<・・・忘れた戦中戦後を見つめるのは今!> この国で確かにあったこと:2014年夏 最近、兵士の夢を見る−−水木しげるさん(2014年8月13日掲載) - 毎日新聞
「最近、戦争の夢を見る夜が増えた」という。鬼太郎ブームを巻き起こした日本を代表する漫画家、水木しげるさん(92)が見る夢の中で、亡き戦友たちが無言で目の前を通り過ぎる。水木さんの右手は空をつかむようにして戦友を呼び止める。だが「『おーい!』と声をかけても誰も振り向いてくれない」
この国で確かにあったこと:2014年夏 最近、兵士の夢を見る−−水木しげるさん(2014年8月13日掲載) - 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20151130/mog/00m/040/004000c
命懸けで合流した部隊で「死ね!」こみあげた怒り−−水木しげるさん(92) 「最近、戦争の夢を見る夜が増えた」という。鬼太郎ブームを巻き起こした日本を代表する漫画家、水木しげるさん(92)が見る夢の中で、亡き戦友たちが無言で目の前を通り過ぎる。水木さんの右手は空をつかむようにして戦友を呼び止める。だが「『おーい!』と声をかけても誰も振り向いてくれない」。
命懸けで合流した部隊で「死ね!」こみあげた怒り−−水木しげるさん(92)
東京都調布市の水木さんの事務所。鬼太郎や妖怪たちのフィギュアやお面が見守る。太平洋戦争中、激戦地、ラバウル(現パプアニューギニア・ニューブリテン島北東部)にいた。目の前の机に置いたのは、戦記漫画「総員玉砕せよ!」の初版本。「90%は戦地で自分が見聞きしたこと」という。召集令状が届いたのは1943年春、21歳の時だった。古い船に乗せられラバウルに着いたのは秋。ラバウルはガダルカナル島などへの中継地点で、連合国軍の空爆の標的になった。すでに戦局は悪化し、水木さんの船はラバウルに到着した最後の船だった。
戦場は常識が通用しない世界だった。「上官から毎日50発ぐらいビンタされていました。水木さん(自分のことをこう呼ぶ)は、一秒でも長く寝ていたいから起床が一番遅い。だから朝から『ビビビビビン!』とビンタされる。銃の手入れが悪いと指摘されたり、軍の規則に少しでも外れる行動をしたりすれば、これまたビンタなのです」。兵隊は消耗品と位置付けられ、初年兵と畳はたたくほどよくなると言われていた。
「戦時中、特に前線では人間扱いされることなんてあり得ないことでした。人間なのか動物なのか分からないほど、めちゃくちゃだった」
分隊で、間もなく夜明けという頃に海岸線の歩哨に立った。望遠鏡でオウムを観察していて時間に遅れそうになり、慌てて隊に戻る途中、分隊は森側から敵襲を受け、全滅。水木さんは海に飛び込み、現地住民に襲われたり密林の中をさまよったりしながら本隊と合流を試みた。重い銃や弾は捨て、5日ほどの逃避行。「時間の感覚がまったくなかった。あるのは『生きて日本に帰りたい』という気持ちだけだった」と振り返る。
死線を乗り越えて部隊に合流すると思いがけない言葉が返ってきた。小隊長は「天皇陛下からもらった銃をなぜ捨てて帰った!」と怒鳴った。中隊長は「なんで逃げて帰ってきたんだ。みんなが死んだんだからお前も死ね!」と。
水木さんはこの時の心境について一言だけ述べた。「兵隊が逃げていたら戦争なんかできないから、生きて帰ったと叱られたわけですよ。だけどね、命からがら逃げてきて『死ね』と言われてもできるわけないですよ」
出典:この国で確かにあったこと:2014年夏 最近、兵士の夢を見る−−水木しげるさん(2014年8月13日掲載) - 毎日新聞
中隊長も軍隊も理解できなくなった。同時にはげしい怒りがこみ上げてくるのを、どうすることもできなかった
「生きて虜囚の辱めを受けず」という戦陣訓が、戦場にいた人の心を狂わせた。水木さんは口調に力を込めた。「体面を重んじたり、部下を忘れて美しく死のうとしたりする上官が多かった。玉砕という言葉が、生きたいと願う兵隊一人一人の人生に絡みついて離れない感じだった」。水木さんの直属の上官、27歳の大隊長は、皇国史観の下で「忠臣の鑑(かがみ)」とされた楠木正成に心酔していた。のちに戦況不利と判断すると玉砕を決行している。爆弾で手足をもぎ取られたり、腹を撃たれたりしてうめく兵士。戦場では死は常に隣にあり、命は軽すぎた。作品では仲間の死に兵隊が涙を流すシーンがあるが、「水木さんは戦場ではあまり悲しんでなんかいられなかった。なんていっても誰かに次の死がやって来ましたから……」。水木さんがソファから背中を浮かすとシャツの左袖がひらりとした。そう、この人は命こそ助かったが、左腕を失った。
マラリアで40度以上の高熱が出て兵舎でふせっていた時、空襲による爆発で左腕を負傷した。「バケツ1杯分の出血があった」(水木さん)。治らないと判断した軍医がナイフで腕を切断。傷口にウジ虫がわき、腕は顔よりも大きく腫れ上がった。マラリアもひどくなり、状態は悪化。「周りは『死ぬだろう』と言っていました」。実際、埋葬用の穴が掘られていた。
