オヤジギャグ満載映画『ありがとう、トニ・エルドマン』人を幸せにする映画

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【予告編】映画『ありがとう、トニ・エルドマン』

映画『ありがとう、トニ・エルドマン』が6月24日(土)より公開。

突飛な行動で娘を驚かせようとする父・ヴィンフリートと神出鬼没に現れる彼の行動に振り回される娘・イネス。ルーマニアでの大事な仕事をぶち壊されながらも「自分にとっての“しあわせ”は何か」という父の問いかけに、本来の自分を取り戻していくイネスの変化を通し、普遍的な父と娘の愛情が浮き彫りになる。宅配便の受け取りのために出っ歯の入れ歯を装着し「トニ・エルドマン」という別人格になりきる冒頭の登場シーンから、ヴィンフリートのユーモアは笑うに笑えない。しかし、そのなかに見え隠れする不器用ながらも娘との愛情を育もうとする姿に胸を打たれるだろう。

出典:男性中心的、グローバル化―現代社会を映し出すコメディ『ありがとう、トニ・エルドマン』|"役柄"を演じる父と"役柄"を放棄する... - 骰子の眼 - webDICE

	
『恋愛社会学のススメ』のマーレン・アデ脚本・監督作。互いへの愛情をうまく伝えられない父と娘の関係を描く人間ドラマ。162分。

出典:噛み合わない父と娘の物語 「ありがとう、トニ・エルドマン」を採点! - ライブドアニュース

	

〈〈菊地成孔さん大大大絶賛! UOMOにて大枠紹介〉〉「脚本、社会性、普遍性すべてが完璧!物語の復権を感じさせる上半期ベストワン!」「久しぶりに観た傑作です。あらゆる意味で面白く、奥が深い」「文句なし」などと菊地成孔さんに大絶賛頂きました!ぜひ、本作スクリーンでお楽しみください!

	

『ありがとう、トニ・エルドマン』自分にとって一番心地よい穏やかさの空気感で統一された作品で、それでいて直感で思いきり笑えるカットが沢山あって、あぁ愛すべき映画だなーなんて観てたら、最後に極上ぶっ込みがきて完全理性超えた。こんなに爆笑し続けてたのは本当に久しぶり。笑いが止まらない。

	

『ありがとう、トニ・エルドマン』これは観て良かった一本。予想していた程のキワモノコメディではなくて、ズレたギャグのジャブをかわしたその先で黒いキグルミが放出した愛をありがたく受け取るという映画。ほら、キワモノじゃないでしょう?

	

先週末から日本でも公開されてるけど、全然話題になってねえな、おい!超オモロかったぞ!あんなヘア対決とか見たこと無い!日本版作るとしたら、西田敏行&吉田羊だな。

町山智浩 ドイツ映画『ありがとう、トニ・エルドマン』を語る

	

『ありがとう、トニ・エルドマン』を見た。評判どおり確かに面白い。
160分を超える上映時間の中で、ついにトニ・エルドマンの背景は語られなかった。得体の知れない怪物。そこがいい。フランケンシュタインも孤独だった。そしてこの映画、最後に爆弾を放り込んでくるのだがそれがまあ素晴らしい。

	

『ありがとう、トニ・エルドマン』おっさんの仮装は入れ歯とカツラ装着して「ワシはパパじゃないぞw」と振る舞うネタ1本だけなのが辛いんだけど 終盤娘がキレて全裸になる下りはスゲー面白かった

	

『ありがとう、トニ・エルドマン』仕事一筋なキャリアウーマンの娘を励ますためにダダ滑り一人仮装大賞を繰り広げるおっさんを3時間近く見せられる怪作だった

	

【ありがとう、トニ・エルドマン】誰もが経験したことがあると思う、家族や友人と一通り別れの挨拶をして、なかなか発車しない電車とか待ってる時の気不味い間。あの間に支配された162分なんですよ。映画の起伏は本当に小さいけど普段の暮らしに忙殺されて忘れているなんか大切な事が映ってます。

	

これだ、わたしが見たかったのはこういうのだ!!ありがとう、トニ・エルドマンものすごくよかった!!泣き笑い、笑い泣き。

	

『ありがとう、トニ・エルドマン』鑑賞。ブカレストを舞台にした父と娘のストーリーは『東京物語』を彷彿させる。アナーキーな展開に驚嘆しつつ、エルドマンのキャラクターに引き込まれた。ゆったりとしたテンポと間の取り方が素晴らしく、その長尺を感じさせない一本。

	

「ありがとう、トニ・エルドマン」この作品は最初から笑え後半は爆笑満載の作風でした。また、ちゃんと親子のいざこざや真剣さもきれいに描かれていて見やすかった。結構露出が多いから大人の作品かも?でも楽しめる作品!!

	

「オヤジギャグ」英語だと「Daddy’s Joke」町山智浩

コメディーということになっているんですけど、ゲラゲラ笑うコメディーじゃないんですよ。まあ、日本でもよくあるタイプなんですけど、非常に気まずい気持ちになる笑いなんですよね。

出典:町山智浩 ドイツ映画『ありがとう、トニ・エルドマン』を語る

	

町山智浩「搾取の構造、現在のヨーロッパの現状を描く」

ルーマニアで働いているんですけど、主人公の娘さんとかドイツの会社の人たちはすごいんですよ。ハイテクで。で、みんな超高級な服を着て、高級車に乗って。それで高級クラブに行って。で、コカイン吸ったりしているんですよ。で、金がものすごくあるんですよ。ところがその周辺にいるルーマニアの人たちはものすごい貧乏なんですよ。


もう、ビルの下の廃墟みたいなところに、靴もない女の子たちが物を拾って食べているようなところが映るんですよ。で、それを上から見下ろすんですよ。そのドイツ人のヒロインが。でも、なんとも思わないんですよ。このヨーロッパの格差はすごい恐ろしいですよ。


だって現地から石油を採っているんですけど、採掘しているわけで。これはルーマニアの財産じゃないですか。石油って。でも、全部吸い上げちゃうんですよ。ドイツの企業が。で、そういったことに対して何も思わなくなっちゃっているんですよ。麻痺しちゃって。


ヨーロッパはひとつで、EUになっていったりして、経済的にグローバリゼーションになっているけども、実は強い国が弱い国を搾取していると。で、同じヨーロッパ人同士で全然心が通じ合っていないっていう。だからそういうね、ことを裏で描いているという非常によくできた映画でしたね。

出典:町山智浩 ドイツ映画『ありがとう、トニ・エルドマン』を語る

	
中野翠(コラムニスト)

★★★★☆愛犬の死から始まる父娘の心の交流。強引な設定ながら引き込まれた。ディープなヨーロッパと娘役女優の演技に注目。


芝山幹郎(翻訳家)

★★★★☆父娘関係の屈折と哀愁を描くと思わせながら、変化球を連投する。スーパーシリアスな言動のおかしさがよく出ている。


斎藤綾子(作家)

★★★★☆苛々している娘の行動は過激だが勇敢で、ギョッとする父親の思い付きは鬱陶しいのに泣ける温かさ。間の取り方が絶妙。


森直人(映画評論家)

★★★★☆上質な感情の織物。喜怒哀楽の配合が巧く、一見簡素ながら内側はカラフルな印象。既視感と新鮮味が不思議に混ざる。


洞口依子(女優)

★★★★☆この噛み合わなさが、まさに親子関係。それを通して考察する人生の時間について。ドイツ映画らしい不条理さも。天晴れ。

出典:噛み合わない父と娘の物語 「ありがとう、トニ・エルドマン」を採点! - ライブドアニュース

	



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Sharetube