでも彼女に近づきたいという気持ちでいっぱいでした。
みんなが部屋を出た後僕は忘れ物をしたそぶりをして
ベッドの側に戻り、彼女のカラカラの唇にキスをしました。 


それからしばらく経ち、彼女は一般病棟の個室に移ることになりました。
医者が言うにはもう長くないので少しでも家族が長く一緒に入れるようにとの配慮だそうです。
僕は1日のほとんどをその部屋ですごすようになりました。
何もする事もなかったのですが、話かけると声が届いてるような気がして
耳元で歌を歌ったり、話し掛けたりしていました。
そして夜が明けて昼すぎになると、医者と看護婦が入ってきて
みんなを呼んでくださいみたいになって、みんなが見守る中、心拍数を表示しているピッピッってなる機械に異変が見られるようになりました。
最後まで僕に片方の手を握らせてくれた彼女の家族に感謝しています。
それから1時間ほど経った後、そのまま静かに心臓が停止しました。
僕も含め部屋にいる人みんなの泣き声だけが聞こえてきて、覚悟はしていたものの、本当にこうなった事が信じられなかったのですが、医者の何時何分とかっていう声に現実に引き戻されました。
そして部屋にいる全員が驚く事が起こりました。
僕が握っていた彼女の手がものすごい力で
僕の手を握り返してきたのです。
僕は本当に驚いて多分変な声を出していたと思います。
しばらくして彼女の手からスーっと力が抜けていきました。
僕は涙はふっとんで、全員にその事を伝えました。
すると彼女の母親が
「きっと一生懸命看病してくれたからありがとうって言ってるんやで」
って言ってくれました。
冷静に考えると死後硬直だったのでしょうけども、その彼女の母親の一言で僕は今まで道を間違わずにこれたと思います。
 
年上だった彼女は今では僕の方が年上です。

出典:

	

遠くから

どうして私がいつもダイエットしてる時に(・∀・)ニヤニヤと見つめやがりますか(゚Д゚)ゴルァ!
どうして私が悪いのにケンカになると先に謝りますか(゚Д゚)ゴルァ!
どうしてお小遣減らしたのに文句一つ言いませんか(゚Д゚)ゴルァ!
 
どうして交代でやる約束した洗濯をし忘れたのに怒りませんか(゚Д゚)ゴルァ!
どうして子供が出来ないのは私のせいなのに謝りますか(゚Д゚)ゴルァ!
どうして自分が体調悪い時は大丈夫だと私を突き放して私が倒れると会社休んでまで看病しますか(゚Д゚)ゴルァ!
 
どうして妻の私に心配掛けたくなかったからと病気の事を隠しますか(゚Д゚)ゴルァ!
おまけにもって半年とはどう言う事ですか(゚Д゚)ゴルァ!
長期出張だと嘘言って知らない間に手術受けて助からないとはどう言う事ですか(゚Д゚)ゴルァ!
 
病院で俺の事は忘れていい男見つけろとはどう言う事ですか(゚Д゚)ゴルァ!
こっちの気持ちは無視ですか(゚Д゚)ゴルァ!
正直、あんた以上のお人よしで優しい男なんか居ませんよ(゚Д゚)ゴルァ!
それと私みたいな女嫁にすんのはあんた位ですよ(゚Д゚)ゴルァ!
 
もう一つ言い忘れてましたが私、お腹に赤ちゃん出来たんですよ(゚Д゚)ゴルァ!
あんたの子供なのに何で生きられないのですか(゚Д゚)ゴルァ!
そんな状態じゃ言い出せ無いじゃないですか(゚Д゚)ゴルァ!
それでも言わない訳にはいかないから思い切って言ったら大喜びで私を抱きしめますか(゚Д゚)ゴルァ!
 
生まれる頃にはあんたはこの世にいないんですよ(゚Д゚)ゴルァ!
元気な子だといいなぁってあんた自分の事は蔑ろですか(゚Д゚)ゴルァ!
病院で周りの患者さんや看護婦さんに何自慢してやがりますか(゚Д゚)ゴルァ!
病気で苦しいはずなのに何で姓名判断の本で名前を考えてやがりますか(゚Д゚)ゴルァ!
 
どうして側に居てあげたいのに一人の身体じゃ無いんだからと家に帰そうとしますか(゚Д゚)ゴルァ!
どうしていつも自分の事は二の次何ですか(゚Д゚)ゴルァ!
医者からいよいよダメだと言われ泣いてる私に大丈夫だよとバレバレの慰めを言いますか(゚Д゚)ゴルァ!
 
こっちはあんたとこれからも生きて行きたいんですよ(゚Д゚)ゴルァ!
それがもうすぐ終わってしまうんですよ(゚Д゚)ゴルァ!
バカやって泣きそうな私を包んでくれるあんたが居なくなるんですよ(゚Д゚)ゴルァ!
忘れろと言われても忘れられる訳ないでしょ(゚Д゚)ゴルァ!
 