持ち前の体力でなんとか持ち直し、野戦病院に運ばれた。現地住民との交流で食べ物を得たことなどで回復。復員は46年、24歳の時だった。
戦時中にニューブリテン島にいた旧日本軍は約10万人。厚生労働省によると、戦没者は約1万3700人に上る。
ふと気がつくと、水木さんが「総員玉砕せよ!」のラストシーンをじっと見つめていた。兵士たちが玉砕する前に好きな歌をうたう場面だ。命の最後に選択したのは女郎の歌だった。<私は〜 な〜あんで このよう〜な つら〜いつとめ〜をせ〜にゃなあらぬ>。突撃。体を吹き飛ばされる兵士、誰にもみとられなかった死体の山、そして白骨の山で作品は終わる。
「日本に戻ってからは『かわいそう』という言葉は使わなかった。この言葉は戦場で命を落とした兵士のためにあるのですから」。残った右手がページの上をなでるように動いた。「これを描いている時はアイデアを考えたりしなくても、何も意識しないで右手が勝手に動いた。あの島で死んでいった兵士がね、描かせたんだね」
再び戦争ができる国を目指しているかのような安倍政権。現状を戦友にどう伝えるのだろうか。答えはなかったが、「平和を維持するには」と尋ねると、こう返ってきた。
「水木さんは国のことはあまり考えません。それよりも自分の生か死−−。この二つを戦場では強烈に突き付けられていました。誰が何と言おうと『自分は生きたい』と思うことが大事なのです」
ひょうひょうとした口調。「平和が大切!」と声高に叫んだりはしないし、国を批判するわけでもない。それでも「戦争は嫌だ」との気持ちが伝わってくる。
暑い。涼を求めて東京都内の大手書店に足を踏み入れると、特攻隊をテーマにした「永遠の0」が平積みされていた。一方、水木さんが「自身の著作の中で一番好きな作品」という「総員玉砕せよ!」(講談社文庫)は棚に静かに置かれていた。戦後日本が変わりつつある今、政治家、そして若者に「死んでいった兵士たちが描かせた本」を手にしてほしいと切に願う。【瀬尾忠義】
出典:この国で確かにあったこと:2014年夏 最近、兵士の夢を見る−−水木しげるさん(2014年8月13日掲載) - 毎日新聞
【入荷情報】水木しげる/大空戦。改めて「戦争を知る人の描く戦記マンガ」の面白さ・貴重さを思います。負けたから悲惨・勝ったから嬉しい、そういう単純なものだけでない、苦み走る人間の戦場。http://subbacultcha.shop-pro.jp/?pid=106077047 pic.twitter.com/vRwie7nELH
『漫画は戦争を忘れない』https://www.amazon.co.jp/%E6%BC%AB%E7%94%BB%E3%81%AF%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%82%92%E5%BF%98%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84-%E7%9F%B3%E5%AD%90-%E9%A0%86/dp/4406059547/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1471260572&sr=1-1&keywords=%E6%BC%AB%E7%94%BB%E3%81%AF%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%82%92%E5%BF%98%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84 …①手塚治虫、水木しげる、松本零士、そして中沢啓治など戦争漫画に関する戦後の推移を考察。実に多くの有名漫画家が、戦争の悲惨さを描き続けていたかわかるが『ロボット三等兵』のような皮肉なギャグ漫画も紹介。面白い。
水木しげる・戦争/命懸けで合流した部隊で「死ね!」玉砕、死んだ戦友!69年目/最近、兵士の夢を見る!鬼太郎、漫画家 http://blog.goo.ne.jp/kimito39/e/dd68f3b8a009d3ca799d4199a34a04af … 戦時中、特に前線では、人間扱いされることなんてあり得ないことでしたpic.twitter.com/XvEWAXgRL9
<・・・またまた真っ赤な嘘が暴かれた!> 昭和天皇の命を受けて組み込まれた9条(戦争放棄)〜憲法はGHQによる押しつけとの説を否定する史料を東大名誉教授が発見
http://sharetube.jp/article/3972/
東京新聞の記事ではマッカーサーの「戦争を禁止する条項を憲法に入れるようにという提案は、幣原首相が行ったのです」とする返信を紹介し、幣原首相のこの提案は昭和天皇の命を...