死ぬ一週間前に俺みたいな奴と一緒になってくれてありがとなですか、そうですか(゚Д゚)ゴルァ!
こっちがお礼を言わないといけないのに何も言えず泣いちまったじゃないですか(゚Д゚)ゴルァ!
あんなに苦しそうだったのに最後は私の手を握りしめて逝きやがりましたね(゚Д゚)ゴルァ!
何で死に顔まで微笑みやがりますか(゚Д゚)ゴルァ!(゚Д゚)ゴルァ!(゚Д゚)ゴルァ!
 
そんなのは良いから起きて下さい(゚Д゚)ゴルァ!
生まれてくる子供を抱いて下さい(゚Д゚)ゴルァ!
子供に微笑みかけて下さい(゚Д゚)ゴルァ!
たのむから神様何とかして下さい(゚Д゚)ゴルァ!
ダメ女な私にこの先一人で子供を育てろと言いやがりますか(゚Д゚)ゴルァ!
 
そんなあんたが死んで5ヶ月…
子供が生まれましたよ(゚Д゚)ゴルァ!
元気な女の子ですよ(゚Д゚)ゴルァ!
 
目元はあんたにそっくりですよ(゚Д゚)ゴルァ!
どこかで見てますか(゚Д゚)ゴルァ!
私はこの子と何とか生きてますよ(゚Д゚)ゴルァ!
 
あんたも遠くから見守って居てください。

出典:

	

自分のことばっかり考えてた

2年付き合った彼に振られました。
それはもう、彼が言ったとは思えないほどのひどい言葉で。
どんなにまだ好きだと言っても復縁はかなわず、音信不通になってしまいました。
 
そんな彼の友達から、彼が亡くなったことを聞き、彼が書いた日記をもらいました。
 
『入院二日目、昨日は周りのモンがめずらしくて初体験ばっかだったけど、今日からヒマなんだよな~。こうやって日記つけてみたわけだけど、オレのことだから続かんだろなぁ。N(私のことです)は今頃元気にしてるかなぁ。最後傷つけちゃったけど、新しい男でも見つけてくれんかなぁ。』
 
最初、私は彼が病気をしていたことも、入院していたことも知らず夢中で日記を読んでいました。
日記には彼の私への想いがたくさん書いてありました。
 
『今日テレビでディズニーランドの特集やってた。Nと行ったことを思い出した。あいつ買い物大好きだったから、あの時は疲れていい加減にしろとか思ってた。でも帰りにこっそり買っといてくれたミッキーはうれしかった。今枕元にあるわけだけど、友達なんかにからかわれるから皆が来るときだけは隠してる。別れちゃったしなぁ・・・好きなんだよなぁ。』
 
『夢にNが出てきた。半年会ってないよなぁ。別にたいした夢じゃないけど喋った。それだけで幸せだなぁ。なんで目、覚めちゃったんだろ。今ごろ誰と喋ってんだろ。宇多田の歌みたいだ。』
 
それは日記では無く、私のことばかり書いてありました。
 
『やっぱりNが好きだぁぁぁ忘れられねぇぇぇぇぇ。日常の一つ一つにNが出てくるんだよう。ばかやろぉぉぉぉぉぉ。』

そして、次のページが最後でした。
 
『オレはもうすぐ死ぬらしい。医者ははっきりとは言わんけど、わかるモンだなぁ。思えば治らない病気(病名は伏せ)だって聞いてからもう1年だ。結構長く生きた方だし、充分な人生だったんじゃねぇ?って思おうとしたけどやっぱりダメ。もっと生きたい。Nともっと一緒にいたかった。入院してる間、振ったことを、あんなひどい言葉を言ってしまったことをずっと後悔してきた。でも、完治なんて可能性が無い。Nはキレイだし性格いいんだからすぐ次に男ができる。オレのために人生棒に ふらせるわけにはいかん・・・って何回も納得したはずなのに。Nと喋りたい。今から電話したい、会いたい。まだ死にたくない。まだフォアグラ食べてないし、USJ行ってない。大学卒業したかったし、母さんに親孝行もしたかった。ベタでも父さんと酒飲みたかった。Nをもっと抱きたい。結婚して子ども欲しかった。おじいちゃんおばあちゃんになっても手とつなぐような夫婦になりたかった。Nにあいたい。でももう叶わない。
後悔してばっかりだった。
死ぬときは笑っていきたいけど、本音は辛すぎる。
N、やっぱりまだまだ愛してる。
オレのこと忘れて幸せになれよ。』
 
涙が止まりませんでした。
彼は私のことを常に考えてくれて、でも私は彼の体のことなんてまったく気付かずに自分のことばっかり考えていました。
何で死んじゃったんだろう。
私には彼しかいないのに。
 
友達はこの日記を病院のゴミ箱で見つけたそうです。
私に見つからないようにだと思います。
私のことをここまで想ってくれる人はもういません。
お葬式には行けませんでした。
 
明日は彼の一周忌です。
最初は自暴自棄な私でしたが、彼の遺志を尊重するために幸せになろうと思います。

出典:

	

一緒にいたら大変だよ?