<・・・現実はカモどころじゃないよ、マフィアにしゃぶり尽くされる情婦のようなもの> 「日本はアメリカの衛星国家としてカモにされている、なぜ立ち上がろうとしない?」 オリバー・ストーン監督
http://sharetube.jp/article/3967/
オリバー・ストーン監督が、2013年8月6日に原水爆禁止世界大会の広島会場でスピーチを行った。オリバー・ストーン監督は、歴史学者のピーター・カズニック氏とともにドキュメン...
<・・・憲法9条が押しつけという真っ赤な嘘がまたバレタ!> 幣原喜重郎氏の発案でありマッカーサーにこれを認めさせたというマッカーサー自身の書簡が発見された
http://sharetube.jp/article/3964/
憲法9条は幣原喜重郎氏の発案でありマッカーサーにこれを認めさせたというマッカーサー自身の書簡があった(中日8.12)。これにより「押しつけ憲法」の根拠は失われた。幣原氏...
<・・・この実態を何人の日本人が理解できるのだろう?> 米兵の代わりに日本人の命を使う!CIAからカネをもらった岸信介、その末裔がいまもまた日本を売ろうとしている
http://sharetube.jp/article/3928/
売国奴という言葉がある。愛すべき国の防衛に携わった者としては、許せない者たちだ。元自衛官氏CIAからカネをもらった岸信介・佐藤栄作。CIAからコードネームまで拝領した正力...
<広島に向かって、長崎に向かって・・・あなたは黙とうしましたか?> 【特別寄稿】ノーモア!オバマ大統領、広島で被爆者の声を聞いてください
http://sharetube.jp/article/3920/
本文とは関係ないのだけど・・・、写真右列3番目のたぶんご婦人なんだろうけど~身体が透けて写ってない? 原爆ドーム前にして夏の怪談じゃないのだろうけど・・・追加 追加 ...
明仁天皇の「生前退位の意志表明」は安倍政権と日本会議の改憲=戦前回帰に対する最後の抵抗だった! 天皇陛下の生前退位 米紙が皇太子を分析「改憲と対照的」
http://sharetube.jp/article/3570/
宮内庁関係者の間では、今回の「生前退位の意志」報道が、安倍政権の改憲の動きに対し、天皇が身を賭して抵抗の姿勢を示したのではないか、という見方が広がっている。生前退位...
大竹しのぶさん 【特攻は美しい事ではなく、残酷で、二度とあってはいけない事だ。】 ≪真実はネット上にあり≫
http://sharetube.jp/article/3494/
「特攻隊の人たちは自分が死ぬことで戦争を止めてくれ、という思いだったと思う。安倍総理は御霊をねぎらうのがなぜいけないのですかということをおっしゃっていた。しかし、特...
安倍晋三の【売国の系図】吉田茂、岸信介、佐藤栄作の3名による「密約」による「日本売り渡し」「売国で潤う家系」「死の商人」「米国に支配される日本」安倍晋三氏が「売国の作法」を受け継いでいる!
http://sharetube.jp/article/3444/
○人類史上最悪といわれる原発事故が起きた。なのになぜ、それまで「絶対に安全だ」と言い続けてきた責任者たちは誰も責任を問われず、逆に「安全性が確保された」などと言って再...