五年前のある日、ある病院から火災発生の通報を受けた。
湿度が低い日だったせいか現場に着いてみると既に燃え広がっていた。
救助のため中に入ると一階はまだ何とか形を保っていたので、そこを同僚に任せて先輩と二人で階段を上った。
 
二階は見渡す限り火の海になっており、煙が廊下を覆っていた。
先輩は西病棟を、俺は東病棟の病室を回り要救助者を探した。
出火場所は二階のようでフラッシュオーバーの可能性も考えられたので時間との戦いだった。
 
東病棟を回っていくと一番奥の病室にだけ女性が一人いた。
声をかけたが気を失っていて反応がなく危険な状態だったため、急いで抱きかかえて救助した。
 
数日後、俺は不意にあの女性がどうしているのかが気になり、病院に連絡をとってお見舞いに行くことにした。
看護師に連れられて病室へ行くと彼女はベッドの上で会釈した。
改めて会ってみるととても可愛らしい人だった。
 
「お体は大丈夫ですか?」
 
と聞いたが彼女は首を傾げるだけだった。
 
看護師が少し困ったような顔をしながら紙に何かを書いて渡すと彼女は笑顔になって、
 
「ありがとうございました。大丈夫です!」
 
と書いて俺に見せた。
彼女はろうあ者だった。
 
しばらく二人きりで筆談し、趣味のことや小さいころのことなど色々なことを話した。
耳が聞こえないということを感じさせないくらい前向きな人で本当に楽しいひと時を過ごすことができた。
彼女は
 
「もしよかったらまた来てくださいますか?」
と少し心配そうに聞いてきたので
 
「では、またお邪魔します。」
と答えて病室を後にした。
 
彼女と話すために手話を勉強し始めたり、好物のお菓子を持っていったり・・・。
そんな関係が続いて二ヶ月ほど経った非番の日。
俺はやっとどうしようもなく彼女に惹かれていることに気づいた。
彼女のことを考えない時がない。
俺はこの気持ちを告白することを決意した。
 
彼女の病室の前まで来たのだが、いざ取っ手に手をかけると緊張のあまり、手が震えた。
一度、深呼吸をして気持ちを落ち着けてから引き戸を引いた。
 
その日は冬にしてはよく晴れて暖かい日であり、やわらかい日差しが窓から差し込んでいたのをよく覚えている。
彼女はその光に包まれながら読書をしていた。
いつもの童顔で可愛らしい雰囲気とは違い、どこか大人っぽい感じがして思わず見蕩れた。
俺が来たことに気づいた彼女はいつものようにニッコリ笑って本を閉じ、それからはいつもと変わらない時間を過ごした。
その中で
 
「大事な話があるんだけど聞いてくれるかな?」
 
と切り出した。
彼女が頷いたので思いの丈を紙に書いて渡した。
彼女はそれを見て不安そうな顔をし、何かを書き付けて寄こした。
紙には
 
「私、耳聞こえないんだよ?一緒にいたら大変だよ?」
 
と書いてあった。
すごく寂しそうな顔をしていた。
返事を一生懸命に考えてはみたが、残念ながら気の利いた言葉を言えるような素敵な男ではないので思っていることをそのまま書いた。
 
「ただ傍にいたい。いつだって力になりたい。そんな理由じゃダメかな?」
 
ダメ元だった。
それを見て彼女は泣き出し、震える手で
 
「ありがとう。おねがいします。」
 
と書いた。
 
つきあっていく内に茄子と稲光が苦手だとか、実は甘えん坊で頭を撫でられたり抱きしめられるのが好きだとか、知らなかったたくさんの面を知ることができた。
 
つきあい始めてちょうど二年が経った日にプロポーズした。
相変わらず飾り気のない言葉だったが、嫁は顔を赤らめて少しだけ頷いてくれた。
ご両親には既に結婚を承諾してもらっていたが、一応の報告と式のために二人の故郷、能代へと帰省した。
 
もうじき結婚生活三年目だけど、感謝の気持ちを忘れたことはないよ。
どんな時でも笑顔で送り出してくれる嫁がこうして傍にいてくれるからこそ、死と隣り合わせの火災現場でも俺は頑張れるんだから。
 
今からちょっと抱きしめてくる。

出典:

	
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著者プロフィール
うぃぐ

釣りと食べ歩きが趣味の会社員(♂)です。前職はライターをしてました。